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【ネタバレなし】東野圭吾ブルータスの心臓のあらすじと感想|読むべきか評価レビュー

東野圭吾の『ブルータスの心臓』は、複数の人物が殺人を分担する前代未聞の完全犯罪計画「殺人リレー」の独創性が光る傑作ミステリーです。

この記事では、本作のネタバレなしのあらすじや登場人物、読者のリアルな感想からドラマ版の情報まで、読むべきか判断するために必要な情報を網羅的に解説します。

結末を知らずに、面白い本かどうかだけ知りたいんだけど…

ご安心ください。読む価値があるか、この記事だけで判断できます。

目次

野心と欲望が渦巻く傑作ミステリー「ブルータスの心臓」の魅力

『ブルータスの心臓』の最大の魅力は、前代未聞の完全犯罪計画そのものの独創性にあります。

物語は単なる謎解きに留まらず、追い詰められた人間たちの醜い本性を容赦なく描き出します。

これから、本作が多くの読者を惹きつけてやまない4つの魅力について、詳しく解説します。

前代未聞の完全犯罪計画「殺人リレー」の独創性

本作の核となるのは、複数の人物がリレー形式で殺人を実行する「殺人リレー」という計画です。

これは、それぞれの人物が別々の場所と時間で犯行の一部を担うことで、全員に鉄壁のアリバイを作り出すという驚くべきトリックになります。

登場人物たちは、自身の輝かしい未来を手に入れるため、邪魔な存在である一人の女性を消すという共通の目的で結託します。

しかし、たった一つの綻びが、完璧に見えた計画を根底から揺るがしていくのです。

完全犯罪なんて本当に成功するの?

計画の脆さや人間関係の危うさこそが、この物語のスリルを生む鍵となっています。

この独創的な設定が、誰が裏切るかわからない緊張感と、先の読めない展開を生み出し、読者を物語の世界へ強く引き込みます。

エリートたちの醜い本性が暴かれるリアルな心理描写

物語に登場するのは、大手企業に勤めるエリートたちです。

彼らは社会的地位や約束された未来を守るという、極めて自己中心的な動機から罪を犯す決意をします。

特に主人公の末永拓也は、最先端のロボット開発を手掛ける有能な技術者でありながら、野望のためには手段を選ばない冷徹な一面を持っています。

愛人である雨宮康子の妊娠が発覚したことで、彼は自身のキャリアが脅かされることを恐れ、殺人計画に加担するのです。

エリートなのに、どうしてそんな酷いことを…

誰もが心の内に秘めているかもしれない、人間の黒い部分を描いているからこそ強く惹きつけられます。

登場人物たちが抱える葛藤や焦り、そしてむき出しの欲望が生々しく描かれており、単なる犯人当てのミステリーではない、深い人間ドラマとしての面白さを与えています。

散りばめられた伏線と読者を欺く衝撃の結末

東野圭吾作品の醍醐味である、巧妙に仕掛けられた伏線と鮮やかな結末は、この『ブルータスの心臓』でも健在です。

物語の序盤から何気ない会話や登場人物の行動のなかに、真相へと繋がる重要なヒントが隠されています。

すべてのピースが一つに繋がったときに明らかになる真相は、多くの読者の予想を鮮やかに裏切るでしょう。

犯人や動機を知ったとき、物語をもう一度最初から読み返したくなること間違いありません。

結末が気になるけど、ネタバレは絶対に見たくない…

ご安心ください。最後の1ページまで騙される快感を、ぜひご自身の目で確かめてほしいです。

緻密に計算されたプロットと驚きの結末がもたらすカタルシスは、ミステリー小説の面白さを存分に味あわせてくれます。

東野圭吾の初期作品ならではの鋭さと展開の速さ

本作は1989年に刊行された、東野圭吾さんのキャリアのなかでも初期の長編ミステリーです。

そのため、近年の作品とは少し異なり、複雑な人間ドラマよりも、奇抜なトリックやプロットで読者を惹きつける構成が特徴となっています。

無駄な描写が少なく、物語は常にスピーディーに展開していきます。

読書メーターでは1,300件以上の感想が寄せられており、時代を超えて多くの読者に愛されていることがわかります。

昔の作品って、今読んでも楽しめるのかな?

