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東野圭吾の予知夢|あらすじと感想をネタバレなしで5分解説

東野圭吾の『予知夢』は、予知夢や霊視といった超常現象としか思えない謎を、天才物理学者が科学の力で鮮やかに解き明かすミステリーです。

5つの事件が収録された短編集で、巧妙なトリックだけでなく、事件の背景に描かれる登場人物たちの切ない人間ドラマも多くの読者を惹きつけています。

ネタバレなしで、どんな話なのか具体的に知りたいな

この記事を読めば、5分で作品の面白さがしっかりわかりますよ

目次

科学で解明する超常現象ミステリー『予知夢』の魅力

『予知夢』の最大の魅力は、予知夢や霊視といったオカルト的な謎を、天才物理学者・湯川学が科学の力で鮮やかに解き明かす点にあります。

非論理的に思える現象の裏に隠された、驚くべき真相が明らかになる瞬間は、あなたの知的好奇心を刺激します。

この作品が多くの読者を惹きつける理由を、3つのポイントに分けて解説します。

天才物理学者が挑む不思議な事件

この物語では、常識では説明がつかない不思議な事件が次々と起こります。

主人公は、「超常現象」という言葉を一切信じない、帝都大学物理学科准教授の湯川学です。

彼は、友人の刑事・草薙から持ち込まれる奇怪な事件の数々を、物理学の知識と鋭い観察眼で分析し、その真相を論理的に解き明かしていきます。

収録されている5つの事件は、17年前に見たという予知夢や、殺害されたはずの恋人の霊視、家の揺れが止まらないポルターガイスト現象など、どれも一筋縄ではいかないものばかりです。

しかし、湯川の手にかかれば、すべての謎は科学で説明できるトリックへと姿を変えるのです。

本当に超常現象じゃないの?

すべての現象に、人間の心理を巧みに利用した科学的なトリックが隠されています

ありえないと思っていた現象が、一つの論理的な線で結ばれていく過程は圧巻です。

謎が解けた瞬間の「なるほど!」という爽快感は、ミステリー好きにはたまらない体験となります。

短編集ならではの軽快なテンポ

本書は5つの物語が収録された「短編集」であるため、非常に読みやすいのが特徴です。

1話完結の構成なので、1つの事件に集中して謎解きの過程を楽しむことができます。

長編小説を一気に読む時間がない方でも、通勤時間や寝る前の少しの時間でサクッと1話ずつ読み進められるのが嬉しいポイントです。

文庫版は全体で約270ページほどなので、1話あたり50ページ前後で構成されています。

この軽快なテンポ感が、読書へのハードルを下げてくれるため、「最近、本を読めていないな」と感じている方にもぴったりです。

どの物語から読んでも楽しめるので、気になったタイトルから手に取るのも良いでしょう。

ミステリー初心者の方や、普段あまり本を読まない方でも、物語の世界に没入しやすい一冊です。

謎解きの裏にある切ない人間ドラマ

『予知夢』の面白さは、巧妙なトリックだけに留まりません。

事件の背景にある、登場人物たちの切ない人間ドラマが、物語に深い奥行きを与えています。

なぜ犯人は罪を犯さなければならなかったのか、その動機や人間関係が丁寧に描かれている点は、東野圭吾作品ならではの魅力です。

それぞれの事件の裏には、愛情、嫉妬、後悔といった、誰もが抱える可能性のある感情が隠されています。

単なる謎解きとして終わらせず、登場人物たちの心の機微に触れることで、読者はミステリー小説でありながらも、心を揺さぶられるような感動を味わうことになります。

ただの謎解きだけだと物足りないかも

事件の背景にある登場人物たちの想いに、きっと心を揺さぶられますよ

トリックの解明によるスッキリとした読後感と、物語に込められた切なさが織りなす余韻は、あなたの心に長く残り続けます。

ネタバレなしでわかる『予知夢』のあらすじと登場人物

『予知夢』に収録されている5つの物語は、どれも一見すると超常現象としか思えない不可解な事件ばかりです。

ここでは、各短編のあらすじと、物語の鍵を握る2人の主要登場人物についてご紹介します。

これらの謎多き事件に、主人公の湯川学がどのように挑んでいくのかを知ることで、作品の面白さをより深く理解できます。

第一章・夢想る(ゆめみる)

物語は、「17年前に見た」という予知夢を信じる男が、ある女性の家に侵入して逮捕されるところから始まります。

男は、生まれてもいないはずの女性の名前を、なんと小学生時代の文集に書いていました

この奇妙な事実は、単なる偶然なのでしょうか、それとも本当に運命だったのでしょうか。

そんな昔から予知できるなんて、本当に超能力?

