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【ネタバレなし】東野圭吾の疾風ロンド|あらすじと面白いかどうかの評価感想まとめ

東野圭吾さんの『疾風ロンド』は、シリアスなサスペンスの中にユーモアが散りばめられた、極上のエンターテインメント作品です。

この記事では、ネタバレを避けつつ、物語のあらすじや登場人物、面白いかどうかの評価を徹底解説します。

原作小説と映画版の違いも詳しく紹介するため、どちらから楽しむか迷っている方の疑問も解決します。

ミステリーとしてもコメディとしても楽しめるって本当?

手に汗握るスリルと、クスッと笑える面白さが見事に両立しています

目次

『疾風ロンド』の概要-ネタバレなしのあらすじと登場人物

『疾風ロンド』の面白さの核は、緊迫したサスペンスの中に散りばめられたユーモアと、個性豊かな登場人物たちが織りなす人間ドラマにあります。

物語の中心となる3人のキャラクターと、映画版で彼らを演じたキャストを紹介します。

シリアスな状況とコミカルな登場人物たちの行動のギャップが、読者を引き込む大きな魅力です。

それぞれのキャラクターが、どのように物語に関わっていくのかを知ることで、作品をより深く楽しめます。

盗まれた生物兵器K-55を追うハラハラドキドキのあらすじ

物語は、泰鵬大学の医科学研究所から、極秘に開発された強力な生物兵器「K-55」が盗まれるという衝撃的な事件から始まります。

研究所に届いたのは、「全国民を人質に身代金3億円を要求する」という脅迫メールでした。

しかし、その直後に犯人が事故で死亡してしまい、兵器の隠し場所が分からなくなります。

残された唯一の手がかりは、犯人の遺品から見つかったテディベアの写真だけです。

研究所の主任研究員である栗林和幸は、上司の命令で、この生物兵器を極秘裏に回収するため、写真に写っていたスキー場へと向かうことになります。

タイムリミットが迫る中、広大な雪山で前代未聞の捜索作戦が幕を開けるのです。

主人公の栗林和幸-映画では阿部寛が好演

本作の主人公である栗林和幸は、泰鵬大学医科学研究所に勤務する主任研究員です。

盗まれた生物兵器K-55を回収するという重大な使命を背負っていますが、お世辞にもヒーローとは言えません。

最大の問題は、捜索の舞台となるスキー場で全くスキーが滑れないことです。

慣れないスキーに悪戦苦闘し、遭難しかけるなど、その奮闘ぶりはどこか頼りなく、人間味にあふれています。

映画版では、俳優の阿部寛さんが、この憎めない主人公を絶妙なコメディセンスで演じました。

こんな頼りない主人公で、本当に生物兵器を見つけられるの?

