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【ネタバレ】三浦しをんの光は胸糞で救いがない?小説の結末と感想を徹底解説

三浦しをんさんの小説『光』は、「胸糞悪い」「救いがない」と評されることが多いですが、この物語の本当の価値は、人間の心の奥底にある暗い部分を容赦なく描き出している点にあります。

美しい離島で起きた一つの殺人事件が、25年の時を経て再び動き出す物語で、罪によって歪んだ絆で結ばれた3人の登場人物が、破滅へと向かう様子が克明に描かれます。

ただ気分が落ち込むだけで終わってしまうのは避けたいな…

この重い問いを受け止めたとき、物語は単なる不快な体験ではなく、忘れられない一冊になります

目次

小説『光』は胸糞で救いがないのか、読後の評価

「怖い」「胸糞悪い」という評価がある一方で、この物語の真髄は、人間の心の奥底にある暗い部分を容赦なく描き出している点にあります。

目を背けたくなるような展開の先に、人間の本質に迫る鋭い問いが隠されているのです。

なぜこの小説が、一部の読者から熱狂的に支持されるのか、その理由を読み解いていきましょう。

息苦しいほど生々しい心理描写

三浦しをんさんの巧みな筆致は、登場人物たちの感情をまるで読者自身が体験しているかのように描き出します。

特に、過去の罪を背負いながら平穏な家庭を築いた主人公・信之の、内面が崩壊していく様は圧巻です。

25年という歳月が過ぎても消えない罪悪感、秘密が暴かれることへの恐怖、そして日常が壊れていく焦り。

これらの感情が克明に綴られており、ページをめくる手が重くなります。

登場人物たちの心の動きを追いかけるうちに、読者は物語の世界に深く引き込まれてしまうのです。

登場人物たちの気持ちが、少しも理解できないかもしれない…

その醜さや狂気の中に、誰もが持つ弱さや身勝手さを見つけて、はっとさせられるはずです

登場人物に感情移入するというよりは、彼らの内面を通して自分自身の心と向き合うような、緊張感のある読書体験が待っています。

物語の根底にある暴力と歪んだ人間関係

この物語は、一つの殺人事件から始まります。

その暴力的な行為が、信之、美花、輔という3人の人生を決定的に結びつけました。

彼らの関係は、罪の秘密を共有することでしか成り立たない、歪んだ絆で結ばれています。

25年後、彼らが再会することで、その危うい均衡は崩れ始めます。

加害者、被害者、そして目撃者。

単純に見えるその関係性は、輔の脅迫によって複雑に絡み合っていくのです。

暴力から始まった関係は、さらなる暴力と破滅を呼び込み、誰も逃れることができません。

物語全体を覆う暴力の影と、登場人物たちの共依存的な関係性は、読者に強烈な不快感を与えます。

しかし、それこそが人間の持つ業の深さを描き出すための、重要な要素となっているのです。

救いのない結末が投げかける根源的な問い

小説『光』が「救いがない」と評される最大の理由は、その衝撃的な結末にあります。

物語の終わりに待っているのは、希望の光ではなく、登場人物全員が破滅へと向かう、あまりにも無慈悲な現実です。

犯した罪が償われることも、傷ついた心が癒やされることもありません。

物語は、やりきれない思いと重苦しい余韻を残したまま、突然終わりを迎えます。

この読後感の悪さから、多くの読者が「胸糞悪い」と感じるのも無理はないでしょう。

ただ気分が落ち込むだけで終わってしまうのは避けたいな…

この重い問いを受け止めたとき、物語は単なる不快な体験ではなく、忘れられない一冊になります

しかし、この救いのない結末こそが、作者・三浦しをんさんが読者に投げかけた根源的な問いなのです。

「本当の罪とは何か」「人にとっての救いとはどこにあるのか」。

安易な答えを提示しないからこそ、読者は深く考えさせられます。

読書メーターでの賛否両論のレビュー

大手レビューサイト「読書メーター」での評価を見ると、この物語がどれだけ賛否両論であるかがわかります。

好意的な評価の割合は56%となっており、評価がほぼ真っ二つに割れている状態です。

レビューには「重すぎて気分が悪くなった」「二度と読みたくない」といった否定的な感想が見られる一方で、「これぞ小説の力」「人間の本質をえぐる傑作」といった絶賛の声も数多く寄せられています。