科学者である湯川が、この不思議な謎に論理で挑みます。

運命や奇跡といった言葉では片付けられない、驚きの真相があなたを待っています。

第二章・霊視る(みえる)

この物語では、殺害された女性の幽霊の目撃談が事件の鍵を握ります。

ある女性の遺体が発見されますが、殺害されたと推定される時刻とほぼ同時に、恋人が別の場所で被害者の姿を目撃していました

この完璧すぎるアリバイの裏には、巧妙に仕組まれたトリックが隠されています。

アリバイが完璧すぎて、犯人がいるとは思えない…

湯川の目には、その完璧なアリバイの綻びが見えています。

科学的なトリックの裏に隠された、人間の悲しい感情が胸を打つ物語です。

第三章・騒霊ぐ(さわぐ)

ポルターガイスト(騒霊)現象とは、誰もいないはずの部屋で物が動いたり音が鳴ったりする、心霊現象の一種です。

行方不明の夫を捜す女性が、夫の訪問先だった家で「家が激しく振動する」という奇妙な現象に遭遇します。

この現象の裏には、人間の手による深刻な事態が潜んでいました。

家が揺れるなんて、オカルトとしか思えないけど…

その揺れの原因こそが、事件の核心に繋がる重要なヒントです。

超常現象と思われた出来事が、湯川の物理学的な視点によって、全く別の恐ろしい事件の様相を呈していきます。

第四章・絞殺る(しめる)

ホテルの一室で男性が殺害される事件が発生。

しかし、現場には不可解な点が多く、捜査は難航します。

事件を解決に導くヒントは、被害者の娘が事件前夜に目撃したという謎の「火の玉」でした。

この証言が、事件のトリックを暴く突破口となります。

火の玉と殺人事件、どうやって繋がるんだろう?

一見無関係に見える現象を結びつけるのが、湯川の真骨頂です。

密室殺人と火の玉という、結びつきそうにない二つの謎が、湯川の科学的な推理によって一本の線で繋がる瞬間は圧巻です。

第五章・予知る(しる)

本作の表題作でもあるこの物語は、まさに「予知」がテーマです。

ある女性が不倫相手の目の前で首を吊って自殺します。

しかし、「事件の2日前に、向かいのマンションに住む少女が首を吊る光景を見ていた」という衝撃的な証言が出てきました。

未来が見えるなんて、ありえないよね…?

湯川は、その「予知」がどのようにして成立したのかを論理的に解明します。

少女は本当に未来を予知したのでしょうか。

全ての謎が解けたとき、人間の心の複雑さが浮かび上がる、シリーズ屈指の切ない物語になっています。

主人公の天才物理学者・湯川学

本作の主人公は、帝都大学物理学科の准教授である湯川学です。

彼は超常現象を一切信じず、科学的な検証と論理的な思考だけで事件の真相に迫ります。

常識では説明できない謎に直面すると、「実に面白い」という口癖とともに、未知の現象への強い探求心を見せます。

湯川の常識にとらわれない鋭い視点が、どのようにして難事件を解決に導くのかが、この物語の大きな見どころです。

湯川の友人である刑事・草薙俊平

もう一人の主要な登場人物が、警視庁捜査一課の刑事である草薙俊平です。

彼は湯川の大学時代の友人で、現実主義者でありながら、科学では説明がつかない不思議な事件に直面するたびに湯川に助けを求めます。

物語は主に彼の視点で進み、読者を事件の世界へと引き込んでいきます。

草薙の人間味あふれる視点を通して事件を追うことで、湯川の天才ぶりがより一層際立ち、物語に深みを与えています。

読者が語る『予知夢』の感想と評価

『予知夢』を読んだ多くの人が、科学的なトリックの鮮やかさ、短編集ならではの読みやすさ、そして物語の奥深さを高く評価しています。

ミステリーとしての面白さはもちろん、登場人物たちが織りなす人間ドラマも大きな魅力です。

実際にどのような感想が寄せられているのか、3つのポイントに分けて紹介します。

これらの評価から、『予知夢』が幅広い読者層から支持されている理由が見えてきます。

鮮やかなトリックへの驚きの声

本書の最大の魅力は、予知夢や霊視といった超常現象としか思えない事件を、科学の力で解き明かす鮮やかなトリックです。

一見すると非科学的な謎も、主人公・湯川学の物理学に基づいた推理によって、その裏に隠された論理的な真相が明らかになります。

収録されている5つの短編すべてで、人間の心理や自然現象を巧みに利用したトリックが仕掛けられており、多くの読者から驚きの声が上がっています。

超常現象のトリックって、ご都合主義じゃないの?

