伊坂幸太郎さんの「殺し屋シリーズ」を100%楽しむためには、読む順番が非常に重要です。
結論から言うと、物語の隠れたつながりや伏線を最大限に味わうために、刊行順に読むことが最適な選択です。
この記事では、なぜ刊行順がおすすめなのかという3つの理由から、シリーズ全4作品のあらすじ、そしてブラッド・ピット主演で話題となった映画『ブレット・トレイン』の原作情報まで、殺し屋シリーズの魅力を余すことなく解説します。

シリーズものを読む順番で失敗したくないんだけど…



ご安心ください、この記事を読めば最高の順番で物語の世界に没入できますよ
- 殺し屋シリーズを読むべき順番とその理由
- 全4作品の刊行順と簡単なあらすじ
- 登場人物や物語のつながり
- 映画化された作品と原作小説の違い
伊坂幸太郎殺し屋シリーズの順番は刊行順がおすすめな3つの理由
伊坂幸太郎さんの「殺し屋シリーズ」の魅力を余すことなく味わうためには、読む順番がとても重要です。
結論として、シリーズの世界観や登場人物たちの隠れたつながりを最大限に楽しむために、刊行順に読むことがベストな選択となります。
各作品は単体でも面白い物語ですが、順番通りに読み進めることで、点と点がつながるような発見や驚きが待っています。
なぜ刊行順がおすすめなのか、その理由を3つ解説します。
物語の時系列に沿った自然な没入感
殺し屋シリーズは、刊行された順番が物語の中の時間の流れとほぼ一致しています。
そのため、刊行順に読み進めることで、物語の世界で起きる出来事を時系列に沿って自然に追いかけることができます。
例えば、シリーズ2作目の『マリアビートル』は、1作目『グラスホッパー』の数年後が舞台です。
このように時間の流れ通りに物語を体験することで、登場人物たちが経験した出来事や背景をスムーズに理解でき、より深く物語の世界に入り込めます。
【
各話は独立してるのに、時系列って大事なの?
〈
はい、時間の流れ通りに読むと、登場人物の成長や変化がより深く感じられますよ
出来事の前後関係が分からなくなることなく、ストレスフリーで読み進められる点は、刊行順ならではの大きなメリットです。
過去作の登場人物との再会という楽しみ
刊行順に読むことの醍醐味の一つが、過去の作品に登場したキャラクターとの思わぬ再会です。
後の作品で、前の作品の登場人物が重要な役割で現れたり、その後の様子が語られたりすることがあります。
特に、シリーズ最新作の『777 トリプルセブン』では、『マリアビートル』の主人公である不運な殺し屋「七尾」が再び主人公を務めます。
この「あっ、あの時のキャラクターだ!」という驚きと喜びは、シリーズを順番に追いかけてきた読者だけが味わえる特別な体験といえます。
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違う話なのに、前のキャラクターが出てくるのって面白そう!
〈
まさにその通りで、思わぬ再会が物語に深みを与えてくれるんです
キャラクターたちの意外なつながりや運命の交錯を発見する楽しみが、読書体験をより一層豊かなものにしてくれます。
意図しないネタバレの回避で面白さを最大限に
シリーズものを読む上で、最も避けたいのが意図しないネタバレです。
もし順番を逆に読んでしまうと、前の作品で起きた事件の結末や、登場人物の運命を知ってしまう可能性があります。
後の作品では、過去の出来事が前提として語られる場面が出てきます。
そのため、先に読んでしまうと、物語の結末に関わる重要な情報を知った状態で前の作品を読むことになり、本来味わえるはずのハラハラ感や衝撃が薄れてしまいます。
【
せっかく読むなら、結末は最後まで知りたくないな…
〈
その気持ち、よく分かります。
純粋に物語を楽しむためにも刊行順は大切です
すべての伏線や驚きを新鮮な気持ちで楽しむために、刊行順を守ることは、シリーズの面白さを100%味わい尽くすための鍵となります。
伊坂幸太郎殺し屋シリーズ全4作品の刊行順とあらすじ
伊坂幸太郎さんの「殺し屋シリーズ」は、どの作品から読んでも楽しめますが、刊行順に読み進めることで登場人物たちの背景や物語のゆるやかなつながりを深く理解できます。
ここでは、シリーズ全4作品を刊行順に、それぞれのあらすじと見どころを解説します。
作品名 | 刊行年 | 主な登場人物 | 物語の舞台 |
---|---|---|---|
グラスホッパー | 2004年 | 鈴木、鯨、蝉 | 東京 |
マリアビートル | 2010年 | 七尾(天道虫)、蜜柑、檸檬 | 東北新幹線 |
AX アックス | 2017年 | 兜 | 東京 |
777 トリプルセブン | 2023年 | 七尾(天道虫) | 都内の超高級ホテル |
各作品が持つ独自の魅力と、シリーズを通して感じられる世界観の広がりを、ぜひ刊行順で味わってみてください。
1作目『グラスホッパー』- 復讐を誓う元教師と3人の殺し屋
『グラスホッパー』は、伊坂幸太郎殺し屋シリーズの記念すべき第1作です。
この物語の魅力は、ごく普通の元教師が、個性豊かな殺し屋たちがうごめく裏社会に巻き込まれていくスリルにあります。
ハロウィンの夜、渋谷のスクランブル交差点で恋人を殺された元教師の鈴木。
復讐を誓い裏社会に足を踏み入れた彼でしたが、ターゲットは目の前で何者かに殺されてしまいます。
物語は、鈴木の視点に加え、標的を巧みに自殺へと追い込む殺し屋「鯨」と、驚異的な身体能力を持つナイフ使いの殺し屋「蝉」、3人の視点が交錯しながらスリリングに進んでいきます。