まさに、読む人を選ぶ作品と言えます。

これほどまでに評価が分かれるのは、この作品が読者の倫理観や価値観を激しく揺さぶる力を持っているからです。

賛否両論あること自体が、『光』という小説の持つ衝撃の強さを物語っています。

物語のあらすじと罪が繋ぐ登場人物

物語の核となるのは、25年前に起きた殺人事件と、その罪によって歪んだ絆で結ばれた3人の登場人物です。

彼らの過去と現在が交錯し、物語は破滅へと向かっていきます。

この3人の歪な関係性が、物語に息苦しいほどの緊張感と深みを与えています。

舞台は東京の離島・美浜島

物語の始まりの地である美浜島は、東京に属しながらも閉鎖的なコミュニティを持つ架空の離島です。

この美しい自然とは裏腹に、外部から隔絶された環境が、後に起こる悲劇の土壌となります。

閉鎖的な島が舞台だと、逃げ場がない感じがして怖い…

その通りです。島の閉塞感が、登場人物たちの心理をさらに追い詰めていきます。

島という限定された空間が、登場人物たちの逃れられない運命を象徴しているのです。

津波によって闇に葬られた25年前の殺人事件

物語のすべての発端となるのが、主人公の信之が犯した殺人です。

中学生だった信之は、想いを寄せる同級生の美花を暴行から救うため、相手の男を殺害します。

事件の直後、島を巨大な津波が襲い、殺人の証拠はすべて流され、事件は誰にも知られることなく闇に葬られました。

しかし、この災害によって隠蔽された罪は、25年の時を経て、彼らの人生に暗い影を落とし続けることになります。

主人公・黒川信之、キャスト・井浦新

黒川信之は、25年前に殺人を犯した過去を隠し、公務員として妻子と平穏に暮らす主人公です。

映画版では俳優の井浦新さんが演じています。

過去の罪の意識に苛まれながらも、必死に築き上げた日常を守ろうとします

その姿は痛々しく、読者の心を締め付けます。

平穏な生活が壊されていくのは辛そう…

彼の葛藤と狂気が、物語の大きな見どころの一つです。

輔の出現によって、信之が保っていた偽りの平穏は、もろくも崩れ去っていくのです。

過去の目撃者・輔、キャスト・瑛太

輔は、信之の殺人の瞬間を偶然カメラで撮影していた唯一の目撃者です。

映画版は俳優の瑛太さんが怪演し、話題となりました。

25年後、彼は肉体労働者として信之たちの前に現れます。

津波で家族を失い、孤独に生きてきた輔は、過去の秘密を武器に二人を脅迫し、彼らの日常を破壊していきます

彼の行動は常軌を逸していますが、その根底には歪んだ孤独と承認欲求が渦巻いており、物語に不気味な深みを与えています。

罪の共犯者・篠浦未喜、キャスト・長谷川京子

篠浦未喜(旧姓:美花)は、信之に救われた被害者でありながら、秘密を共有する共犯者でもある存在です。

映画では長谷川京子さんが演じています。

過去のトラウマを抱えながらも女優として成功し、華やかな世界で生きています。

しかし、彼女の心もまた、25年前の事件に縛り付けられています

信之と同様に、彼女もまた輔によって過去と向き合うことを余儀なくされ、危うい精神のバランスを崩していくことになります。

ネタバレ解説、衝撃の結末と輔の本当の目的

ここから先は、物語の核心に触れる重大なネタバレを含みます。

結末を知った上で作品と向き合いたい方のみ、読み進めてください。

この物語の読後感を大きく左右するのは、輔が信之たちを脅迫した本当の目的が明らかになる衝撃的な展開です。

脅迫の裏に隠された輔の孤独と歪んだ願い

輔が信之たちを脅迫した本当の目的は、金銭ではありませんでした。

それは、津波によって家族も友人も全てを失った輔が抱える、あまりにも深い孤独と歪んだ愛情からくる行動だったのです。

25年前のあの事件と、その直後の津波。

天涯孤独となった輔にとって、秘密を共有する信之と美花は、唯一自分を理解してくれる「家族」のような存在でした。

彼はただ、あの頃の3人だけの特別な関係性を取り戻したかったのです。

輔はただ、昔の関係に戻りたかっただけなの?

