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【ネタバレなし】七月隆文の君にさよならを言わない|あらすじと3つの感想

日々の生活に少し疲れて、心が動かされるような感動を求めていませんか。

この物語は、ただ切ないだけではなく、温かい涙で心を洗い流してくれるような優しさに満ちています。

『君にさよならを言わない』は、幽霊が見えるようになった高校生が、この世に未練を残す少女たちの想いを叶えるために奔走する物語です。

登場人物たちのひたむきな優しさが胸を打つ、切なくて心温まる連作短編集になっています。

感動して泣きたいけど、読んだ後に気持ちが沈むのは避けたいな

大丈夫ですよ。悲しいだけでは終わらない、明日への希望を感じさせてくれます

目次

温かい涙で心を癒す物語『君にさよならを言わない』

日々の暮らしの中で心が動かされる瞬間が減っていると感じるなら、この物語がおすすめです。

本作は、ただ切ないだけではなく、温かい涙で心を洗い流してくれるような、優しい物語です。

読み終えた後には、きっと明日を少しだけ前向きに迎えられる気持ちになります。

この物語がなぜ心を癒してくれるのか、その魅力をご紹介します。

登場人物たちのひたむきな優しさ

この物語の大きな魅力は、登場人物たちが誰かのために見せる、まっすぐな優しさです。

主人公の須玉明が、この世に未練を残す幽霊の少女たちのために一生懸命に行動する姿は、読む人の心を強く打ちます。

登場する幽霊たちは、決して怖い存在ではありません。

彼女たちはそれぞれ、「果たせなかった約束」や「伝えられなかった想い」といった切ない未練を抱えています。

例えば、主人公が6年ぶりに再会する初恋の幼なじみもその一人です。

彼らの純粋な想いが交錯する様子は、切ないながらも温かい気持ちにさせてくれます。

登場人物に感情移入して、一緒に泣いたり笑ったりしたいな

登場人物たちの純粋な想いが、きっとあなたの心を優しく揺さぶりますよ

誰かを想う気持ちの尊さに触れることで、読者自身の心も優しく解きほぐされていくのです。

ライトノベルのような読みやすい文章

普段あまり本を読まない方でも、この物語の世界にすぐに引き込まれます。

その理由は、七月隆文さん特有の「軽快な会話劇を中心に物語が進む文体」にあります。

レビューサイトの読書メーターでも「サクサク読めた」という感想が多く見られます。

難しい表現が少なく、テンポの良い会話で物語が進むため、約300ページの物語ですが、最後まで飽きさせません。

物語に深く没入できるので、登場人物たちの感情がまっすぐに伝わってきます。

疲れているから、難しい本は読む気になれないかも……

この本なら、通勤電車の中や寝る前の少しの時間でも、物語の世界に浸れます

この読みやすさがあるからこそ、物語が持つ感動を、誰もがストレートに受け取ることができるのです。

心に残る温かい読後感

死というテーマを扱いながらも、読後に暗い気持ちが残らないのがこの作品の素晴らしい点です。

読み終えた後には、悲しさ以上に優しい気持ちと前を向く勇気が心に残ります

物語の中で描かれる別れは確かに切ないです。

しかし、そこには必ず残された人への温かい想いが込められています。

別れの悲しみだけでなく、人と人との想いの繋がりが丁寧に描かれているからこそ、涙とともに心が浄化されるような感覚を味わえます。

読んだ後に、気持ちが沈んでしまうのは避けたいな

悲しいだけでは終わらない、明日への希望を感じさせてくれる物語です

毎日の生活に少し疲れてしまった心をリフレッシュしたい人にこそ、この温かい読後感を体験してほしい一冊です。

物語のあらすじと主要な登場人物

この物語の感動は、登場人物たちが織りなす切なくて温かい人間関係から生まれます。

特に、主人公と彼が出会う幽霊たちの心の交流が、読む人の心を強く揺さぶるのです。

ここでは、物語の核となるあらすじと、魅力的な登場人物たちについて紹介します。

ネタバレなしで楽しむあらすじ

『君にさよならを言わない』は、ある事故をきっかけに幽霊が見えるようになってしまった高校生、須玉明の物語です。

彼の前には、この世に未練を残してしまった少女たちの幽霊が現れます。

物語は、明が彼女たちの魂を救うため、残された想いを叶えようと奔走する姿を描く連作短編集です。

初恋の幼なじみや元クラスメイトなど、それぞれの幽霊が抱える切ない事情が、一つ一つの短編で丁寧に紡がれていきます。

死を扱いながらも決して暗くならず、読み終えた後には温かい気持ちが心に残るストーリーです。

主人公の須玉明(すだまあきら)

