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【初心者向け】小説の感想の書き方|5つのステップで伝わる文章が書ける

小説を読み終えた後、「面白かった」という一言で感想が終わってしまい、もどかしい思いをしていませんか。

その原因は文章力ではなく、読後の感情を言葉に変えるための正しい手順を知らないことにあります。

この記事では、あらすじの紹介で終わらない、あなたの心が動いた瞬間を的確に伝えるための思考法と、初心者でも簡単に真似できる具体的な5つのステップを丁寧に解説します。

「面白かった」としか言えない自分を、どうにか変えたい…

管理人

誰でも伝わる感想が書けるようになる、ちょっとしたコツがあるんですよ。

目次

小説の感想が「書けない」から「書ける」に変わる思考法

読書後に「面白かった」という一言しか浮かばず、もどかしい思いをしていませんか。

その原因は、文章力や語彙力の問題ではありません。

感想が書けない状態から抜け出すためには、なぜ書けないのかという根本的な原因を理解することが何よりも重要です。

原因がわかれば、取るべき対策も自然と見えてきます。

これから紹介する3つの思考法を取り入れることで、漠然とした感情を言葉にするための道筋がはっきりとします。

まずは自分の思考の癖を知り、感想を書くための準備を整えましょう。

「面白かった」で終わる原因の探求

多くの人が感想をうまく書けないのは、読後の高揚した気持ちを整理しないまま、いきなり言葉にしようとするからです。

感動で胸がいっぱいの状態では、感情が漠然としすぎていて、具体的な言葉として取り出すことが難しくなります。

例えば、映画を観た直後に「とにかくすごかった」としか言えない感覚に似ています。

その「すごい」という感情が、登場人物への共感なのか、予想外の展開への驚きなのか、あるいは美しい情景描写への感動なのかを分解できていないのです。

これが、「面白かった」で終わってしまう最大の原因といえます。

漠然とした「面白い」を、どうやって分解すればいいの?

管理人

感情が動いた瞬間に「なぜ?」と自問自答する癖をつけるのが近道です。

感想が書けないのはあなたの能力不足が原因ではなく、思考のプロセスに改善の余地があるだけです。

まずはこの事実を認識することが、次へ進むための大切な一歩となります。

感想はあらすじ紹介ではないという認識

感想文を書こうとすると、いつの間にか物語のあらすじをなぞるだけで終わってしまう、という経験はありませんか。

これは初心者が陥りやすい罠の一つです。

ここで大切なのは、感想とは物語の要約ではなく、作品を通してあなたが何を感じ、考えたのかを表現するものであるという認識を持つことです。

例えば、辻村深月さんの『かがみの孤城』を読んだとします。

あらすじでは「城に集められた7人の中学生が、願いを叶える鍵を探す物語」と説明できます。

しかし、感想文では「主人公こころが、仲間との交流を通じて自分の居場所を見つけていく姿に、学生時代の自分を重ねて涙が出た」というように、あなただけの視点や感情を書き記すことが求められます。