全く色褪せない面白さがあり、後の傑作群に繋がる東野圭吾さんの原石のような魅力が詰まっています。

テンポの良い展開はページをめくる手を止めさせず、普段あまり読書をしない人でも一気に読み終えることができるでしょう。

ネタバレなしで知る物語のあらすじと主要登場人物

物語を深く楽しむためには、その世界観を形作る登場人物たちの関係性を知ることが欠かせません。

この章では、物語の核となるあらすじと、それぞれの思惑を胸に秘めた主要な登場人物たちを紹介します。

彼らが織りなす人間模様が、予測不能なサスペンスを生み出します。

それぞれの人物像を知ることで、物語への没入感がいっそう深まるでしょう。

輝かしい未来を揺るがす一本の電話から始まる物語

本作のあらすじは、産業用ロボット開発の最前線で働く主人公・末永拓也が、会社専務の娘との結婚を目前に控えている場面から始まります。

しかし、彼の愛人である雨宮康子が妊娠を告げたことで、その輝かしい未来は一転して崩壊の危機に瀕します。

拓也と同じように康子の存在を疎ましく思う上司や同僚たちと、前代未聞の完全犯罪「殺人リレー」を実行に移すことを決意します。

これは、複数の人物がリレー形式で殺害に関与することで、全員のアリバイを成立させるという大胆な計画です。

完全犯罪って、本当に成功するのかな?

計画の行方にこそ、この物語の面白さが詰まっています

緻密に練られたはずの計画が、思わぬ方向へと転がっていきます。

登場人物たちの野心と欲望が渦巻く中で、物語は息もつかせぬ展開を見せるのです。

主人公のロボット開発者「末永拓也」

物語の主人公である末永拓也は、MM重工に勤務する野心あふれるロボット開発者です。

彼は自身のキャリアと将来のため、会社の権力者に取り入ることに長けています。

会社専務の娘との結婚により、約束された出世コースを歩もうとしていた矢先、愛人・康子の妊娠という最大の障害に直面します。

自身の未来を守るため、彼は非情な決断を下し、殺人リレー計画への参加を決めるのです。

将来への野心と、罪悪感との間で揺れ動く彼の心理描写が、物語に緊張感と深みを与えています。

計画の標的となる謎多き愛人「雨宮康子」

物語の中心で、殺人計画の標的となる女性が雨宮康子です。

彼女は拓也と同じMM重工の役員室に勤務しており、複数の男性社員と関係を持っている謎めいた存在として描かれます。

なぜ彼女は複数の男たちから同時に命を狙われることになったのでしょうか。

彼女の存在そのものが、この物語における最大の謎の一つといえます。

単なる被害者という言葉では片付けられない、複雑な背景を持つ人物です。

彼女が抱える秘密が明らかになるにつれて、殺人リレー計画は思いもよらない方向へと進んでいきます。

殺人計画の発案者である上司「仁科直樹」

この大胆不敵な「殺人リレー」を考案したのが、主人公・拓也の上司である仁科直樹です。

彼はMM重工専務の息子というエリートであり、冷静沈着で頭脳明晰な人物として登場します。

彼もまた雨宮康子の存在を邪魔に感じており、自身の立場を守るために完全犯罪を計画します。

その冷徹な思考と行動力で、彼は拓也たちを巧みに計画へと引き込んでいくのです。

物語のトリックスターともいえる彼の存在が、サスペンスを一層盛り上げます。

事件の真相を追う警視庁の刑事「佐山総一」

拓也たちが企てる完全犯罪に「待った」をかけるのが、警視庁捜査一課の刑事・佐山総一です。

彼は一見すると平凡な刑事ですが、鋭い観察眼と粘り強い捜査で事件の真相に迫っていきます。

彼の登場によって、物語は本格的なミステリーとして色合いを濃くします

完璧に見えた殺人リレー計画のアリバイに、彼は少しずつ疑問を抱き、拓也たちを精神的に追い詰めていくのです。

刑事が出てくると、一気に話が動きそうでワクワクする!