最初に読むべきはやっぱりこの作品ですか



はい、まずはここから殺し屋たちの世界の扉を開いてみてください
それぞれの目的を持つ登場人物たちの運命が、どのように絡み合っていくのか。
巧みに張り巡らされた伏線と、伊坂幸太郎さんらしい軽快な会話劇が光る、シリーズの原点にふさわしい傑作です。
2作目『マリアビートル』- 殺し屋だらけの東北新幹線
『グラスホッパー』の数年後を描いた物語が、この『マリアビートル』です。
東京から盛岡へ向かう疾走する東北新幹線という閉鎖空間を舞台に、殺し屋たちの壮絶な生き残り合戦が繰り広げられます。
とにかく不運な殺し屋「七尾(通称:天道虫)」は、簡単なトランクの回収依頼を引き受けますが、乗り込んだ新幹線にはなぜか殺し屋ばかりが同乗していました。
腕利きの殺し屋コンビ「蜜柑」と「檸檬」、復讐に燃える元殺し屋の木村、そして狡猾な中学生の王子。
彼らの思惑が絡み合い、物語は予測不能な方向へと暴走していきます。



ブラッド・ピット主演で映画にもなった作品ですよね



その通りです、『ブレット・トレイン』というタイトルで世界的な人気作となりました
スピード感あふれる展開とユーモアが絶妙に融合した、最高のエンターテインメント小説です。
『グラスホッパー』の登場人物のその後が語られる場面もあり、シリーズを追いかけている読者にはたまらない一冊となります。
3作目『AX アックス』- 恐妻家の顔を持つ一流の殺し屋
「もし殺し屋に家庭があったら?」というユニークな切り口で描かれるのが、シリーズ3作目の『AX アックス』です。
主人公は、超一流の腕を持つ殺し屋でありながら、家では妻に頭が上がらない恐妻家という二つの顔を持つ男「兜」。
文房具メーカーに勤務するサラリーマンとして、ごく普通の家庭を築いている兜。
しかし、彼の裏の顔は、引退を考えている腕利きの殺し屋でした。
殺し屋という非情な仕事と、愛する家族との平凡な日常。
そのギャップに悩みながらも仕事を続ける兜に、最後の依頼が舞い込みます。



