ストレングスファインダーの4つの領域を一覧で解説｜34の資質と意味がわかる

ストレングスファインダーの強みを体系的に理解する4つの領域

ストレングスファインダーの診断結果に並ぶ34の資質は、数が多くてどう活かせばいいか迷いますよね。

資質を4つの領域に分類して捉えることが、自分の強みを体系的に理解し、活かすための重要な第一歩となります。

この分類を知ることで、あなた自身の強みの傾向や才能の方向性が明確になり、日々の仕事やチームのマネジメントに具体的に活かせるようになります。

34の資質を分類する目的

34の資質を4つの領域に分類する目的は、一人ひとりが持つ才能の欲求や動機付けの方向性を明らかにすることです。

米国のギャラップ社が開発したこの分類法は、人がどのような活動にエネルギーを感じ、自然と力を発揮するのかを示してくれます。

34の資質は一見するとバラバラに見えますが、領域ごとに分類することで、自分が何によって突き動かされる人間なのか、その傾向を客観的に把握できるのです。

資質を分類することは、複雑に見える自分の才能を理解しやすくするための、信頼できる地図を手に入れるようなものです。

自分の才能が輝く方向性の明確化

4つの領域は、あなたの才能がどの分野で最も輝くのか、その方向性を教えてくれます。

上位の資質がどの領域に集中しているかを見ることで、自分の思考や行動のパターンが、どのような目的のために使われやすいのかがわかります。

例えば、上位資質に実行力の領域が多ければ「物事を着実に成し遂げる」場面で、影響力の領域が多ければ「人々を巻き込み、意見を主張する」場面で、あなたの才能は自然と発揮されやすいと判断できるのです。

自分の得意な戦い方を知ることで、仕事での役割や目標設定を、より自分らしく、成果の出やすい形に調整していくことが可能になります。

チーム全体の強みバランスの可視化

4つの領域という視点は、個人の自己分析だけでなく、チーム全体の強みのバランスを客観的に可視化する上で役立ちます。

プロジェクトリーダーとして、メンバーそれぞれの資質がどの領域に属するかを把握することは、チームの力を最大限に引き出すために不可欠です。

プロジェクトを進める上で、アイデア出しが得意な「戦略的思考力」のメンバーは多いけれど、それを形にする「実行力」のメンバーが少ない、といったチームの構成が一目で分かります。

このバランスを把握することで、プロジェクトの各段階に応じて適切な人員を配置したり、不足している領域を補うための採用計画を立てたりと、戦略的なチームマネジメントが実現します。

他者理解を深めるための行動原理の把握

4つの領域を知ることは、自分とは異なる他者の行動原理を理解するための鍵となります。

自分とは違う意見や行動をとる人がいるとき、その背景には資質の違いがあります。

資質の違いを4つの領域という枠で理解することで、「なぜあの人はあのような行動をするのか」が推測しやすくなるのです。

例えば、会議でなかなか結論が出ないとき、慎重に情報を集めたい「戦略的思考力」の人と、早く行動に移したい「実行力」の人が対立しているのかもしれません。

相手の動機付けの源泉が分かることで、すれ違いが減り、チーム内のコミュニケーションは円滑になります。

その結果、より協力的な関係を築くことが可能です。

ストレングスファインダーの4つの領域と34の資質一覧

クリフトンストレングスの34の資質を深く理解するためには、それらが4つの領域のいずれかに分類されるという視点を持つことが欠かせません。

この分類を知ることで、個々の資質が持つ意味や方向性が明確になります。

領域	特徴（欲求）	醸し出す雰囲気
実行力	何かを実行し、完遂したい	きちんとしており冷静沈着で、物事を処理する能力が高そう
影響力	人に影響を与え、動かしたい	声や身振りが大きく、エネルギッシュな様子が感じられる
人間関係構築力	人とつながり、関係性を築きたい	温かい印象で、他人との間に壁を作らない
戦略的思考力	考え、頭脳活動をしたい	物静かで思慮深い

