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【ネタバレなし】原田マハのさいはての彼女あらすじと感想|旅に出たくなる3つの魅力

日々の仕事や生活に追われ、どこか遠くへ行きたいと感じていませんか。

原田マハさんの『さいはての彼女』は、ページをめくるだけで心を遠くへ連れていってくれる、そんな一冊です。

この物語は、人生の岐路に立った女性たちが旅を通して自分を見つめ直す4つの短編集で、美しい風景描写に癒やされながら前を向く元気をもらえます

最近どこかへ旅に出てリフレッシュしたいけど、時間がなくて…

この本を読めば、北海道や伊豆への旅気分を味わえますよ

目次

日常を抜け出す物語『さいはての彼女』の概要

『さいはての彼女』は、日々の生活に少し疲れてしまった人にこそ読んでほしい、心温まる物語です。

この作品の魅力は、旅を通じて、登場人物たちが人生の新たな一歩を踏み出す姿が丁寧に描かれている点にあります。

まずは、この感動的な物語を生み出した著者と、作品の基本情報から見ていきましょう。

著者-原田マハの人物像

著者の原田マハさんは、アートや旅をテーマにした心温まる物語で多くの読者を魅了している小説家です。

森ビル森美術館の設立準備室や、ニューヨーク近代美術館(MoMA)での勤務経験を持つというユニークな経歴の持ち主で、その知見が作品に深い奥行きを与えています。

2012年には『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞を受賞するなど、数々の文学賞に輝いています。

原田マハさんって、アートに関する小説で有名な方ですよね?

はい、そのユニークな経歴が物語に深い奥行きを与えているんです。

原田マハさんの描く世界は、登場人物たちの心の機微を優しく描き出し、読後に温かい気持ちと前を向く勇気を与えてくれます。

書籍の基本情報

『さいはての彼女』は、角川文庫から出版されている、旅をテーマにした4つの物語で構成された短編集です。

1つの物語が比較的短くまとめられているため、読書が苦手な方でも手に取りやすい一冊といえます。

2009年に単行本が刊行され、その後角川文庫に収録されました。

短編集なら、通勤時間や寝る前に少しずつ読めそう!

ええ、それぞれの物語が独立しているので、隙間時間にもぴったりですよ。

忙しい毎日の中でも、ページをめくるたびに北海道や伊豆の美しい風景が目に浮かび、まるで自分が旅をしているかのような気分を味わえます。

物語の主要な登場人物

この物語の魅力は、何といっても個性豊かな登場人物たちです。

特に、物語全体の鍵を握るのが、ハーレーを乗りこなす耳の聞こえない女性、凪(なぎ)という存在です。

凪をはじめ、本作に登場するのは、仕事や人間関係に悩み、立ち止まってしまった女性たちです。

仕事に追われる女社長の鈴木涼香や、休職中の陣野志保など、現代を生きる私たちが共感できる等身大の人物像が描かれています。

それぞれが抱える葛藤や迷いを乗り越え、旅先での出会いをきっかけに自分らしさを取り戻していく姿は、私たちに勇気と希望を与えてくれます。

『さいはての彼女』が旅に出たくなる3つの魅力

この物語を読むと旅に出たくなる理由は、心を揺さぶる魅力が散りばめられているからです。

特に、まるでその場にいるかのような美しい風景の描写は、読者を一瞬で物語の世界へと引き込みます。

これらの魅力が重なり合うことで、読後には新しい景色を求めて、自分の足で一歩踏み出したくなるでしょう。

心を解き放つ美しい風景の描写

原田マハさんの真骨頂ともいえる、五感に訴えかける情景描写がこの物語の大きな魅力です。

例えば、表題作の舞台となる北海道では、どこまでも続く一本道や広大な大地、肌を刺すような風の冷たさまでが、まるで映像を見ているかのように鮮やかに描かれます。

毎日同じ景色の繰り返しで、心が疲れてしまったな…

ページをめくるだけで、雄大な自然の中に心を連れ出してくれるはずです

文字を追うだけで、登場人物たちが見ている景色を共有し、日々の喧騒から離れて心を解き放つような感覚を味わえます。

登場人物たちと追体験する人生の再出発

この短編集に登場するのは、仕事や人間関係に悩み、人生の岐路に立たされた4人の女性たちです。

仕事一筋で精神的な余裕をなくした女社長や、部下とのトラブルで休職中のキャリアウーマンなど、読者が自分自身の状況と重ね合わせられるような等身大の悩みを抱えています。