その頼りなさと必死さのギャップこそが、栗林和幸というキャラクターの最大の魅力なのです。

シリアスな状況の中で見せる彼のドタバタ劇が、物語に温かい笑いと親近感をもたらしています。

パトロール隊員の根津昇平-映画キャストは大倉忠義

根津昇平は、物語の舞台となる里沢温泉スキー場(映画では野沢温泉スキー場)のパトロール隊員です。

元スノーボードクロス選手という経歴を持ち、雪山のことを知り尽くしています。

ゲレンデで明らかに不審な動きをする栗林を見つけ、声をかけたことから事件に関わることになります。

正義感が強く、スキー場にいる人々の安全を守ることを第一に考えています。

映画版では大倉忠義さんが演じ、冷静でありながらも内に情熱を秘めた青年を好演しました。

彼の存在が、栗林の無謀な捜索にとって大きな助けとなります。

スノーボーダーの瀬利千晶-映画キャストは大島優子

瀬利千晶は、大会に出場するためにスキー場を訪れていた実力派の女子スノーボード選手です。

ひょんなことから栗林と根津に出会い、彼らの生物兵器捜索に巻き込まれていきます。

持ち前の行動力と優れたスノーボード技術で、スキーができない栗林を助け、捜索の重要な一翼を担います。

映画版では大島優子さんが演じ、その運動神経を活かした滑走シーンは作品の見どころの一つです。

彼女の登場によって、物語はさらにスピーディーで華やかな展開を見せます。

物語を彩るその他の登場人物たち

『疾風ロンド』には、主人公たち以外にも物語に深みを与える魅力的な人物たちが登場します。

彼らの行動が、物語をより一層複雑で面白いものにしています。

栗林の息子である秀人の存在や、スキー場で何かを探しているかのような折口姉弟など、それぞれの思惑が交錯し、誰が味方で誰が敵なのか分からない状況が生まれます。

こうした脇を固めるキャラクターたちの存在が、予測不可能な展開を生み出す重要な要素なのです。

『疾風ロンド』の評価-面白いかひどいかの感想

『疾風ロンド』の評価は、読む人が何を求めるかによって分かれますが、圧倒的に「面白い」という感想が多いです。

作品の最も重要な特徴は、手に汗握るサスペンスと、思わず笑ってしまうコメディ要素が見事に融合している点にあります。

結論として、ハラハラドキドキしながらも気軽に笑えるエンターテインメント作品を求めている方なら、間違いなく楽しめます。

「面白い」の声多数-サスペンスとコメディの融合

本作が面白いと評される最大の理由は、「サスペンス」と「コメディ」という二つの要素が絶妙に組み合わさっていることです。

盗まれた生物兵器の捜索というシリアスな状況設定は、読者に緊張感を与えます。

その一方で、スキーが全くできない主人公が雪山で奮闘する姿は、どこか滑稽で人間味にあふれています。

このシリアスとコミカルの緩急が、読者を飽きさせません。

発売からわずか10日で100万部を突破した事実が、その人気の高さを物語っています。

どんな風に面白いのか、もっと知りたいな

手に汗握る展開と、思わずクスッと笑ってしまう場面が交互に訪れる感覚です

タイムリミットが迫るスリルと、個性的な登場人物たちが織りなす軽快なやり取りが、一気に物語の世界へ引き込んでくれます。

「ひどい」という感想の理由-本格ミステリー好きの視点

一部で「ひどい」という感想が見られるのは、読者が重厚な謎解きをメインとする本格ミステリーを期待した場合が多いです。

東野圭吾作品と聞くと、緻密なトリックや意外な犯人を想像するかもしれません。

しかし『疾風ロンド』は、犯人当てやアリバイ崩しといった謎解き要素よりも、スリリングな状況下で繰り広げられる人間ドラマやコミカルな展開を重視しています。

そのため、本格ミステリーファンからは物足りないと感じられることがあります。

ミステリーとして楽しめないのかな?

謎解きよりも、登場人物たちのドタバタ劇を楽しむ作品と捉えるのがおすすめです

サスペンスフルな娯楽小説として読むことで、この作品が持つ本来の面白さを存分に味わうことができます。

映画の興行収入とテレビ放送の視聴率

映画版の評価を客観的に見る指標として、興行収入があります。

これは、映画がどれだけ多くの観客に観られたかを示す数字です。

2016年に公開された映画『疾風ロンド』の興行収入は4億5000万円を記録しました。

また、地上波で初めて放送された際の視聴率も、作品の人気を測る一つの目安になります。

これらの数字は、映画版が多くの人々の関心を集め、一定の成功を収めたことを示しています。

読書メーターでの登録数とレビュー件数

原作小説の人気は、読書管理サービス「読書メーター」のデータからも明らかです。

「登録数」とは、その本を読んだ、または読みたいと思っている人の数を示し、人気のバロメーターとなります。

『疾風ロンド』の文庫版は、登録数が18,570件、感想・レビュー件数は4,505件にものぼります(2023年時点)。

この数字は、非常に多くの読者がこの作品を手に取り、感想を共有したいと感じたことの証明です。

多数の登録数とレビュー件数から、原作小説が世代を超えて広く愛され続けている人気作であることが分かります。

原作小説と映画版の比較-キャストやロケ地の違い

原作小説と映画版は、それぞれに異なる魅力があり、両方を楽しむことで作品の世界観をより深く味わえます

活字でじっくり物語に浸りたいか、映像で気軽に楽しみたいか、好みに合わせて選ぶのがよいでしょう。

物語の骨格は共通していますが、細かな設定や表現方法に違いがあります。

どちらから触れても、もう一方を新鮮な気持ちで楽しむことが可能です。

原作小説の魅力-緻密な心理描写とスリリングな展開

原作小説は、登場人物たちの心情や葛藤を深く掘り下げた、東野圭吾作品ならではの緻密な心理描写が最大の魅力になっています。

2013年11月の発売からわずか10日で100万部を突破したことからも、その圧倒的な面白さがうかがえます。

主人公である栗林の焦りや、スキー場にいる人々のそれぞれの思惑が複雑に交錯し、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。

原作ならではの面白さってどこにあるの?