ご自身の診断結果で上位にある資質がどの領域に多いかを確認することで、あなたの才能が輝く方向性を客観的に把握できます。

実行力の領域-アイデアを実現させる資質群

「実行力の領域」とは、アイデアや計画を具体的な形にし、物事を最後まで成し遂げる力を示す資質群です。

この領域は「どうすれば物事を実現できるか？」という問いに答え、目標達成に向けて努力する際に頼りになる力で、全34資質のうち9つが分類されます。

資質名	特徴
達成欲	並外れたスタミナで旺盛に仕事に取り組み、多忙で生産的であることに満足感を得る
アレンジ	多くの物事を整理・組織化し、最高の生産性を実現する方法を考えることを好む
信念	核となる普遍的な価値観を持ち、それが人生に明確な意義をもたらす
公平性	あらゆる人を平等に扱う必要性を確信し、明確なルールに従って行動する
慎重さ	決定や選択の際に細心の注意を払い、あらゆる危険や困難を想定する
規律性	日課や身のまわりを秩序立てることを好み、自分の考えた秩序で世界を説明しようとする
目標志向	目標を定め、優先順位に従ってまい進し、必要な修正を行うことができる
責任感	一度やると言ったことに心理的な責任意識を持ち、正直さや忠実さを大切にする
回復志向	問題解決を好み、問題点を探り当てて解決することに長けている

この領域の資質が上位に多い方は、計画を実行に移し、着実に成果を出すことが得意なため、チームの頼れる存在となります。

影響力の領域-人々を巻き込む資質群

「影響力の領域」とは、自分の考えを主張し、人々を動かして目標に向かわせる力を示す資質群です。

この領域は「周囲にどのような影響を及ぼすか？」という問いに答え、チームのアイデアを内外に売り込む際に力を発揮し、全34資質のうち8つが分類されています。

資質名	特徴
活発性	アイデアを実行に移して結果をもたらし、「いますぐ実行する」ことを望む
指令性	存在感があり、状況の主導権を握って決断を下す
コミュニケーション	自分の考えを言葉にするのが得意で、話術に優れ、物事を印象的に説明する
競争性	他者との比較によって自分の進歩を測り、コンテストで勝つために努力する
最上志向	個人や集団の強みに注目し、優れたものを最高レベルのものに変えようとする
自己確信	自分の能力と判断力に自信を持ち、リスクを冒すことができる
自我	大きな影響を与えることを望み、独立心が強く、影響の大きさで物事の優先順位をつける
社交性	知らない人と出会い、惹きつけ味方につけることを好み、親しくなることに満足感を得る

この領域の資質が上位に多い方は、エネルギッシュで説得力があるため、チームのスポークスマンやリーダーとして活躍します。

戦略的思考力の領域-未来を見通す資質群

「戦略的思考力の領域」とは、情報を収集・分析し、未来の可能性を考える力を示す資質群です。

この領域は「情報や状況をどのように思考・分析するか？」という問いに答え、より優れた判断を下すための羅針盤のような役割を果たし、全34資質のうち8つが含まれます。

資質名	特徴
分析思考	物事の理由と原因を追求し、状況に影響を与えうる全ての要素を考慮する
原点思考	過去について考えるのを好み、歴史をたどることで現在を理解する
未来志向	未来とそこで可能なことを心に描き、そのビジョンで人々にエネルギーを与える
着想	新しいアイデアを考えるのが好きで、一見共通点のない現象の間に関連性を見出す
収集心	情報、アイデア、物、人間関係など、様々なものを収集・蓄積する必要がある
内省	知的な活動に多くの時間を費やし、内省的で知的な議論を好む
学習欲	学習意欲が旺盛で常に向上を望み、結果よりも学習プロセスそのものに意義を見出す
戦略性	目的に向かうための選択肢を想定し、いかなる状況でも適切なパターンと問題点を即座に予測できる

この領域の資質が上位に多い方は、思慮深く、物事の本質を見抜く力があるため、チームの頭脳として重要な役割を担います。

4つの領域のバランスでわかる強みの活かし方

ストレングスファインダーの4つの領域を理解したら、次はそのバランスに着目してみましょう。

上位資質がどの領域に偏っているか、あるいは分散しているかを知ることは、自分の才能の傾向を客観的に把握し、強みを活かす戦略を立てる上でとても重要です。

資質のバランスは、あなたの行動や思考のクセ、そして他者に与える印象を明らかにします。

この章では、資質の偏りから自分の傾向を読み解く方法、チームマネジメントへの応用、そして不足している領域をどう補うかという考え方まで、4つの領域をさらに深く活用するためのヒントを解説します。