私も何かを変えるきっかけがほしい…

彼女たちが旅を通して自分を見つめ直す姿に、きっと勇気をもらえますよ

彼女たちが旅先での出会いをきっかけに、新たな一歩を踏み出す姿を追体験することで、読者自身も「もう一度頑張ってみよう」という前向きなエネルギーを受け取れます。

自由の象徴ハーレーがもたらす疾走感

物語の鍵を握るのが、自由の象徴として描かれるバイク、ハーレーダビッドソンです。

特に表題作「さいはての彼女」では、耳の聞こえない女性・凪がハーレーにまたがり大地を駆け抜ける姿が印象的に描かれています。

エンジン音の振動、風を切る感覚、どこまでも走っていけるような開放感は、読者の心に溜まった澱を吹き飛ばしてくれるほどの爽快感をもたらします。

日常の閉塞感から抜け出したいな…

この物語の疾走感を味わえば、心が軽くなるのを感じるはずです

悩みやしがらみから解き放たれ、自由に未来へ向かっていく。

そんなハーレーがもたらす疾走感は、読者に明日への活力を与えてくれます。

旅先で出会う4つの物語-各短編のあらすじ

『さいはての彼女』は、人生の岐路に立った女性たちが旅先で自分を見つめ直す、4つの物語が収められた短編集です。

舞台や主人公は異なりますが、どの物語も「旅」が人生の転機となる様子を描いています。

どの物語も、登場人物たちの心情が美しい風景描写とともに丁寧に描かれており、読者の心を揺さぶります。

さいはての彼女(舞台-北海道)

表題作であるこの物語は、仕事に追われ心をすり減らした女社長・鈴木涼香が、予定外の北海道への旅で、耳が聞こえないハーレー乗りの女性「凪」と出会うところから始まります。

涼香が乗り合わせた凪の愛車「サイハテ」は、ハーレーダビッドソンのサイドカー付きモデルで、その疾走感が物語に爽快感を与えています。

主人公はどんな悩みを抱えているの?

仕事の成功と引き換えに、心の余裕を失っています

広大な大地を駆け抜けることで、涼香が本来の自分を取り戻していく姿は、読者に大きな感動と元気を与えてくれる物語です。

冬空のクレーン(舞台-北海道)

職場でのトラブルが原因で休職中の主人公・陣野志保が、あてもなく訪れた北海道の釧路湿原で、タンチョウヅルに心を奪われる物語です。

特別天然記念物であるタンチョウヅルの気高い姿に、志保は人生を立て直すヒントを見いだします。

これもバイクの話?

いいえ、こちらは静かな冬の北海道で自分と向き合う物語です

美しくも厳しい自然の中で、傷ついた心が癒やされていく過程が丁寧に描かれており、静かな感動を呼びます。

旅をあきらめた友と、その母への手紙(舞台-伊豆)

この短編は、友人と計画していた旅行に一人で行くことになった元キャリアウーマン・波口善美の伊豆での物語です。

当初は乗り気でなかった一人旅が、善美に新しい発見をもたらし、友人親子への温かい手紙へと繋がっていきます。

友情がテーマなの?

はい、旅を通じて友情や家族の絆を再確認する感動的な話です

人との繋がりの大切さを再認識させられる、心温まるストーリーが魅力です。

風を止めないで

最後の物語は、表題作に登場したハーレー乗りの女性「凪」の過去が、彼女の母の視点から語られます。

凪がなぜバイクに乗るのか、愛車のハーレーに込められた想い、そして彼女の強さの源が明かされる感動的なエピソードです。

これは誰の視点で語られる話?

「さいはての彼女」に登場する凪の過去が、母親の口から語られます

この短編を読むことで、最初の物語「さいはての彼女」の感動がより一層深まります。

心を揺さぶる読者の感想レビュー

この本を読んだ多くの人が、心を動かされたという感想を残しています。

特に、物語に触発されて旅に出たくなったという声が目立ちます。

実際にどのような感想が寄せられているのか、具体的な口コミやレビューを3つのポイントに分けて見ていきましょう。

このように、読者は物語の世界に深く共感し、自らの人生や行動にポジティブな影響を受けていることがわかります。

読了後に旅の計画を立てたくなるという声

『さいはての彼女』を読み終えた方の感想で最も多いのが、「旅に出たくなった」というものです。

物語の舞台となる北海道の美しい風景描写が、読者の心を旅へと駆り立てます。

実際に、読書メーターには594件もの感想が登録されており(2024年時点)、その多くで旅への憧れが語られています。

私も最近、どこか遠くへ行きたいなって思ってたんです。

この本は、そんな気持ちを後押ししてくれますよ。

この本を読んで言う感想かどうかは分かりませんが、大きく感じたのは二つですね。

まず一つ、旅はいいですねぇ!

特に北海道!

今はコロナの煽りで旅しにくいですけど違う土地に行けるってのは良いですね、僕は高校の修学旅行で北海道に行ったきりですがかなり楽しい土地なのは存じ上げておりますので、また機会があれば行ってみたいですね。

