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【ネタバレなし】青山美智子『赤と青とエスキース』のあらすじと感想|3つの見どころ

青山美智子さんの『赤と青とエスキース』は、一枚の絵画をめぐる感動の物語です。

時を超えて受け継がれていく人々の温かい想いが、読者の心を深く揺さぶります。

この記事では、2022年本屋大賞で第2位に輝いた本作のあらすじや見どころを、ネタバレなしで解説します。

多くの読者が「ラストで号泣した」と語る、感動の仕掛けや伏線回収の魅力にも触れていきます。

感動できる本を読みたいけど、どんな物語なんだろう?

一枚の絵が紡ぐ、切なくも温かい奇跡の物語の魅力をお伝えします。

目次

一枚の絵から始まる感動の連作短編『赤と青とエスキース』

青山美智子さんの『赤と青とエスキース』は、一枚の絵画が時代や場所を超えて人々の手を渡り、それぞれの人生にそっと寄り添っていく様子を描いた物語です。

人と人との繋がりや受け継がれていく想いが、温かい感動を呼び起こします。

連作短編という形式でありながら、最後にはすべての物語が一つに収束する構成が見事な一冊です。

2022年本屋大賞第2位の話題作

『赤と青とエスキース』は、全国の書店員が「いちばん売りたい本」を選ぶ2022年本屋大賞で第2位に輝いた作品です。

多くの読書好きから支持されていることが、この受賞歴からもわかります。

著者の青山美智子さんは、前作『お探し物は図書室まで』でも2021年本屋大賞で第2位を獲得しており、2年連続で読者の心を掴む物語を送り出している実力派の作家です。

本屋大賞に選ばれる本って、なんだか安心して読める気がする。

ええ、書店員さんたちが自信をもっておすすめする作品なので、心に残る一冊に出会えることが多いんですよ。

この小説も多くの人々の心を打ち、発売から時を経てもなお愛され続けている人気の作品です。

物語の核となるネタバレなしのあらすじ

物語は、オーストラリアのメルボルンで出会った日本人留学生のレイと、日系人のブーを、若き画家が描いた一枚の「エスキース」から始まります。

「エスキース」とは、油彩画などの制作過程で作られる下絵や習作を指す言葉です。

その一枚の絵が日本へ渡り、持ち主を変えながら30数年という長い時を旅していきます

各章では、絵の所有者となった人々の視点から、それぞれの人生模様が描かれます。

独立した物語に見えますが、すべてが伏線となっており、最終章で鮮やかに繋がる仕掛けになっています。

章ごとに話が変わると、感情移入しにくいかも…?