彼の願いはあまりに純粋で、だからこそ狂気的なのです

輔の願いは、信之が築き上げた平穏な家庭を破壊し、美花を過去の悪夢に引きずり込むという、あまりにも歪んだ形でしか表現されませんでした。

全員が破滅へと向かう悲劇的な最後

輔の歪んだ願いは、登場人物全員が破滅へと向かう、救いのない悲劇的な結末を迎えます。

輔の執拗な脅迫に追い詰められた信之は、平穏な日常を守るため、再び殺人を犯してしまいます。

25年前と同じように、自分の大切なものを守るために、今度は輔の命を奪うという選択をするのです。

しかし、その行為によって信之が守りたかった家庭は完全に崩壊します。

妻と娘は彼のもとを去り、美花もまた、過去の呪縛から永遠に逃れられないことを悟ります。

誰も救われない結末は、読んでいて辛くなりそう…

この救いのなさが、罪とは何かを私たちに問いかけてきます

信之も、美花も、そして輔も、誰も救われることはありません。

このやりきれない幕切れこそが、『光』が「胸糞悪い」「救いがない」と評される最大の理由であり、読者に罪と罰、そして人間の本質について重い問いを投げかけるのです。

大森立嗣監督による映画版との違い

原作小説が巧みな心理描写で登場人物の内面に迫るのに対し、映画版は俳優陣の鬼気迫る演技と映像ならではの緊張感で物語の核心をえぐり出します。

どちらも『光』という作品の持つ重厚なテーマを描いていますが、表現方法の違いによって異なる衝撃を体験できます。

小説と映画、両方に触れることで、物語の多面的な魅力と奥深さをより一層感じ取れます。

原作を読んでから映画を観るか、映画を観てから原作を読むかで、物語の受け取り方も変わってくるでしょう。

鬼気迫る演技と映像ならではの緊張感

映画版の魅力は、何と言っても俳優たちの魂を削るような演技にあります。

主人公・信之を演じる井浦新さん、謎めいた男・輔を演じる瑛太さん、そして過去の傷を抱える美花を演じる長谷川京子さん。

三人が織りなす息の詰まるようなやり取りは、観る者を物語の世界へ引きずり込みます。

大森立嗣監督は、原作の持つ暴力性と閉塞感を、137分の上映時間を通じて巧みに映像化しました。

人物の表情や島の風景、ジェフ・ミルズによる音楽が一体となり、小説とは異なる種類の恐怖と緊張感を生み出しているのです。

映画は原作のどのくらい重い雰囲気を再現できているの?

