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【ネタバレなし】青山美智子の猫のお告げは樹の下でのあらすじと3つの見どころ

日々の生活に少し疲れているあなたへ。

この物語は、悩みを抱えた人々が不思議な猫のお告げをきっかけに、自分自身の力で前を向く姿が描かれています。

この記事では、青山美智子さんの『猫のお告げは樹の下で』について、7つの物語が繋がるあらすじや、心が温まる3つの見どころをネタバレなしで紹介します。

なんだか毎日が同じことの繰り返しで、心が疲れてしまったな…

この物語の優しい世界が、きっとあなたの心を癒やしてくれますよ

目次

日常に疲れた心に寄り添う物語『猫のお告げは樹の下で』

この物語で最も重要な点は、悩みを抱えた登場人物たちが、猫のお告げをきっかけに自分自身の力で答えを見つけていく過程が丁寧に描かれていることです。

直接的な解決策ではなく、そっと背中を押してくれるような優しい物語が、読者の心にも温かい光を灯してくれます。

悩める人だけがたどり着ける不思議な神社

物語の舞台となるのは、緑豊かな森の奥にひっそりと佇む神社です。

この神社は誰でも行けるわけではなく、心に何かしらの悩みや迷いを抱えている人だけが、不思議とたどり着ける場所として描かれています。

この特別な設定が、物語全体に神秘的な雰囲気を与えているのです。

なんだか毎日が同じことの繰り返しで、心が疲れてしまったな…

そんなあなたにこそ、この神社の不思議な空気が癒やしをくれるはずです

日常から少しだけ離れた特別な空間で、登場人物たちと一緒に心を落ち着かせる時間を過ごせます。

猫のミクジが授けるタラヨウの葉のお告げ

神社にいる猫の「ミクジ」は、ただの猫ではありません。

参拝客の心を見透かし、その人に今一番必要な一言を授けてくれる不思議な存在です。

ミクジが差し出すのは、郵便局の木とも呼ばれるタラヨウの葉。

その葉には、物語の鍵となるたった一言のお告げが書かれており、登場人物たちの凝り固まった心を解きほぐしていきます。

この抽象的なお告げが、登場人物たちに自ら考えるきっかけを与え、物語を深く魅力的なものにしています。

著者・青山美智子さんが描く優しい世界観

著者である青山美智子さんは、何気ない日常の中に潜む小さな幸せや人々の温かい繋がりを描くのを得意とする作家です。

本作もその作風が存分に発揮されており、登場人物たちが抱える悩みは、私たち読者にとっても身近なものばかりとなっています。

青山美智子さんの作品は、2021年と2022年に2年連続で本屋大賞第2位に選ばれるなど、多くの読者から支持されています。

青山美智子さんの他の本も読んでみたいな

『お探し物は図書室まで』や『木曜日にはココアを』も、心温まる物語でおすすめですよ

誰も傷つけない優しい筆致で描かれる世界観が、読了後に穏やかで前向きな気持ちにさせてくれます。

心が温まる物語を求めるあなたへの一冊

もしあなたが、日々の生活に少し疲れていたり、明日への活力をそっと与えてくれるような物語を探しているのなら、『猫のお告げは樹の下で』はまさしくぴったりの一冊です。