映像では表現しきれない、登場人物の心の声が聞こえてくるような感覚を味わえますよ

サスペンスフルな展開と、人間味あふれるドラマをじっくりと堪能したいあなたには、原作小説が最適です。

映画版の魅力-豪華キャストと野沢温泉スキー場の映像美

2016年に公開された映画版は、豪華キャストが織りなすコミカルな演技と、壮大な雪山の映像美が持ち味です。

主演の阿部寛さんをはじめ、大倉忠義さん、大島優子さんといった実力派俳優陣が、原作のキャラクターに新たな息吹を吹き込んでいます。

ロケ地である野沢温泉スキー場の広大なゲレンデを舞台に繰り広げられる、迫力満点のアクションシーンは大きな見どころになります。

俳優さんたちの演技はどうだった?

特に阿部寛さんが演じる、カッコ悪くて必死な主人公の姿は必見です

難しいことを考えずに、ハラハラドキドキするエンターテインメント作品を映像で楽しみたいなら、この映画がぴったりです。

B’zが担当した主題歌「フキアレナサイ」

物語の疾走感をさらに加速させるのが、B’zが映画のために書き下ろした主題歌「フキアレナサイ」です。

タイムリミットが迫る緊張感と、広大な雪山を滑り抜ける爽快感を表現した、アップテンポなロックチューンになっています。

映画のクライマックスでこの曲が流れる瞬間、物語への没入感は最高潮に達します。

音楽は作品の雰囲気に合っている?

これ以上ないほどピッタリで、物語の興奮を何倍にもしてくれます

主題歌も合わせて楽しむことで、映画『疾風ロンド』の魅力を余すところなく体験できるでしょう。

原作と映画における犯人や結末の相違点

原作と映画では、物語の根幹は同じですが、いくつかの設定や展開に違いがあります

例えば、物語の舞台が原作の架空のスキー場から、映画では実在する野沢温泉スキー場に変更されている点もその一つです。

こうした細かな違いを見つけながら、両方のバージョンを味わうのも楽しみ方といえます。

犯人や結末は同じなの?

どちらもスッキリする結末ですが、見せ方が違うので両方新鮮な気持ちで楽しめますよ

どちらの作品もネタバレを気にせず、独立したエンターテインメントとして楽しむことが可能です。

ぜひ両方を見比べて、二度おいしい体験をしてください。

東野圭吾「雪山シリーズ」-読む順番と続編の存在

『疾風ロンド』は単体で完結した物語ですが、実は東野圭吾さんの「雪山シリーズ」という作品群の一つです。

このシリーズを知ることで、『疾風ロンド』の世界をより一層深く楽しめます。

各作品は独立しているため、どの順番で読んでも楽しめますが、刊行順に読むと登場人物の背景などがより分かりやすくなります。

シリーズの刊行順-『白銀ジャック』から『雪煙チェイス』まで

東野圭吾さんの「雪山シリーズ」は、スキー場を舞台にしたサスペンス作品群を指します。

現在、3作品が刊行されています。

シリーズ第1作『白銀ジャック』は2010年に発表され、第2作『疾風ロンド』が2013年、そして第3作となる『雪煙チェイス』が2016年に刊行されました。

約3年ごとに新作が発表された計算になります。

シリーズって、やっぱり刊行順に読んだ方がいいのかな?

どの作品から読んでも大丈夫ですが、刊行順に読むとより楽しめますよ!

それぞれの物語は独立しているため、『疾風ロンド』から読み始めても全く問題ありません。

『疾風ロンド』からでも楽しめる構成

雪山シリーズの大きな特徴は、各作品の物語が独立しており、どの作品から読み始めても楽しめる点です。

例えば、『疾風ロンド』だけを読んでも物語はきれいに完結します。

そのため、もし書店で『疾風ロンド』を先に手に取ったとしても、前作を読んでいないことで話が分からなくなる心配は一切ありません。

いきなり2作目から読んでも、話についていけるか心配…

ご安心ください!『疾風ロンド』は、この1冊で完結する物語です。

主人公も各作品で異なるため、予備知識なしで気軽に読み始められるのが嬉しいポイントです。

シリーズ作品間のつながりと関連人物

シリーズ各作品は独立していますが、いくつかの共通点が存在します。

最も大きなつながりは、「新月高原スキー場」という架空のスキー場が舞台であることです(原作小説)。

さらに、一部の登場人物が複数の作品にまたがって登場します。

『白銀ジャック』と『雪煙チェイス』にはスキー場のパトロール隊員である根津昇平が登場し、シリーズの連続性を感じさせます。

何か共通のキャラクターが出てきたりするの?