心配ありません。一枚の絵がすべての物語を繋ぐ案内役になるので、読み終えたときには大きな感動に包まれますよ。

一枚の絵画が紡ぐ、切なくも温かい奇跡の物語が、ここにあります。

物語を彩る主な登場人物

この物語の始まりであり、核となるのがブーとレイという二人の男女です。

彼らの出会いと関係性が、一枚の絵に込められた想いの原点となります。

ブーの本名は円城寺蒼(えんじょうじ そう)、レイの本名は立花茜(たちばな あかね)です。

それぞれの名前の色である「蒼(Blue)」と「茜(Red)」から、愛称で呼び合っています。

この3人から始まった物語は、エスキースを手にした様々な登場人物へと受け継がれていきます。

心を揺さぶる『赤と青とエスキース』3つの見どころ

一枚の絵をめぐる物語が、これほどまでに人の心を温かくするとは思いませんでした。

この物語の最大の魅力は、時と場所を超えて人々の想いが受け継がれていく構成の美しさにあります。

読者の心を掴んで離さない3つの見どころを、ネタバレにならない範囲でご紹介します。

見どころ1 時を超えて受け継がれる一枚の「エスキース」

物語の鍵となる「エスキース」とは、フランス語で「下絵」や「習作」を意味する言葉です。

完成作の前に描かれる、アイデアの素案のようなものと考えると分かりやすいです。

物語は、オーストラリアのメルボルンで出会った日本人、ブーとレイをモデルに一枚のエスキースが描かれる場面から始まります。

その一枚の絵が、30年以上もの時をかけて様々な人の手に渡り、それぞれの人生にそっと寄り添っていく様子が描かれます。

一枚の絵がどのように人々の縁を紡いでいくのか、その軌跡を追いかけるだけでも胸が熱くなります。

見どころ2 点と点が繋がる鮮やかな伏線回収

この物語は、章ごとに主人公が異なる「連作短編」の形式で進みます。

それぞれの章は独立した物語として楽しめますが、実は巧妙な伏線が散りばめられています

読み進めていくうちに、前の章の小さな出来事や登場人物が後の章で思わぬ形で繋がり、物語の全体像が少しずつ見えてきます。

そして最終章で全ての点が繋がり、一本の美しい線になったとき、深い感動と鳥肌が立つほどの驚きを体験することになります。

なんだか難しそうな話なのかな?

大丈夫です、一つひとつの物語に心が温まりますよ。

それぞれの物語に込められた温かいメッセージを感じながら、大きな絵画が完成していく過程を楽しむような感覚で読み進められるのが魅力です。

見どころ3 登場人物に共感する青山美智子の優しい筆致

青山美智子さんの作品の魅力は、なんといっても登場人物の心情を丁寧に描く優しい文章にあります。

特別なヒーローやヒロインが登場するわけではなく、私たちと同じように日々の生活の中で悩み、ささやかな喜びに幸せを見出す人々が描かれます。

だからこそ、読者は登場人物の誰かに自分を重ね合わせ、その喜びや痛みに深く共感できるのです。

まるで自分の物語のように感じられ、読み終えた後には温かい光が心に灯るような感覚を味わえます。

前作『お探し物は図書室まで』で多くの読者の心を癒した著者ならではの筆致が、この物語でも存分に発揮されています。

「ラストで号泣」感動と涙の声

『赤と青とエスキース』を読んだ多くの読者から、「泣ける」「感動した」という声が寄せられています。

特に、物語の結末には心を揺さぶる感動が待っています

実際に、以下のような感想が見られます。

各章の最終ページでは、必ず感動の涙が溢れ、ラストで奔流となります。

https://book.kokoro-aozora.com/entry/akatoaotoesquisse_aoyamamitiko

ああ、いい絵だ。
号泣~!!

https://book.kokoro-aozora.com/entry/akatoaotoesquisse_aoyamamitiko

この物語の涙は、単なる悲しさから来るものではありません。

時を超えて繋がる人々の想いの温かさや、切なくも美しい愛の形に触れたときに、自然とあふれ出てくるものです。

「二度読み必至」と評される巧みな仕掛け

この作品の口コミで頻繁に目にするのが「二度読み必至」という言葉です。

一度目の読書で物語全体の感動を味わった後、もう一度最初から読み返すと、一度目では気づかなかった仕掛けや伏線が至る所に隠されていることに気づきます。

「二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。」とは、Amazonで見かけたフレーズ。

https://book.kokoro-aozora.com/entry/akatoaotoesquisse_aoyamamitiko

本当に二度読みしてしまいました。
なるほど~!と腑に落ちて、巧いな~と。

https://book.kokoro-aozora.com/entry/akatoaotoesquisse_aoyamamitiko

物語の結末を知った上で読み返すことで、登場人物の何気ない一言や行動が全く違う意味を持って見えてきます。

一度で二度、物語を深く味わえるのが、この小説の大きな魅力です。

タイトルの意味がわかった瞬間の驚き

『赤と青とエスキース』というタイトルは、物語を読み終えたときに、その意味の深さにハッとさせられます。

物語の始まりに登場するブーは「蒼」という名から、レイは「茜」という名から、それぞれの愛称で呼ばれています。

物語の中心にある一枚の「エスキース」と、この二人の関係性が、物語全体を貫くテーマとなっています。

読み始めはシンプルに感じるタイトルですが、物語の全てを知ったとき、その見え方が一変します

どうしてこのタイトルなんだろう?