本作の主人公は、ごく普通の高校生である須玉明(すだまあきら)です。

彼は特別な力を持ってしまったことに戸惑いながらも、目の前に現れる幽霊たちを放っておけない優しい心を持っています。

明は、幽霊が見えるという自身の能力を使い、彼女たちが抱える「果たせなかった約束」や「伝えられなかった想い」を叶えるために一生懸命に行動します。

そのひたむきな姿は、読者が思わず応援したくなる魅力にあふれています。

主人公は特別な力を持っているんですね

はい、その力で未練を残した幽霊たちと向き合っていきます

彼の優しさと行動力が、この切ない物語を前向きで温かいものにしています。

義理の妹の柚(ゆず)

物語の中で、主人公の明を献身的に支えるのが、血の繋がらない妹の柚(ゆず)です。

彼女は、兄である明のことが大好きな、天真爛漫で可愛らしい少女として描かれます。

読書メーターの感想でも「個人的に義妹の柚が可愛くて仕方なかったです」という声が寄せられるほど、読者からの人気も高い登場人物です。

幽霊との交流という少し不思議な日常の中で、彼女の存在が物語に明るさと癒やしを加えてくれます。

柚と明の兄妹のやり取りは、この作品の温かい雰囲気を作る上で欠かせない要素です。

未練を残した少女の幽霊たち

この物語を彩るのは、主人公の前に現れるさまざまな事情を抱えた少女の幽霊たちです。

彼女たちは決して怖い存在ではなく、それぞれが切実な想いを胸にこの世に留まっています。

例えば、6年前に亡くなった初恋の幼なじみや、合作の絵を完成させることなく事故で亡くなったクラスメイトなど、その未練は多岐にわたります。

各章で焦点が当てられる彼女たちのエピソードは、どれも涙なしには読めません。

彼女たちの純粋な願いと、それを叶えようとする明の姿が、読者の心に深い感動を与えます。

読書メーターから見る3つの感想・評価

多くの読者が感想を投稿する「読書メーター」では、この物語が感動的な作品として高く評価される一方で、物語の展開に賛否両論があることがわかります。

肯定的な意見と少し厳しい意見、両方を知ることで、あなたがこの本に何を期待するかがはっきりします。

感動を求める読者からの支持が厚いものの、物語の構成に現実感を求める読者からは手厳しい意見も見られました。

あなたが物語に何を求めるかによって、この作品の評価は変わってきます。

切なくて感動するという高評価

読者からの感想で最も多く見られるのが、登場人物たちのひたむきな想いが胸を打つ、切なくて感動的な物語であるという評価です。

読書メーターでは、250件以上の「参考になった」を集めるレビューでも、物語の切なさや登場人物の優しさについて言及されています

大切な人を想う純粋な気持ちが、読む人の心を揺さぶり、温かい涙を誘います。

そる

259

連作短編で主人公須玉くんは幽霊が見える。その出会った幽霊達がある人に伝えたい想いを伝えるお手伝いをしていく話。その想いっていうのがあたたかいんだよね。なぜ幽霊みんな女子で同年代なんだ、妹の気持ちにはやたら鈍感だなという突っ込みどころもあるけど良い話ではありました。「兄弟でも、友達でも、恋人でもない⋯まだきちんとあてはまる言葉もできてないような、特別な位置だったんだよ。(後略)」「それでも、優しいあなたは気に病んでしまうかもしれない。けれど、謝らないで。代わりに、もう一度私の事を「友達」と呼んでほしい。」