悩みを抱える7人の登場人物たちが、ミクジのお告げをきっかけに小さな一歩を踏み出す姿は、きっとあなたの背中をも優しく押してくれます。

読書の後には、まるで自分も不思議な神社を訪れたかのような、清々しく温かい気持ちになるはずです。

刺激的な展開ではなく、心にじんわりと染み渡る癒やしを求める人にこそ、手に取ってほしい物語となっています。

【ネタバレなし】7つの物語が紡ぐあらすじ

この物語は、悩みを抱える7人の登場人物が主人公となる連作短編集です。

舞台となるのは、本当に困っている人だけが訪れることができる、緑豊かな不思議な神社

そこで出会う猫のミクジが授けるお告げをきっかけに、登場人物たちは自分の心と向き合い、新たな一歩を踏み出していきます。

それぞれの物語は独立しているように見えますが、登場人物たちが少しずつ関わり合い、最後の章でその繋がりが明らかになります。

読み終えた後には、一つの大きな優しい世界に包まれたような心地よさを感じます。

ニシムキ-失恋を引きずる美容師ミハル

主人公は、21歳の美容師ミハルです。

彼女は失恋の痛みを引きずり、仕事にも集中できない日々を送っています。

そんなある日、ミハルはミクジから「ニシムキ」という不思議なお告げを授かります。

この一言をきっかけに、彼女は人の行動にはそれぞれの理由があることに気づき、自分の心の自然な変化を受け入れる準備を始めます。

失恋って、なかなか忘れられなくて辛いですよね…

お告げが、凝り固まった心を優しくほぐしてくれますよ

別れという出来事を通じて、ミハルが自分自身と向き合い、美容師としても人としても成長していく姿が描かれています。

チケット-娘との関係に悩む父・耕介

この物語の主人公は、中学生の娘との関係がうまくいかない父親の耕介です。

思春期の娘にどう接すれば良いのか分からず、会話もままならない状況に悩んでいます。

そんな耕介が手にしたお告げは、娘が好きなアイドルのコンサートの「チケット」でした。

このチケットがきっかけとなり、彼は娘と一緒にコンサートへ出かけ、同じ時間を共有することになります。

共通の体験は、ぎこちなかった父娘の心の壁を少しずつ溶かしていきます。

言葉にしなくても伝わる思いがあることに気づかされる、心温まる物語です。

ポイント-就活に行き詰まる大学生・慎

就職活動がうまくいかず、将来に不安を感じている大学生の慎が主人公です。

彼は親戚のコネで大手企業への入社を勧められますが、その選択に納得できずにいます。

ミクジから「ポイント」というお告げを受け取った慎は、コネ入社を断ったときの悔しい気持ちこそが、自分が本当にやりたいことを見つけるための原動力になることに気づきました。

自分の弱さや悔しさと向き合い、自分の足で未来を切り開こうと決意する慎の姿に、明日へ踏み出す勇気をもらえます。

タネマキ-生きがいを探す元店主・木下哲

主人公は、引退して息子の家族と暮らす元プラモデル店主の木下哲です。

穏やかな毎日を送る一方で、どこか張り合いのない日々に物足りなさを感じています。

タネマキ」というお告げを受け取った彼は、過去に自分が行った何気ない親切が、時を経て巡り巡り、思いがけない形で自分のもとへ返ってくるという体験をします。

毎日の小さな積み重ねって、本当に意味があるのかな?