この作品では旅を通して心身のリフレッシュや転換点になった女性がたくさん登場します。

以前読んだ「旅屋おかえり」でもそうですが、やはりこの手の本を読むと旅の魅力を再確認出来て良いですね。

感染症がもうちょっと落ち着いてきたら近場に旅行にでも繰り出してみたいです。

https://ameblo.jp/tk-aqua-alta/entry-12605166284.html

物語の登場人物たちと同じように、旅を通じて何かを変えたい、新しい自分に出会いたいと感じる人が多いようです。

登場人物の生き方から元気をもらえるとの評価

悩みや葛藤を抱えながらも、旅を通して前を向いていく登場人物たちの姿に、勇気づけられたという評価も多く見られます。

4つの短編に登場する女性たちは、仕事や人間関係で壁にぶつかりますが、旅先での出会いをきっかけに新たな一歩を踏み出す強さを見せつけます。

物語の中で彼女は聴力の欠如や父の喪失という試練を背負わされてしまっていますが、それをものともしない強い生き方ができる女性です、本当に魅力的です。

https://ameblo.jp/tk-aqua-alta/entry-12605166284.html

彼女たちの姿に自分を重ね合わせ、明日への活力をもらったという感想は、この物語が持つ大きな魅力の一つです。

主人公-凪と愛車ハーレーの魅力に関する口コミ

特に多くの読者の心を掴んでいるのが、表題作に登場する耳の聞こえないハーレー乗りの女性「凪」の存在です。

彼女の凛とした生き様と、自由の象徴である愛車ハーレーに憧れる声が多数寄せられています。

作中で描かれる、凪がハーレーダビッドソンに跨り風を切って走る姿は、読者に強烈な印象と爽快感を与えます。

そして二つ目、ハーレーいいですねぇ!

ハーレーダビッドソン、バイクに詳しくない人間でもその名を知っている有名メーカーです。

どのくらい信者がいるのかは全く存じ上げないんですが、あんなゴツい単車に凪のような細身の女性が跨っているのを想像すると惚れ惚れしますね。

ハーレーという一つのツールを介して他者と親密になれる凪、物語の中で彼女は聴力の欠如や父の喪失という試練を背負わされてしまっていますが、それをものともしない強い生き方ができる女性です、本当に魅力的です。

あと愛車に着けている「サイハテ」というネーミング、なかなかにクールです。

ハーレーに限らずだとは思いますが、趣味の存在というものはその人を強く保ってくれる、そして他者との共通点を作ってくれるという点で非常に素晴らしいものだと感じました。

そしてバイクもカッコいいな、と一つの憧れを植え付けられてしまいましたね。

https://ameblo.jp/tk-aqua-alta/entry-12605166284.html

凪とハーレーが織りなす物語は、多くの読者にとって忘れられない体験となり、作品全体の魅力を高めています。

よくある質問(FAQ)

短編集とのことですが、物語同士に関連性はあるのでしょうか?

4つの物語はそれぞれ独立しているため、どの話からでも楽しめます。

しかし、表題作『さいはての彼女』の登場人物である凪の過去が、『風を止めないで』で詳しく語られるなど、緩やかな繋がりが存在します。

順番に読み進めることで、物語の感動がより一層深まる構成になっています。

バイクやハーレーに詳しくないのですが、それでも面白いですか?

はい、バイクの専門知識がなくても十分に楽しめます。

この物語で描かれているのは、ハーレーという機械そのものではなく、それが象徴する自由な生き方や、風を切って走る爽快感です。

バイクが人と人との心を繋ぐきっかけとなるため、乗り物に詳しくない方でも登場人物の人生に深く共感できます。

この小説は、どんな気分の時に読むのがおすすめですか?

日々の仕事や生活に少し疲れて、リフレッシュしたいと感じている時に読むのが特におすすめです。

旅に出たくなるような美しい風景描写と、困難を乗り越える登場人物たちの姿から、明日への活力をきっともらえます。

読書を通じて、心が晴れやかになるような元気が出る一冊です。

登場人物は女性が中心のようですが、男性の読者でも共感できますか?

主人公は悩みを抱える女性たちですが、仕事での葛藤や人生の転機といったテーマは、性別に関係なく共感できるものです。

実際に男性読者からの口コミや評価も高く、特に自由な生き方への憧れや、舞台となる北海道の雄大な自然の描写は、多くの方の心を掴んでいます。

泣けるという感想を見かけますが、どのような感動がありますか?

心がじんわりと温かくなるような、優しい感動を味わえる物語です。

登場人物たちが困難と向き合い、自分らしさを取り戻していく姿や、旅先での出会いが紡ぐ人の絆に胸を打たれます。

大声で泣くというよりは、読後に静かな余韻と前向きな気持ちが心に残る、そんな泣ける感動が待っています。

物語の舞台について、もう少し詳しく教えてください。

表題作の『さいはての彼女』と『冬空のクレーン』は、雄大な自然が広がる北海道が主な舞台です。

特に後者では、釧路湿原に舞う美しいタンチョウヅルが印象的に描かれます。

『旅をあきらめた友と、その母への手紙』では温暖な伊豆が舞台になっており、それぞれの土地の魅力が物語を豊かに彩っています。

まとめ

原田マハさんの『さいはての彼女』は、人生に迷う女性たちが旅先での出会いを通じて新たな一歩を踏み出す、4つの物語を収めた短編集です。

最大の魅力は、ページをめくるだけで北海道や伊豆への旅気分を味わえる、美しい風景描写にあります。

日常に少し疲れ、どこか遠くへ行きたいと感じているなら、ぜひこの一冊を手に取ってみてください。

物語を読み終える頃には、心が軽くなり、新しい一歩を踏み出す勇気が湧いてきます。

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