はい、パトロール隊員の根津昇平など、複数の作品に登場する人物がいます!

こうした共通の舞台や人物を見つけるのも、シリーズ作品を読む楽しみ方の一つと言えます。

文庫・新装版・漫画など書籍のバリエーション

『疾風ロンド』は人気作品のため、様々な形式で出版されています。

手軽に読める文庫本から、お子様でも楽しめるジュニア文庫まで揃っています。

2013年に最初の文庫版が発売され、2023年には新装版も登場しました。

また、2016年には菊地昭夫さん作画による漫画版も全1巻で発売されており、活字が苦手な方でも物語を楽しめます。

ご自身の読書スタイルや好みに合わせて、最適な一冊を選ぶことができます。

よくある質問(FAQ)

『疾風ロンド』はミステリーとして楽しめますか?

この作品は、謎解きを主体とした本格ミステリーというよりは、エンターテインメント性の高いサスペンスコメディといえます。

盗まれた生物兵器を探すというスリリングな状況と、個性的な登場人物が繰り広げるコミカルなやり取りが魅力です。

そのため、手に汗握るハラハラ感を味わいながら気軽に笑える、面白い作品を求める方にはぴったりですが、緻密なトリックを期待すると評価が分かれるかもしれません。

映画のキャストは原作のイメージ通りですか?

映画のキャストは、原作ファンの間でも非常に評価が高いです。

特に主演の阿部寛さんが演じる、どこか頼りないけれど憎めない主人公・栗林和幸は、原作のイメージそのものだという感想が多く見られます。

また、パトロール隊員役の大倉忠義さんや、スノーボーダー役の大島優子さんも、それぞれのキャラクターを魅力的に演じており、原作を知る方も知らない方も楽しめるキャスティングになっています。

雪山シリーズに続編の予定はありますか?

2024年現在、東野圭吾さんの雪山シリーズに関する続編の公式な発表はありません。

このシリーズは『白銀ジャック』『疾風ロンド』『雪煙チェイス』の3作品で構成されており、いずれも人気が高いため、多くのファンが新作を待ち望んでいます。

今後の情報に期待したいところです。

原作の文庫版と新装版に内容の違いはありますか?

原作小説の文庫版と新装版では、物語の内容や登場人物に違いはありません。

新装版は主に表紙のデザインが新しくなったもので、本文は同じです。

どちらのバージョンを手に取っていただいても、疾風ロンドの物語を存分に楽しむことができますので、お好みの表紙で選ぶとよいでしょう。

映画は動画配信サービスで視聴できますか?

はい、映画『疾風ロンド』は多くの動画配信サービスで視聴することが可能です。

定額見放題のプランに含まれていたり、個別でレンタルしたりして楽しめます。

過去のテレビ放送を見逃してしまった方でも、動画配信サービスを利用すれば、好きなタイミングで気軽に鑑賞できます。

配信状況は変動するため、ご利用のサービスで確認してみてください。

映画のロケ地である野沢温泉スキー場はどんな場所ですか?

映画の主なロケ地となった野沢温泉スキー場は、長野県の北部に位置する日本屈指の歴史と規模を誇るスキーリゾートです。

広大なゲレンデと豊富な積雪、質の良いパウダースノーで知られています。

映画で描かれた壮大な雪山の風景や迫力ある滑走シーンは、このスキー場で撮影されました。

温泉街も風情があり、多くの観光客に愛されている場所です。

まとめ

『疾風ロンド』は、盗まれた生物兵器を追う緊迫したサスペンスでありながら、個性豊かな登場人物たちが笑いを誘う、極上のエンターテインメント作品です。

シリアスな状況とコミカルな展開の絶妙なバランスが、あなたを一気に物語の世界へ引き込みます。

本格的な謎解きよりも、ハラハラしながら気軽に笑える面白い物語を求めているあなたにぴったりの作品です。

まずは原作小説でじっくり物語を味わうか、映画版で映像の迫力を楽しむか、好きな方から手に取ってみましょう。

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