殺し屋が主人公なのに、なんだか親近感が湧きますね



仕事と家庭との板挟みに悩む姿に、思わず共感してしまうかもしれません
これまでの作品とは少し趣が異なり、主人公の人間らしい葛藤や家族への愛情が丁寧に描かれています。
スリルの中に温かさがあり、読後には心にじんわりと響くものがある物語です。
4作目『777 トリプルセブン』- 不運な殺し屋・七尾の再びの災難
シリーズ最新作となる『777 トリプルセブン』では、『マリアビートル』の主人公があの男が再び帰ってきます。
そう、日本で最も不運な殺し屋「七尾(天道虫)」が、またしてもとんでもない災難に見舞われます。
物語の舞台は、都内の超高級ホテル。
簡単なプレゼントを届けるだけの依頼のはずが、七尾はまたしても死体を発見してしまいます。
ホテルには、それぞれ目的を持った殺し屋たちが集結しており、七尾は彼らを巻き込んだ大騒動から無事に脱出することを目指すことになります。



あの七尾がまた大変な目に遭うのですね



彼の不運っぷりはさらにパワーアップしていますので、ご期待ください
シリーズ最多の殺し屋たちが登場する、まさにオールスターキャストと呼べる豪華な一作です。
七尾の不運と、それによって引き起こされる奇跡のような展開から目が離せません。
映画化で楽しむ殺し屋シリーズの原作
伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズは、小説の世界だけでなく映像作品としてもその魅力を放っています。
特に『グラスホッパー』と『マリアビートル』は、国内外の豪華キャストによって映画化されており、原作とは一味違った楽しみ方ができます。
映画タイトル | 原作小説 | 主な出演者 | 公開年 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
グラスホッパー | グラスホッパー | 生田斗真、浅野忠信、山田涼介 | 2015年 | 復讐に燃える元教師が殺し屋たちの世界に迷い込むダークな雰囲気 |
ブレット・トレイン | マリアビートル | ブラッド・ピット、真田広之、アーロン・テイラー=ジョンソン | 2022年 | 東京発京都行きの新幹線を舞台にしたノンストップアクション |
映画と原作では、登場人物の設定や物語の結末が異なっていることがあります。
両方を鑑賞することで、物語の世界を二重に楽しめるのです。
伏線やキャラクターの細やかな心情をより深く理解するために、まずは原作を読んでから映画を観るのがおすすめです。
生田斗真主演の映画『グラスホッパー』
2015年に公開された映画『グラスホッパー』は、シリーズ第1作を原作とした作品です。
主演の生田斗真さんが、ごく普通の元教師だった「鈴木」を演じています。
共演者も豪華で、自殺専門の殺し屋「鯨」を浅野忠信さん、ナイフ使いの「蝉」を山田涼介さんが演じ、原作の持つダークで不穏な雰囲気を忠実に再現しました。



映画を観てから原作を読むのもアリかな?



もちろんアリです!映像でキャラクターのイメージを掴んでから読むと、より物語に入り込みやすいですよ。
映画で描かれるスタイリッシュな映像と、原作の緻密な心理描写を比較することで、物語の奥深さをより一層感じられます。
ブラッド・ピット主演の映画『ブレット・トレイン』の原作『マリアビートル』
2022年に公開されたハリウッド映画『ブレット・トレイン』は、『マリアビートル』が原作となっています。
ブラッド・ピットが演じる主人公「レディバグ」は、原作の不運な殺し屋「七尾(天道虫)」にあたるキャラクターです。
舞台は東京から京都へ向かう架空の超高速列車「ゆかり号」に変更され、日本を舞台にしながらもハリウッドらしいド派手なアクションが繰り広げられます。
世界興行収入は2億3,900万ドルを超える大ヒットを記録しました。



原作と映画はだいぶ違うって聞くけど、どうなの?