あらすじを書かないと、話が伝わらない気がするんだけど…

管理人

物語の核心に触れない範囲で必要な情報を補足しつつ、あなたの感情を中心に書きましょう。

あらすじと感想文は、目的が全く異なります。

この違いを意識するだけで、文章の主役が「物語」から「あなた自身」へと変わり、他の誰にも書けないオリジナリティのある感想が生まれます。

読書中のメモが感想の質を決める

本を読み終えた後、「さて何を書こうか」と考えても、心に残ったはずの場面やセリフがうまく思い出せないことがあります。

感想文の質は、本を閉じた後にどれだけ記憶をたどれるかではなく、読んでいる最中にどれだけ「感動のタネ」を拾い集められたかで決まります。

大掛かりな準備は必要ありません。

例えば、心を動かされた文章があったページの角を折っておく、響いたセリフのページ番号をスマートフォンのメモアプリに書き留めておくだけで十分です。

たったこれだけの作業で、感想を書く際に引用したり深掘りしたりできる材料が、最低でも5つ以上は手元に残ります。

読書に集中したいから、メモで中断したくないな…

管理人

付箋を貼るだけでも十分です。後から見返せる「しるし」を残すことが大切ですよ。

読書中のメモは、未来の自分へのプレゼントです。

このひと手間が、書き始める前に白紙のページを前にして途方に暮れる時間をなくし、あなたをスムーズな執筆へと導いてくれます。

【初心者向け】伝わる感想を書くための5ステップ

小説を読み終えた後の感動を誰かに伝えたいのに、言葉にできずもどかしい思いをした経験はありませんか。

伝わる感想を書くためには、いくつかのステップを踏むことが重要です。

中でも、読書中に心に残った部分を記録しておく準備が、あなただけの感想を生み出す土台となります。

これらのステップを一つひとつ丁寧に進めることで、初心者の方でも「面白かった」だけで終わらない、読み手の心に響く感想が書けるようになります。

1. 心に刺さった言葉や場面を記録する準備

質の高い感想は、本を読み終えてから書き始めるのではありません。

実は、本を読んでいる最中の小さな気づきを記録することから始まっています。

感情が動いた瞬間の「なぜ?」をメモしておくことが、後から感想を書く際の重要な材料になるのです。

例えば、付箋を「感動」「疑問」「名言」など3種類の色に分けて使い、該当するページに貼りながら読み進めてみましょう。

余白に「主人公のこの決断に驚いた」「この一文が美しい」など、簡単な言葉を書き添えるだけでも効果は絶大です。

読書に集中したいから、メモは少し面倒かも…

管理人

まずは気になったページに付箋を貼るだけでも大丈夫ですよ

読後の記憶だけに頼らず、こうした「感動のタネ」を集めておく作業が、ありきたりではない、あなただけの視点を持った感想文の土台を築きます。

2. 導入・本論・結論の基本構成に当てはめる

何から書き始めれば良いか分からないときは、文章の基本となる「導入・本論・結論」の構成に当てはめて考えるのがおすすめです。

この型を意識するだけで、伝えたいことが整理され、筋の通った文章を組み立てやすくなります。

特に感想文の核となる「本論」では、ステップ1で集めたメモが活躍します。

最も心を動かされた場面や登場人物について、なぜ印象に残ったのかを具体的に記述することで、文章に深みが生まれます。

この構成は、感想文だけでなく様々な文章作成に応用できる便利なテンプレートです。

まずはこの型に沿って、伝えたい要素を配置することから始めてみましょう。

3. 自分の経験と結びつけて深掘りする

感想文があらすじの紹介で終わってしまうのを防ぐには、物語を「自分ごと」として捉え、自身の経験と結びつける視点が不可欠です。

出来事を客観的に説明するのではなく、自分の心を通して感じたことを言葉にしましょう。

例えば「主人公が長年の夢を諦める場面」に心を動かされたなら、自分が学生時代に部活動で挫折した経験を思い出し、「あの時の悔しさが蘇り、胸が締め付けられた」と記述します。

このように自分のフィルターを通すことで、読者はあなたの感想に共感しやすくなるのです。

自分の経験と結びつけるなんて、難しそう

管理人

大きな出来事でなくても、小さな共感や違和感からで大丈夫です

物語と自分の人生を重ね合わせることで、感想は単なる解説ではなくなり、書き手の人柄が伝わる温かみのある文章に変わります。

4. ありきたりな言葉を自分らしい表現に変換

「面白かった」「感動した」という言葉は使いやすい反面、具体性に欠け、読者に感動の温度が伝わりにくいものです。

感想に説得力を持たせるには、これらのありきたりな言葉を、五感に訴えるような自分らしい表現に変換する練習が効果的です。

「面白かった」と感じたなら、「なぜ、どのように面白かったのか」を考えてみましょう。

「予測不能な展開に、次のページをめくる指がもどかしかった」「登場人物たちの軽妙な会話劇に、思わず声を出して笑ってしまった」のように表現すると、情景が目に浮かぶようです。