見えないところで、きっと誰かの幸せのタネになっていますよ

自分の人生が無意味ではなかったと知った木下の心に、温かい光が灯ります。

人と人との繋がりの不思議さと大切さを教えてくれる物語です。

マンナカ-いじめを恐れる小学生・和也

この章の主人公は、転校先でのいじめを恐れる小学生の和也です。

新しい環境に馴染めず、クラスの中心グループから仲間はずれにされるのではないかと不安な毎日を過ごしています。

和也がミクジからもらったお告げは「マンナカ」でした。

この言葉を通じて、彼は「自分のいるところが世界の真ん中だ」という考え方に触れ、少しずつ自信を取り戻していきます。

周りの目を気にするのではなく、自分自身の心を大切にすること。

和也が恐怖を乗り越え、いじめっ子に毅然と立ち向かう姿は、多くの読者の胸を打ちます。

スペース-夢を諦めかけた主婦・千咲

結婚と出産を機に、かつて情熱を注いだ漫画家の夢を諦めかけている主婦の千咲が主人公です。

家事と育児に追われる中で、創作への意欲も時間も失いかけています。

ミクジから「スペース」というお告げを授かった彼女は、心の中の思い込みを手放すことで、新しいアイデアが入ってくる「余白」が生まれることに気づきました。

この気づきは、再び彼女の心に創作の炎を灯します

「もう遅い」と諦める必要はないのです。

この物語は、自分の人生を生きるためのスペースを、もう一度作ってみようと思わせてくれます。

タマタマ-人生の岐路に立つ占い師・笑子

最後の物語の主人公は、45歳の占い師・笑子です。

多くの人の相談に乗る一方で、彼女自身もこれからの人生の歩み方に迷いを抱えています。

タマタマ」というお告げと、高校時代の同級生との偶然の再会が重なります。

この出来事がきっかけで、彼女は人間の魂が持つ二つの側面(荒魂と和魂)を知り、自分自身の内面と深く向き合いました。

自分の弱さも強さもすべて受け入れたとき、新たな人生の扉が開きます。

占い師である笑子が、自分自身の未来を自分の手で切り開いていく姿が印象的です。

物語の魅力を深める3つの見どころ

この物語の最大の魅力は、登場人物たちが抱える悩みと、それを乗り越える過程で得られる優しい気づきにあります。

作中に登場する7人の主人公たちは、読者である私たちと変わらない、ごく普通の日常を生きています。

彼らがミクジのお告げをきっかけに、どのようにして前を向くのか、その心温まる見どころを紹介します。

誰もが共感できる登場人物たちの悩み

この物語に登場するのは、特別な能力を持った英雄ではありません。

失恋、就職活動、家族との関係、夢と現実の狭間など、誰もが一度は経験するような悩みを抱えた人々です。

美容師のミハルや就活生の慎など、7つの物語で描かれる主人公たちは、年齢も職業もバラバラですが、その心の内側には誰もが共感できる葛藤があります。

自分と同じような悩みを持つ人がいるのかな?

きっとあなたの心に重なる人物が見つかります

登場人物たちのささやかな心の動きに自分自身を重ね合わせることで、まるで自分の物語のように深く感情移入できます。

答えではなく気づきをくれるミクジのお告げ

物語の鍵を握る猫のミクジがくれるお告げは、「こうしなさい」という直接的な解決策ではなく、物事を見る角度を少しだけ変えてくれるヒントです。

悩める人だけが訪れることができる神社で、ミクジはタラヨウの葉に書かれたたった一言のお告げを授けます。

その不思議な言葉が、行き詰まっていた登場人物たちの心を解きほぐし、自分自身の力で答えを見つけ出すきっかけになるのです。

この「答え」ではなく「気づき」を与えるスタイルが、読者自身の悩みに対しても新しい視点をもたらしてくれます。

物語が繋がる連作短編集の巧みな構成

この本は、連作短編集という形式で書かれています。

連作短編集とは、それぞれが独立した短編でありながら、登場人物や舞台がゆるやかに関わり合い、全体として一つの大きな物語を織りなす構成のことです。

各章の主人公が別の章では脇役として登場したり、前の章の出来事が後の章に影響を与えたりと、物語の繋がりを発見する楽しみがあります。

短い話がたくさんあると、バラバラな印象にならない?

全ての繋がりがわかった時、温かい感動に包まれます

すべての物語を読み終え、エピローグで全ての点が線で繋がったとき、この世界全体を包む大きな優しさに気づき、心地よい読後感に満たされます。

明日への一歩を後押しする心温まる名言

物語の中には、登場人物たちの会話を通して、心にそっと寄り添ってくれるような温かい言葉がいくつも散りばめられています。

悩んでいる時にかけられる優しい言葉は、まるで自分自身に語りかけられているように心に響きます。

これらの言葉が、登場人物だけでなく、読者の背中をも優しく押してくれるのです。

「なくすなよ、そのくやしいって気持ち。大事に持ってろ。くやし涙がでてるときって、でっかくなってる最中なんだからな」(本文 P124)

https://book.kokoro-aozora.com/entry/aoyamamichiko/nekonootsugehakinoshitade

それは人が人を見るときに似ていると思う。
人もやっぱり、どんな姿もそれは一部にすぎないし、
また矛盾しているようだけど、どんな姿のその人もほんとうのその人だ。
本文P284 より抜粋

https://book.kokoro-aozora.com/entry/aoyamamichiko/nekonootsugehakinoshitade

作中の名言は、自分の人生を肯定し、明日へ向かうための小さな勇気を与えてくれます。

書籍情報と読者の評判

『猫のお告げは樹の下で』を手に取る前に、本の基本的な情報や、実際に読んだ人たちの温かい評判を知っておくと、より物語の世界に入り込みやすくなります。

この本がどのような形で提供され、読者からどう受け止められているのかを見ていきましょう。

書籍の仕様から読者の声まで、多角的な情報が本書の魅力を伝えています。

あなたの読書スタイルに合った一冊を見つけてください。

出版社やページ数などの基本情報

本書は、数々のベストセラーを生み出している宝島社から出版されています。

著者は、『木曜日にはココアを』や『お探し物は図書室まで』でも知られる青山美智子さんです。

物語は全体で327ページあり、7つの連作短編とエピローグで構成されています。

一話が短めに区切られているため、読書に慣れていない方でも自分のペースで読み進めやすいでしょう。

どれくらいの時間で読める本なのかな?