はい、物語の展開やキャラクター設定など、かなり大胆にアレンジされています。だからこそ、両方の違いを楽しめるんです。
原作のユーモアと疾走感を残しつつ、エンターテインメント性を追求した映画版と、個性的な殺し屋たちの会話劇が魅力の原作小説。
両方を知ることで、『マリアビートル』の世界を隅々まで満喫できます。
よくある質問(FAQ)
- 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズを読む順番で、時系列と刊行順は同じですか?
-
はい、基本的に刊行順が物語の時系列になっています。
『グラスホッパー』から始まり、『マリアビートル』、『AX アックス』、そして最新作の『777 トリプルセブン』へと物語世界の時間が流れていきます。
そのため、刊行順に読み進めることで登場人物たちの変化や出来事を自然に追いかけることができ、シリーズのつながりを深く楽しめます。
- シリーズ作品は、どれか1冊だけ読んでも楽しめますか?
-
はい、各作品は一つの物語として完結しているため、どの巻から読んでも十分に楽しむことができます。
もし初めて手に取る1冊を選ぶなら、殺し屋シリーズの原点である『グラスホッパー』か、ブラッド・ピット主演で映画化され話題となった『マリアビートル』がおすすめです。
- 登場人物のつながりについて、ネタバレにならない範囲で教えてください
-
作品を越えて登場人物たちの意外なつながりが見られるのが、このシリーズの大きな魅力です。
例えば、『グラスホッパー』に登場した殺し屋「蝉」のその後の様子が『マリアビートル』で語られることがあります。
また、ある作品の脇役が別の作品で重要な役割を担うこともあり、刊行順に読むことで「あっ」と驚く発見が待っています。
- 最新作『777 トリプルセブン』から読み始めても問題ないでしょうか?
-
物語自体は楽しめますが、面白さを最大限に味わうためには2作目の『マリアビートル』を先に読むことを強くおすすめします。
『777 トリプルセブン』の主人公である不運な殺し屋「七尾(天道虫)」は『マリアビートル』から続く登場人物です。
彼のキャラクターや過去の出来事を知っていると、物語への没入感が格段に高まります。
- 映画『ブレット・トレイン』と原作『マリアビートル』の大きな違いは何ですか?
-
最も大きな違いは、物語の舞台と結末です。
映画の舞台は東京から京都へ向かう架空の超高速列車ですが、原作は東京発盛岡行きの東北新幹線になっています。
また、登場人物のキャラクター設定や物語の結末も、映画ならではの大胆なアレンジが加えられています。
原作の巧妙な会話劇や伏線を味わうためにも、ぜひ小説を読んでみてください。
- 「殺し屋」がテーマですが、グロテスクな描写は多いですか?
-
殺し屋たちの世界が描かれるため暴力的な場面はありますが、過度に詳細なグロテスク表現は控えめです。
伊坂幸太郎作品ならではのユーモアに富んだ会話や、軽快なテンポで物語が展開するため、読後感は爽快なものになっています。
一般的なサスペンス小説が好きな方であれば、きっと楽しめるはずです。
まとめ
伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズは、個性豊かな殺し屋たちが織りなす魅力的な世界観が特徴です。
この記事では、シリーズの面白さを100%味わい尽くすために、物語のつながりや伏線を最大限に楽しめる「刊行順」で読むことを強くおすすめしました。
- シリーズの面白さを最大限に引き出す刊行順での読書
- 作品を越えて明かされる登場人物たちの意外なつながり
- 映画『ブレット・トレイン』の原作『マリアビートル』を含む各作品の魅力
さあ、シリーズ最初の物語『グラスホッパー』から、殺し屋たちのスリリングな世界へ足を踏み入れてみましょう。