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784800243140

❁かな❁

195

前に読んだ『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』がとても切なくて良かったのでこちらの作品も発売日に購入しました!今回もウルウルでした(இдஇ; )この作品は2003年に電撃文庫から刊行された『Astal』を加筆、改稿されたそうです。事故をきっかけに幽霊が見えるようになった主人公。この世に思いを残して成仏できないでいる少女の幽霊達との連作短編集。ありがちな設定でもありますがどの章もとても切なく良かったです!『ぼくは明日〜』がかなり良かったのでやはりそれと比べるとアレですが^^;何度も涙してしまいました*

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784800243140

読む前から泣けるってわかるのは安心する

心が洗われるような温かい涙が流せますよ

幽霊となってしまった少女たちの果たせなかった願いや伝えられなかった言葉が、主人公の明を通して届けられる様子は、悲しいだけではない心の浄化をもたらしてくれます。

読みやすさへの肯定的な意見

七月隆文作品に共通するライトノベルのような軽快な文体も、多くの読者から肯定的に評価されています。

代表作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』と同様に、会話中心で物語が進むため、普段あまり本を読まない方でも300ページを超える物語を飽きずに読み進められます

難しい言葉や複雑な情景描写が少ないため、物語の世界にすんなりと入っていけるのです。

シータ

199

事故がきっかけで幽霊が見えるようになった主人公。未練を残した幽霊との交流を描いた連作短編集でした。七月先生の作品は基本読みやすいのが売りなところもあるので、今作もサクサク読めました。内容ももちろん良くて、どのエピソードにも切なさと感動が散りばめられていて最後まで楽しめた作品でした。個人的に義妹の柚が可愛くて仕方なかったです。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784800243140

分厚い本だと途中で飽きちゃいそう…

大丈夫、ページをめくる手が止まらなくなります

読みやすい文章は、登場人物たちの感情の機微を直接的に伝えてくれます。

そのため、読者はストレスなく物語に没頭し、その感動を余すところなく味わえます。

ご都合主義という少し厳しい評価

感動の声が多く寄せられる一方で、物語の展開における偶然の多さや設定の甘さを指摘する少し厳しい評価も見られます。

例えば、主人公が出会う幽霊が都合よく同年代の少女ばかりである点や、物語の危機的な状況が偶然によって解決に向かう展開に、不自然さを感じるという声が寄せられています。

物語としての完成度や緻密さを求める読者にとっては、物足りなさが残るようです。

ウッディ

256

交通事故がきっかけで幽霊が見えるようになった須玉明は、 6年前に死んだ初恋の幼馴染、合作の絵を完成できずに事故死したクラスメイト、親友との誤解を解けないまま殺された女子高生、全国を目指していた短距離リレー選手の幽霊と出会い、無念を晴らす手伝いをする。七月さんらしい軽妙な会話と切ないストーリーで、読みやすく、キュンとするシーンも散りばめられているものの、出会う幽霊が女子高生ばかりだったり、通り魔が殺した女生徒の親友を狙ったり、ご都合主義の展開に少しがっかりで、血のつながりのない妹柚の存在も不要だったかな。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784800243140

zero1

190

事故により明は幽霊が見えるようになった。幽霊たちを助けることになった明。この作家、初めて読むが軽くて読みやすい。ラノベだからか。それはいいが、あまりに表現が稚拙で底の浅さを感じた。死ねば泣ける?「ツナグ」(辻村深月)との比較は失礼ではないか?こうした本が出るのは、読者を増やすことにつながっているんだろうか?「風の階段のぼって」のリレーについては共感した。続きもあるようだがすぐに読もうとは思わない。本が売れない時代を象徴している?

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784800243140

感動だけじゃなくて、ストーリーの納得感も大事かも

物語のファンタジー要素をどう受け入れるかが楽しむ鍵になります

この物語は、細かな設定の整合性よりも、登場人物たちの感情の動きや温かいメッセージを大切にしています。

現実感よりも優しい奇跡の物語を求める読者に、深く響く作品といえます。

『君にさよならを言わない』の書籍情報と著者の紹介

この物語を手に取るうえで基本となる、書籍の情報と著者について紹介しますね。

どのような作家が、いつ頃この作品を世に送り出したのかを知ることで、物語への理解がより一層深まります。

この作品は、七月隆文さんの原点ともいえる物語であり、彼の作品が好きな方なら見逃せない一冊です。

宝島社文庫から発売の文庫本

『君にさよならを言わない』は、宝島社から発売されている文庫本です。

2015年8月に発売され、価格は737円(税込)で、気軽に手に取りやすいのも嬉しいポイントになっています。

全312ページで構成されていて、週末や少し長めの休日にじっくりと物語の世界に浸れます。

『ぼく明日』の作者さんなんだ。この本も感動できるかな?