彼の粘り強い捜査が、登場人物たちを追い詰めていきます

佐山刑事の視点を通して、読者は事件の裏に隠された真実へと導かれていきます。

彼の捜査の行方が、物語の結末を大きく左右する鍵となるのです。

読むべきか判断するための読者の感想と評価レビュー

購入を迷っている方にとって、一番気になるのは実際に読んだ人の生の声です。

作品選びで失敗したくないあなたのために、読者から寄せられた様々な感想や評価レビューをまとめました。

ポジティブな意見が多い一方で、登場人物のキャラクター性から好みが分かれる側面もあるようです。

「一気読み必至」スリルと緊張感への高評価

読者の感想で特に目立つのが、物語のスリリングな展開に対する高評価です。

「殺人リレー」という前代未聞の計画が果たして成功するのか、誰かが裏切るのではないかという緊張感が全編にわたって持続します。

息つく暇もない展開の速さから、「面白くて一晩で読み終えてしまった」「ページをめくる手が止まらなかった」という声が多数寄せられています。

特に物語の中盤以降、計画に綻びが見え始める場面は必見です。

途中で飽きることなく、最後まで楽しめますか?

はい、スピーディーな展開なので最後まで集中して読めますよ

日常を忘れて物語の世界に没頭したい方にとって、このスピード感は大きな魅力になります。

「人間の黒い部分が面白い」という口コミ

この作品のもう一つの魅力は、登場人物たちの赤裸々な心理描写です。

エリートでありながら、自らの野心や保身のためなら殺人さえ厭わない、人間の醜い部分がリアルに描かれています。

読者からは、「登場人物の誰にも共感できないのに、なぜか引き込まれる」「人間の黒い欲望がここまで書かれていると、むしろ清々しい」といった感想が見られます。

きれいごとではない、人間の本質に迫る物語が好きな方にはたまらない内容です。

ただの犯人当てミステリーとは違うのですか?

はい、人間の欲望が渦巻く重厚な人間ドラマとしても楽しめます

完全犯罪を企てる彼らの焦りや葛藤を通じて、人間の心の奥深くに潜む闇を垣間見ることができます。

「結末に驚いた」トリックやどんでん返しへの声

東野圭吾作品の醍醐味といえば、巧みなトリックと読者の予想を裏切るどんでん返しです。

『ブルータスの心臓』も例外ではありません。

物語の随所に張り巡らされた伏線が、ラストですべて繋がったときの衝撃は格別です。

多くの読者が「犯人や動機にまったく気づかなかった」「最後の1行で鳥肌が立った」と、その鮮やかな結末を絶賛しています。

ミステリー初心者でも伏線を楽しめますか?

もちろんです、読み返して伏線を探すのも一興ですよ

この「してやられた」という爽快感こそが、多くのミステリーファンを惹きつけてやまない理由なのです。

「登場人物に共感できない」という一部の意見

高い評価を得ている一方で、登場人物の誰にも感情移入できなかったという意見も一部に見られます。

主人公の末永拓也をはじめ、登場人物のほとんどが自己中心的な野心家として描かれています。

そのため、読者によっては「キャラクターが好きになれない」「後味が悪い」と感じることもあるようです。

感情移入できないと、物語を楽しめないでしょうか?