大丈夫です。物理学に基づいた、納得感のある謎解きが楽しめますよ。

謎が解明された瞬間には「なるほど!」と膝を打つような爽快感があり、あなたの知的好奇心を存分に満たしてくれます。

読書が苦手でも夢中になれる読みやすさの評判

『予知夢』は、独立した5つの物語が収録された短編集であるため、とても読みやすいと評判です。

長編小説のように集中力を長く保つ必要がなく、1話ずつ区切りながら自分のペースで読み進めることができます。

文庫版は全体で272ページなので、1話あたり約50ページ強でサクッと読める計算です。

この手軽さが、普段あまり本を読まない人や、忙しい毎日を送る人からも支持されています。

長編小説は途中で挫折しちゃうことが多いんだけど…

1話完結なので、自分のペースで達成感を味わいながら読み進められます。

物語が1話ごとに完結するため、中だるみすることなく、最後まで新鮮な気持ちで楽しむことが可能です。

ミステリーと人間ドラマが融合した物語への高評価

東野圭吾作品の真骨頂である、事件の背景に描かれる切ない人間ドラマも、本作が高く評価される理由の一つです。

単に謎を解くだけでなく、なぜ犯人が罪を犯さなければならなかったのかという、登場人物たちの動機や葛藤が深く掘り下げられています。

物理学者の湯川は論理的に事件を解決しますが、その裏には人間の愛情や憎しみ、悲しみといった感情が渦巻いています。

科学では割り切れない人間の心の複雑さが、物語に奥行きを与えているのです。

ただ犯人を当てるだけの話だと、少し物足りないかも。

謎解きの面白さに加え、登場人物の心情に寄り添える奥深い物語ですよ。

謎解きのカタルシスだけでなく、読後には登場人物たちの運命に思いを馳せるような、心に響く感動が待っています。

東野圭吾『予知夢』の書籍情報

物語の面白さを知ると、次はいつ発売された本なのか、どれくらいのボリュームなのかといった基本的な情報が気になりますよね。

ここでは、『予知夢』の書籍に関する詳しい情報をご紹介します。

出版社と刊行日

『予知夢』は、人気作家である東野圭吾さんの作品で、文藝春秋から出版されています。

最初に単行本が発売されたのは、2000年6月20日です。

もう20年以上前の作品なんですね!

長く愛されている名作の証拠とも言えますね。

『探偵ガリレオ』に続くガリレオシリーズの第2弾として刊行され、多くの読者を魅了し続けています。

文庫版のページ数

単行本よりもコンパクトで持ち運びやすい文庫版は、通勤中やカフェでの読書にもぴったりです。

文庫版のページ数は272ページです。

1話あたり約50ページなので、隙間時間でもサクサク読み進められるボリュームになっています。

普段あまり本を読まない方でも、最後まで飽きずに楽しめる一冊です。

よくある質問(FAQ)

ドラマ版『ガリレオ』との違いはありますか?

本作は、テレビドラマ『ガリレオ』の原作の一つです。

湯川学をはじめとする主要な登場人物や事件のあらすじは共通していますが、ドラマ版では物語の展開やキャストの役柄にオリジナルの脚色が加えられています。

原作ならではの緻密な心理描写を読むことで、ドラマとはまた違った深い面白さを発見できます。

この作品はミステリー初心者でも楽しめますか?

はい、ミステリーを読み慣れていない方にこそおすすめしたい一冊です。

物語が5つに分かれた短編集なので、通勤時間などの短い時間でも気軽に読み進めることが可能です。

難解に思える科学的なトリックも、主人公の湯川学が分かりやすく解説するため、理系が苦手な方でも謎解きの面白さを存分に味わえます。

犯人やトリックはすぐにわかってしまいますか?

いいえ、犯人やトリックを簡単に見抜くことはできません。

一見すると超常現象にしか思えない事件の裏には、人間の心理を巧みに利用した巧妙な仕掛けが隠されています。

しかし、すべての謎は論理的に解明されるため、結末を知ったときには驚きと共に大きな納得感を得られます。

5つの短編はどの順番で読むのがおすすめですか?

基本的には、書籍に収録されている順番で読んでいくと、物語の世界に自然と入っていけます。

もちろん、各話は独立した物語なので、「予知る」や「霊視る」など、あらすじを読んで気になったタイトルから読み始めることも可能です。

どの話から読んでも作品の魅力を損なうことはありません。

読んだ後、どんな気持ちになりますか?

鮮やかな謎解きによる爽快感と、事件の背景にある人間ドラマがもたらす切なさという、二つの異なる読後感を味わえるのが特徴です。

多くの口コミや感想でも、トリックの素晴らしさと共に、犯人が抱える事情に考えさせられたという高い評価が見られます。

読了後、物語について深く考察したくなる点も魅力の一つです。

電子書籍で読むことはできますか?

はい、『予知夢』は多くの電子書籍ストアで購入できます。

スマートフォンやタブレットですぐに読みたい方には、電子書籍版が便利です。

また、無料で読む方法としては、お住まいの地域の図書館で文庫版を探すという選択肢もあります。

ご自身の読書スタイルに合わせて選ぶことが可能です。

まとめ

この記事では、東野圭吾のミステリー短編集『予知夢』について、あらすじや感想をネタバレなしで解説しました。

この作品の最大の魅力は、予知夢や霊視といった超常現象を、天才物理学者・湯川学が科学の力で見事に解き明かす点です。

科学的な謎解きの爽快感と、心に残る人間ドラマの両方を味わえる本作は、あなたの知的好奇心を満たしてくれます。

まずは第一章から、この不思議な事件の世界に触れてみてください。

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