上位資質の偏りから読み解く自分の傾向

上位資質が特定の領域に集中している状態、それが資質の偏りです。

これは優劣ではなく、あなたが自然とエネルギーを注ぐ方向性、つまり個性を明確に示しています。

例えば、上位5つの資質のうち3つ以上が同じ領域にあれば、その領域の特徴があなたの言動に強く表れる傾向があります。

ギャラップ社の研究によると、上位資質がどの領域に多いかによって、他者から持たれる印象にも違いが現れます。

実行力の資質が多い人は、冷静沈着で物事を着実に処理する能力が高いという印象を与えやすいです。

自分の資質の偏りを理解することは、自己理解を深め、自分の言動を主体的に管理しやすくする第一歩となります。

上位に多い領域	醸し出す雰囲気・傾向
実行力	冷静沈着で、物事を着実に処理する能力が高い
影響力	エネルギッシュで、声や身振りが大きい
人間関係構築力	温かい印象で、他人との間に壁を作らない
戦略的思考力	物静かで思慮深く、知的な雰囲気

資質の偏りそのものに良い悪いはありません。

その偏りが自分のあり方や欲求の方向性を表していると理解し、その特性をどう活かすかを考えることが、ストレングスファインダー活用の鍵となります。

チームマネジメントや人員配置への応用

個人の強みを理解するだけでなく、チーム全体の資質を4つの領域で可視化することは、プロジェクトを成功に導くための最適な人員配置に繋がります。

チームメンバーそれぞれの資質をマッピングし、どの領域の強みが豊富で、どの領域が手薄かというバランスを把握することが重要です。

プロジェクトには様々な段階があり、それぞれの段階で求められる力は異なります。

例えば、新しい企画を立ち上げる初期段階ではアイデアを出す戦略的思考力が、計画を実行に移す段階では物事を前に進める実行力が、そしてチームの結束を高めるためには人間関係構築力が不可欠です。

チームの資質バランスを理解していれば、プロジェクトの状況に応じて最適なメンバーをアサインできます。

領域	チームにおける主な役割
実行力	プロジェクトのタスク管理、スケジュール調整、目標達成への推進
影響力	チームの意思決定、クライアントへの交渉、チームの士気向上
人間関係構築力	チーム内の円滑なコミュニケーション、新メンバーの受け入れ、対立の解消
戦略的思考力	プロジェクト計画の策定、リスク分析、新しいアイデアの創出

メンバー一人ひとりの資質を4つの領域で把握し、尊重することで、適材適所の人員配置が可能になります。

その結果、チーム全体の生産性とエンゲージメントが向上するのです。

リーダーシップにおける4つの領域の役割

リーダーシップのスタイルは一つではありません。

クリフトンストレングスでは、自分の上位資質が集中する領域によって、発揮すべきリーダーシップのスタイルが異なると考えます。

自分の得意な領域を自覚し、その強みを活かしたリーダーシップを発揮することが、自分にとってもチームにとっても良い結果をもたらします。

例えば、影響力の高いリーダーは、ビジョンを語り人々を鼓舞する牽引型のリーダーシップが得意です。

一方で、人間関係構築力の高いリーダーは、メンバー一人ひとりに寄り添い、チームの和を重んじる支援型のリーダーシップで力を発揮します。

自分の資質に合わないリーダー像を無理に目指す必要はありません。

領域	発揮しやすいリーダーシップスタイル
実行力	プロセスを管理し、着実に成果を出す「実行型」リーダー
影響力	ビジョンを掲げ、チームを鼓舞する「牽引型」リーダー
人間関係構築力	メンバーに寄り添い、チームの結束を高める「支援型」リーダー
戦略的思考力	的確な分析と先見性で、チームの進むべき道を示す「戦略型」リーダー

自分らしいリーダーシップの形を理解し、それを磨き上げることが重要です。

そして、自分に不足している領域のリーダーシップは、その資質を持つ他のチームメンバーに補ってもらうことで、チーム全体としてバランスの取れた強力なリーダーシップ体制を築き上げましょう。

領域の組み合わせによる相乗効果

ストレングスファインダーの資質は、単体で機能するだけでなく、複数の領域の資質が組み合わさることで、ユニークな相乗効果を生み出します。

上位資質が複数の領域にまたがっている場合、その組み合わせがあなただけの特別な強みになります。

例えば、戦略的思考力の資質である「着想」と実行力の資質である「達成欲」を併せ持つ人は、斬新なアイデアを思いつくだけでなく、それを実現するまでやり抜く力を持っています。

これは、アイデアを生み出すだけで終わらない、強力なイノベーターとしての才能を示す組み合わせです。

領域の組み合わせ例	生まれる相乗効果
実行力 × 影響力	決めたことを周囲を巻き込みながらスピーディーに実行する
影響力 × 人間関係構築力	人脈を広げ、その関係性を活かして大きな目標を達成する
人間関係構築力 × 戦略的思考力	チームメンバーの個性を深く理解し、最適な戦略を立てる
戦略的思考力 × 実行力	緻密な計画を立て、それを完璧に遂行する