読み終えたとき、きっと深く頷くはずです。

タイトルに込められた本当の意味を理解した瞬間、この物語が持つ温かさと切なさがより一層胸に迫り、深い余韻に包まれます。

『赤と青とエスキース』の書籍情報

物語の感動をどの形で手に入れるか、その選択肢は様々です。

あなたの読書スタイルに合った一冊を見つけるための情報をお届けします。

装丁の美しさを楽しむなら単行本、手軽さを求めるなら文庫本や電子書籍、新しい読書体験を求めるならオーディオブックがぴったりです。

単行本と文庫本の詳細

単行本は、作品の世界観を大切にしたい方におすすめの形式です。

2021年11月17日にPHP研究所から発売された単行本は、240ページにわたって物語が紡がれています。

装丁が素敵な本は紙で所有したいから、単行本も気になるな

美しい装丁は、物語を読み終えた後も本棚を彩ってくれますよ

2024年4月には待望の文庫版も発売され、より手軽に物語を楽しめるようになりました。

すぐに読める電子書籍(Kindle版)

電子書籍は、読みたいと思ったその瞬間に物語の世界へ飛び込めるのが最大の魅力です。

スマートフォンやタブレットがあれば、通勤電車の中やカフェでの休憩時間など、場所を選ばずに読書を楽しめます。

紙の書籍よりも少しお得に購入できる場合が多く、セール時にはさらにお求めやすくなることもあります。

耳で物語を体験するオーディオブック

オーディオブックは、プロのナレーターによる朗読で物語を楽しむ、新しい読書スタイルです。

AmazonのAudible版では、約5時間44分の再生時間で作品の世界に浸れます。

通勤時間を有効活用したいから、オーディオブックはぴったりかも

満員電車や家事をしながらでも、耳から物語を楽しめるのが良い点ですね

登場人物の感情が声に乗って伝わってくるため、文字で読むのとは一味違った感動を体験できます。

著者・青山美智子の他の人気作品

『赤と青とエスキース』で心を掴まれたなら、著者の青山美智子さんの他の作品もきっと好きになります。

デビュー作『木曜日にはココアを』から、2021年本屋大賞第2位の『お探し物は図書室まで』まで、人と人との温かい繋がりを描いた作品が多くあります。

どの作品も読後に心が温かくなるような、優しい物語ばかりです。

よくある質問(FAQ)

読書があまり得意ではないのですが、楽しめますか?

はい、心から楽しめます。

著者である青山美智子さんの文章はとても優しく読みやすいです。

また、物語は連作短編の形式なので、章ごとに区切りながら自分のペースで読み進められます。

読書に慣れていない方でも、きっと物語の世界に引き込まれるでしょう。

恋愛小説は少し苦手なのですが、この本は読めそうですか?

恋愛が物語の重要な要素ですが、それだけではありません。

一枚の絵画が人と人とを繋ぎ、世代を超えて想いが受け継がれていく様子を描いたヒューマンドラマです。

幅広い方が感動できる物語になっています。

結末について、ネタバレにならない範囲で教えてください

この物語の結末は、単純なハッピーエンドやバッドエンドという言葉では表現できません。

切なさの中に温かい光が感じられる、涙なしには読めない感動的な結末です。

読み終えた後、きっとあなたの心に深い余韻を残します。

この作品は映画化されていますか?

現在のところ、公式な映画化の情報はありません。

しかし、物語の美しさや感動的なストーリーから、多くの読者が映像化を望んでいます。

夏休みの読書感想文で書きやすい本を探しています

『赤と青とエスキース』は読書感想文の題材として、とてもおすすめです。

「時を超えて繋がる想い」や「芸術が人に与える影響」など、考察できるテーマが豊富にあります。

登場人物たちの生き方から何を感じたか、自分の言葉でまとめやすい作品です。

口コミでよく見る「二度読み」をすると、何が面白いのですか?

一度目に物語全体の感動を味わい、結末を知った上で読み返すと、作中に散りばめられた伏線や仕掛けに気づくからです。

登場人物の何気ない言葉や行動が全く違う意味を持って見え、物語の奥深さを再発見できます。

一度で二度おいしい、特別な読書体験が可能です。

まとめ

青山美智子さんの『赤と青とエスキース』は、一枚の絵画が時代や場所を超えて人々の想いを繋いでいく、心温まる連作短編です。

特に、物語の最後にすべての伏線が回収され、一つの大きな愛の形が明らかになる瞬間は、深い感動を呼び起こします。

この記事で物語の魅力に触れ、心が動かされたなら、ぜひ本書を手に取ってみてください。

単行本や文庫本、電子書籍など、あなたのスタイルに合った一冊で、この感動の物語を体験しましょう。

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