はい、切なくて心温まる物語で、きっと心に響きますよ

通勤時間や寝る前のひとときなど、日常のすきま時間にも読み進めやすいボリューム感が魅力です。

著者七月隆文の紹介

本作の著者は、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で多くの読者の心を掴んだ七月隆文(ななつき たかふみ)さんです。

大阪府生まれの作家で、2003年に『Astral』という作品でデビューしました。

軽快な会話劇と、切ないけれど温かいストーリー展開で人気を集めています。

登場人物の細やかな心情を描くのが得意で、本作でもその魅力が存分に発揮されています。

デビュー作『Astral』の加筆修正版

実は、この『君にさよならを言わない』は、完全な新作というわけではありません。

著者のデビュー作である『Astral(アストラル)』に加筆・修正を加えた改稿版なのです。

2003年に電撃文庫から刊行されたライトノベルが元になっていて、読者レビューにも「『Astal』を加筆、改稿されたそうです」という声が見られます。

デビュー当時の瑞々しい感性が、より洗練された形で現代に蘇った作品といえるでしょう。

デビュー作が元になっているんだ。なんだか特別な感じがする!

そうなんです。作者の原点に触れられる、ファンにとっても大切な一冊ですよ

デビュー作ならではの魅力と、現在の円熟した筆致が融合した、唯一無二の物語を楽しめます。

よくある質問(FAQ)

「君にさよならを言わない」に続編はありますか?

2024年現在、本作の直接の続編は発売されていません。

この物語は、著者である七月隆文さんのデビュー作『Astral(アストラル)』を大幅に加筆・修正したものですので、原点となった作品に触れてみるのもおすすめです。

この作品は映画化されていますか?

現在、映画化はされていません。

しかし、同じ七月隆文さんが手掛けた代表作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は映画化され、多くの人の心を打ちました。

本作もそれに劣らない感動的な物語です。

ライトノベルのような雰囲気と聞きましたが、大人でも楽しめますか?

はい、軽快な文体で読みやすいですが、テーマは普遍的で深く、大人の方にこそ響く物語です。

登場人物たちの心の動きが丁寧に描かれているため、年齢を問わず感情移入できます。

実際に読書メーターなどでも幅広い世代から高い評価を得ています。

主人公の須玉明はどんな人物ですか?

主人公の須玉明は、ある出来事をきっかけに幽霊が見えるようになった、ごく普通の高校生です。

特別な状況に戸惑いながらも、目の前に現れる未練を抱えた少女たちを放っておけない、ひたむきな優しさを持った登場人物になります。

「感動して泣ける」という感想が多いですが、どのような点が魅力ですか?

この物語は連作短編集になっており、各章で異なる少女の幽霊が抱える切ない事情が明かされます。

彼女たちの純粋な想いや残された人々との絆、それを繋ごうとする主人公の姿に胸を打たれます。

悲しいだけではない、心が温かくなる感動がこの作品の大きな魅力です。

結末はハッピーエンドなのでしょうか?

詳しい結末についてお話しすることはネタバレになってしまうためできません。

しかし、この物語は読後に暗い気持ちが残らないよう作られています。

切ない別れの中にも人と人との温かい繋がりや未来への希望が描かれており、心が洗われるような優しい読後感を味わえます。

まとめ

この記事では、七月隆文さんの小説『君にさよならを言わない』のあらすじや感想を、ネタバレなしで紹介しました。

この作品は、幽霊の少女たちの未練を叶えるために奔走する、切ないけれど温かい涙で心を癒やしてくれる物語です。

日々の生活に少し疲れを感じていて、温かい感動で心をリフレッシュしたい方は、ぜひこの一冊を手に取ってみてください。

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