ご自身の診断結果を改めて見返し、上位資質がどの領域にまたがっているかを確認してみてください。

その組み合わせが、他の誰にも真似できない、あなた独自の価値を生み出す源泉です。

不足している資質を補う考え方

クリフトンストレングスの診断結果を見て、特定の領域の資質が下位に多いことに不安を感じるかもしれません。

しかし、これは弱点ではなく、意識的に補うべきポイントであり、他者と協力するチャンスを示しています。

ストレングスファインダーの哲学は、弱点の克服に時間を費やすのではなく、強みを最大限に活かすことにあります。

自分に不足している領域の能力が必要な場面では、無理に自分でやろうとせず、その領域の資質を持つ人に助けを求めることが賢明です。

例えば、ある経営者は人間関係構築力の資質が上位に、実行力の資質が下位に偏っていました。

彼は自身の強みを活かして多くの協力者を集め、実行力の高いパートナーと組むことで事業を成功させました。

不足している領域	補うための考え方・行動
実行力	タスク管理ツールを活用する、実行力の高い人に協力を依頼する
影響力	データや事実に基づいた説明を心がける、影響力の高い人の意見を参考にする
人間関係構築力	定期的な1on1ミーティングを設定する、チームの潤滑油役を他のメンバーに任せる
戦略的思考力	情報を整理するフレームワークを学ぶ、戦略性の高い人に壁打ち相手になってもらう

自分の強みを活かすことに集中し、不足している部分は他者の強みを借りる。

この考え方こそが、個人とチームのパフォーマンスを高めるための最も効果的なアプローチです。

才能診断ツールクリフトンストレングスの概要

クリフトンストレングス（旧ストレングスファインダー）は、自分では気づきにくい才能を客観的に発見するための自己分析ツールです。

診断を通して明らかになる34の資質を理解することで、日々の仕事やチーム内での自身の役割を、より深く考えるきっかけになります。

このツールを活用すると、自分の思考や行動のパターンがなぜそうなるのかを言語化できるようになり、自己理解を深めながら強みを活かしたキャリアを築くことが可能になります。

米国ギャラップ社が提供する自己分析ツール

クリフトンストレングス®は、米国の世論調査やコンサルティングを行うギャラップ社が開発した、世界的に活用されている才能診断ツールです。

全世界で3,100万人以上が受検しており（2024年4月時点）、個人の才能を可視化し、生産性を高めるための信頼性の高いツールとして、多くの企業や個人に導入されています。

旧名称であるストレングスファインダーも広く知られていますが、提供元は同じギャラップ社であり、ツールの本質に変わりはありません。

「才能」としての資質と「強み」の違い

この診断でわかる「資質」と、私たちが目指すべき「強み」は、意味が異なります。

「資質（才能）」とは、無意識のうちに繰り返される思考、感情、行動のパターンのことで、強みを生み出すための原石のようなものです。

一方で「強み」とは、その資質を意識的に磨き、知識やスキルと掛け合わせることで、継続的に成果を生み出せるようになった状態を指します。

例えば、「人と話すのが好き（資質）」なだけでは仕事の成果には直結しませんが、そこにプレゼンテーションのスキルを掛け合わせることで、「人を惹きつける話し方ができる（強み）」に変わるのです。

診断結果を知ることはゴールではなく、自分だけの原石である才能を発見し、それを輝く強みへと育てていくためのスタート地点になります。

オンラインでの診断テストの受検方法

クリフトンストレングスの診断テストは、オンラインで手軽に受検することが可能です。

診断テストは約30〜40分で完了し、画面に表示される177個の質問ペアに対して、より自分に当てはまる方を直感的に選択していく形式で進みます。

受検するためのアクセスコードを入手する方法は、主に2通りあります。

どちらの方法でも診断は受けられますが、全34資質の詳細な解説が書かれた関連書籍を購入すると、診断結果をより深く理解するのに役立ちます。

まとめ

この記事では、ストレングスファインダーの34の資質を4つの領域に分類し、それぞれの意味や特徴を一覧で解説しました。

たくさんある資質も、4つの領域で整理することで、自分の強みの傾向や才能を活かす方向性が明確になります。

まずはご自身の診断結果と記事内の一覧を見比べて、あなたの強みがどの領域で最も輝くのかを確認してみてください。