読書に慣れた方なら4〜5時間ほどで、週末を利用してじっくり味わうのにも丁度良いボリュームですよ

物語の世界観を存分に味わえる、手に取りやすい一冊です。

選べる単行本・文庫・オーディブル版

『猫のお告げは樹の下で』は、読者の生活様式に合わせて複数の形式から選べるのが魅力です。

紙の質感を楽しみながらページをめくりたい方は単行本や文庫版を、家事や移動時間を有効活用したい方はオーディブル版を選ぶことができます。

特に紙媒体の人気は高く、単行本と文庫版を合わせると9000件以上の読書登録があります。

多くの人が、それぞれのスタイルでこの心温まる物語に触れていることがわかります。

普段は文庫本だけど、他の形式も気になるな

通勤中や家事をしながら聴けるオーディブル版も、物語の世界に浸れておすすめです

あなたの日常に寄り添う形で、ミクジからの優しいお告げを受け取ってみてください。

読後感が優しいという感想・口コミの数々

この物語の評判で最も多く見られるのは、読後感の優しさに関するものです。

インターネット上のレビューサイトには1000件を超える感想が寄せられており、その多くが物語の温かさや読後の幸福感について語っています。

「登場人物たちの悩みに共感して涙が出た」「読み終えた後、心が洗われて前向きな気持ちになれた」といった口コミが多く、日々の生活に疲れた心をそっと癒やしてくれる内容であることがうかがえます。

直接的な解決策ではなく、そっと背中を押してくれるようなお告げが、多くの読者の心を掴んでいます。

読んだ後、落ち込んだりしないかな?

大丈夫です、むしろ明日への活力がもらえるような、優しい気持ちになれる物語ですよ

癒やしや希望を求める人にこそ読んでほしい、たくさんの優しい口コミに彩られた一冊と言えます。

よくある質問(FAQ)

登場人物に感情移入できるか心配です

この物語には、失恋や就職活動、家族との関係といった、誰もが一度は経験するような悩みを抱えた7人の登場人物が描かれています。

年齢や職業は様々ですが、その誰もがごく普通の日常を生きていますので、きっとあなたの心に寄り添う人物が見つかります。

この本の続編は発売されていますか?

2024年5月現在、『猫のお告げは樹の下で』の公式な続編は発表されていません。

しかし、物語の最後にあるエピローグでは、登場人物たちのその後の人生が少しだけ語られており、物語の優しい余韻を深く味わえる構成です。

ネタバレなしであらすじを知りたいです

はい、この記事で紹介しているあらすじには、物語の結末に触れるような重大なネタバレは含まれていません。

猫のミクジからのお告げをきっかけに、登場人物たちがどのような気づきを得ていくかという物語の最も大切な魅力は、実際に読んで確かめられるよう配慮しています。

読書感想文の題材として向いていますか?

はい、読書感想文の題材としてとてもおすすめです。

主人公たちの抱える悩みや心の成長に自分自身を重ね合わせやすく、考えを深めるきっかけになります。

作中には心に残る名言も多いため、自分の経験と結びつけて感想を書きやすい一冊です。

猫のミクジはどんな存在なのですか?

ミクジは、悩める人だけがたどり着ける不思議な神社にいる猫です。

訪れた人に「ニシムキ」や「ポイント」といった、たった一言のお告げをタラヨウの葉で授けます。

それは直接的な解決策ではなく、凝り固まった心をほぐし、自分自身の力で前に進むためのヒントとなる不思議な言葉です。

単行本と文庫版の違いは何ですか?

宝島社から出版されている単行本は、文字が大きくしっかりとした作りが特徴です。

一方、文庫版はコンパクトで持ち運びやすく、手軽に読書を楽しみたい方に向いています。

家事などをしながら聴けるオーディブル版もあり、ご自身の生活様式に合わせて選ぶことができます。

まとめ

『猫のお告げは樹の下で』は、悩みを抱える7人の登場人物が、不思議な猫「ミクジ」からもらうお告げをきっかけに、自分自身の力で答えを見つけ、そっと背中を押してもらえる物語です。

この記事では、ネタバレなしのあらすじや心温まる見どころを紹介しました。

日々の生活に少し疲れた心を癒やす優しい物語を、ぜひ手に取って味わってみてください。

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