原作の持つ息苦しさを、映像と音でさらに増幅させていますよ

文字だけでは伝わりきらない登場人物たちの絶望や狂気を、役者の演技を通じて直接感じたい方には、映画版の鑑賞をおすすめします。

映画のロケ地となった伊豆諸島・利島

映画版『光』において、舞台となる離島の風景は物語の閉塞感を際立たせる重要な役割を担っています。

この架空の島「美浜島」のロケ地に選ばれたのが、東京都に属する伊豆諸島の利島です。

撮影は2016年8月20日から9月27日にかけて行われました。

断崖絶壁に囲まれた小さな島の風景は、登場人物たちが過去の罪から逃れられない運命を象徴しているかのようです。

都会の喧騒から隔絶された島の空気感が、登場人物たちの歪んだ人間関係をより一層際立たせています。

映画を観るときには、俳優陣の演技だけでなく、背景に映る利島の自然にも注目してみてください。

物語への没入感がさらに深まるはずです。

原作小説の書籍情報と文庫版の入手方法

三浦しをんさんの手によって2008年に生み出された原作小説は、読後に人間の本質に迫る強烈な問いを投げかけます。

美しい装丁とは裏腹に、その内容は人間の心の闇を容赦なく描き出しており、多くの読者に衝撃を与えました。

物語は304ページにわたり、登場人物たちの絶望的な状況と微かな光を求める心理を丹念に描いています。

2013年には集英社文庫から文庫版も発売され、より手に取りやすくなりました。

まずは気軽に試してみたいんだけど、どうすればいい?

手に入りやすい文庫版か、すぐに読める電子書籍がおすすめですよ

文庫版は全国の書店やオンラインストアで入手可能です。

また、電子書籍版も配信されているため、スマートフォンやタブレットですぐに読み始めることもできます。

よくある質問(FAQ)

三浦しをんさんの他の作品が好きでも『光』は楽しめますか?

『舟を編む』や『まほろ駅前多田便利軒』といった、人の温かさを描く作品のファンにとっては、本作の作風の違いに驚くかもしれません。

三浦しをんさんの作品の中でも、人間の暗部や業を容赦なく描いた異色作です。

しかし、巧みな心理描写や物語の構成力は共通しており、作家の別の側面を知る意味で非常に読み応えのある一冊と言えます。

物語が「怖い」と言われますが、ホラーのような怖さですか?

お化けや超常現象が登場するような、いわゆるホラーの怖さではありません。

この物語の怖さは、登場人物たちが追い詰められていく現実的な心理や、閉鎖的な人間関係から生まれる暴力の連鎖にあります。

日常生活が静かに崩壊していく様子が非常にリアルに描かれており、精神的にじわじわとくる恐怖を感じさせます。

映画版で特に注目すべき俳優の演技はありますか?

主人公の信之を演じる井浦新さんが、過去の罪と現在の平穏の間で苦悩し、徐々に精神のバランスを崩していく様は圧巻です。

加えて、物語の鍵を握る輔を演じた瑛太さんの、底知れない不気味さをまとった怪演は多くの観客に強烈な印象を残しました。

大森立嗣 監督の演出のもと、二人の鬼気迫る演技のぶつかり合いが最大の見どころです。

結末に「救いがない」のに、なぜタイトルが『光』なのですか?

物語の結末に、誰もが納得するような希望の光は描かれていません。

このタイトルは、登場人物たちが絶望的な暗闇の中でもがきながら、無意識に求めてしまうものの象徴と解釈できます。

また、読者がこの救いのない物語を通して、人間の罪や本質とは何かを考えた先に見出す「光」を指している、という深い意味が込められています。

原作の小説を読むのに、時間はどれくらいかかりますか?

三浦しをんさんの小説『光』は文庫版で300ページほどの長さです。

読書に慣れた方であれば4〜6時間ほどで読了できます。

しかし、非常に重く濃密な内容のため、一度に読み進めるのが精神的に辛いと感じる方もいます。

ご自身のペースで、数日に分けてじっくりと向き合うことをおすすめします。

「胸糞」と言われる暴力的なシーンは具体的に描かれていますか?

物語の発端となる事件を含め、作中では身体的、精神的な暴力が描かれる場面があります。

特に、登場人物たちの感情が爆発するシーンでの暴力描写は直接的で生々しく、読む人によっては強い不快感を覚えます。

衝撃的な展開に備えたい方は、ある程度の覚悟を持って読み始めるのが良いでしょう。

まとめ

この記事では、三浦しをんさんの小説『光』がなぜ「胸糞悪い」と評されるのか、その理由をあらすじや結末のネタバレを含めて解説しました。

この物語の核心は、罪によって歪んだ絆で結ばれた3人の登場人物が、全員破滅へと向かう救いのない現実を容赦なく描いている点にあります。

もしこの物語の重さを文章で受け止めることに不安を感じるなら、まずは俳優陣の鬼気迫る演技で物語の核心に触れられる映画版から鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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