日頃から素敵な表現に触れたときにメモしておく習慣も、あなたの語彙力を豊かにし、感情を的確に言葉にする手助けとなります。

5. ネタバレに配慮したSNS・ブログでの発信

書き上げた感想をSNSやブログで公開する際には、まだ作品を読んでいない人への配慮を忘れないようにしましょう。

物語の核心に触れる内容(ネタバレ)を含む場合は、読者がそれを避ける選択をできるように、事前に知らせるのがマナーです。

ブログやnoteで発信する際は、タイトルの末尾に【ネタバレあり】と明記したり、本文の冒頭で「※この先、物語の結末に関する記述があります」といった注意書きを入れたりするのが親切な対応です。

少しの気遣いが、あなたの感想をより多くの人に気持ちよく読んでもらうための鍵となります。

配慮を忘れずに、読書の輪を広げていきましょう。

読書体験を豊かにする感想文の力

感想文を書くことは、単に読書の記録を残す以上の意味を持ちます。

それは、読書体験そのものを、より深く味わい尽くすための能動的な行為にほかなりません。

言葉にすることで、物語はあなたの中で初めて本当の意味で完成するのです。

感想を書くというひと手間が、読書から得られる学びや感動を何倍にも増幅させてくれます。

作品への解像度が上がる再発見

感想を書くために内容を思い返すと、一度読んだだけでは気づかなかった伏線や登場人物の心情の変化といった、細やかな仕掛けに気づけます

物語のディテールを丹念に拾い上げる作業は、作品への解像度を大きく引き上げます。

例えば、夏目漱石の『こころ』を読んだ後、「先生」の行動の理由を考察して書き出すと、物語の随所に散りばめられた「先生」の孤独や葛藤のサインが、初読時とは全く違う重みで伝わってくるでしょう。

ただ読むだけじゃ、見えてこないものがあるんですね。

管理人

はい、言葉にするプロセスが、作品の輪郭をくっきりとさせてくれますよ。

感想を書くというアウトプットを前提にすることで、読書中のインプットの質も向上し、物語の多層的な魅力に触れることができます。

思考を整理し言語化するトレーニング

心の中に渦巻く漠然とした「感動」を、「なぜ感動したのか」「どの部分に心を動かされたのか」と論理的に分解し、言葉に置き換える作業は、思考力を鍛える絶好のトレーニングです。

自分の感情の正体を突き詰めることで、自己理解も深まります。

毎日5分でも感想を書く習慣を続けると、約1ヶ月で自分の考えを要約し、他者に分かりやすく伝える能力が向上したという調査結果もあるほど、効果的な訓練になります。

「面白かった」しか言えない自分を変えたいです。

管理人

感情の理由を深掘りするクセをつけることが、表現力を磨く第一歩です。

この言語化スキルは読書感想文だけでなく、仕事の報告書作成や日常のコミュニケーションなど、あらゆる場面で役立つ一生モノの財産となります。

好きな本を通じて他者と繋がる喜び

書き上げた感想をブログやSNSで発信することは、同じ本を愛する未知の誰かと繋がり、感動を分かち合うきっかけを生み出します。

あなたの言葉が、新たなコミュニケーションの扉を開くのです。

例えば、書評SNSの「読書メーター」では、1つの作品に対して数千件以上の感想が投稿されることも珍しくなく、自分とは全く違う視点の感想に出会えるのが魅力です。

自分の感想に、誰かが共感してくれたら嬉しいだろうな。

管理人

あなたの言葉が、誰かにとってその本と出会うきっかけになるかもしれません。

他者の感想を読むことで作品の新たな側面を知り、自分の感想にコメントが付けば対話が生まれます。

このようにして、一冊の本から始まるコミュニケーションは、読書の世界を何倍にも広げてくれます。

まとめ

この記事では、小説の感想が「面白かった」の一言で終わってしまう原因と、その解決策を具体的に解説しました。

大切なのは文章力ではなく、読書中に心を動かされた瞬間をメモしておくという、書く前の小さな準備です。

まずは付箋を片手に本を開き、心に残ったページにしるしを付けてみましょう。

この小さな一歩が、あなたの読書体験をより豊かなものに変えます。

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