客観的な視点で、彼らが破滅へ向かう様を観察する面白さがあります

これは、人間の醜さを徹底的に描くという作品の性質上、避けられない評価と言えます。

登場人物への共感を重視する方よりも、物語の構成やトリックの巧妙さを楽しみたい方に向いている作品です。

作品の基本情報と藤原竜也主演のドラマ版

『ブルータスの心臓』は小説としてだけでなく、映像作品としても楽しむことができます。

特に、豪華キャストで話題となったテレビドラマ版は必見です。

原作小説とドラマ版、それぞれの基本情報を確認していきましょう。

原作を読んでからドラマを観る、あるいはドラマを観てから原作を手に取るなど、どちらからでも作品の世界観に深く入り込めます。

光文社文庫から発売中の原作小説

原作小説は、光文社文庫から発売されています。

東野圭吾さんの初期の作品の一つとして、長年にわたり多くの読者に愛され続けている一冊です。

1989年にカッパ・ノベルスから単行本が刊行され、その後1993年に文庫化されました。

さらに2020年には新装版が発売されたため、現在の書店でも見つけやすくなっています。

新装版の登場により、刊行から年月が経った今でも気軽に手に取れるのは嬉しいポイントです。

2011年にフジテレビ系列で放送されたドラマ

この作品は、2011年6月17日にフジテレビ系列で「東野圭吾3週連続スペシャル」の第2弾としてテレビドラマ化されました。

原作の持つ緊張感を、実力派俳優たちの演技で見事に表現しています。

放送当時は注目度も高く、平均視聴率は16.1%を記録しました。

多くの人が、この完全犯罪計画の行方を見守ったことがわかります。

ドラマも作られていたんですね

はい、人気の高さがうかがえますね

小説とは一味違う、視覚的なスリルとサスペンスを味わうことができるでしょう。

主演の藤原竜也をはじめとする豪華な出演者たち

ドラマ版の大きな魅力は、その豪華なキャスト陣にあります。

主人公の末永拓也役を演じたのは、鬼気迫る演技に定評のある藤原竜也さんです。

物語の鍵を握る雨宮康子役の内山理名さん、仁科直樹役の袴田吉彦さんをはじめ、加藤あいさんや芦名星さんなど、物語の世界観を深める俳優陣が脇を固めています

俳優たちの熱演によって、登場人物たちが抱える野心や焦りといった感情がより生々しく伝わってきます。

原作ファンも楽しめる映像化の見どころ

すでに原作を読んだ方でも、ドラマ版は新鮮な気持ちで楽しめます。

小説の文字から想像していた登場人物たちの表情や声、犯行現場の情景が映像によって具体的に表現されるからです。

原作の持つスリリングな展開はそのままに、約2時間という放送枠の中でテンポよく物語が再構成されています。

そのため、物語の核心を知っていても飽きさせない工夫が凝らされているのです。

原作とドラマ、どっちを先に見るのがおすすめですか?

まずは原作で物語の奥深さを味わい、その後ドラマで答え合わせのように楽しむのがおすすめです

小説で描かれたトリックや心理描写が、映像でどのように表現されているのかを確かめるのも面白い鑑賞方法です。

よくある質問(FAQ)

ミステリー初心者でも楽しめますか?

はい、ミステリーを読み慣れていない方でも十分に楽しめます。

『ブルータスの心臓』は、物語の展開が非常にスピーディーで、複雑な人間関係よりも「殺人リレー」という計画そのものの面白さに焦点が当たっています。

そのため、難しいトリックの解説に悩むことなく、スリルあふれる物語に没頭できます。

登場人物の相関図のようなものはありますか?

公式の相関図はありませんが、物語の中心となる登場人物は限られています。

主人公の末永拓也と、彼と同じ会社に勤める上司や同僚、そして彼らが標的とする雨宮康子といった関係性を押さえておけば、物語を理解する上で全く問題ないです。

読み進めるうちに、それぞれの関係性は自然と頭に入ってきます。

原作とドラマ版の大きな違いは何ですか?

一番の違いは、物語の表現方法です。

原作小説は登場人物の心理描写が巧みで、内面の葛藤を深く味わえます。

一方、藤原竜也さん主演のドラマ版は、約2時間の映像作品としてテンポよく再構成されており、視覚的なスリルと俳優たちの迫真の演技が魅力となっています。

物語の核となる部分は共通していますが、それぞれ異なる楽しみ方ができます。

同じ東野圭吾さんの作品と比べて、どんな特徴がありますか?

この作品は、東野圭吾さんのキャリアの中でも初期のものです。

そのため、後の作品に見られるような深い社会性や人間ドラマというよりは、完全犯罪という奇抜なアイデアと、読者を驚かせるトリックに重点が置かれています。

エンターテインメント性が高く、ジェットコースターのような展開を楽しみたい方には特におすすめです。

文庫の新装版と旧版で内容は違うのでしょうか?

2020年に発売された光文社文庫の新装版は、表紙のデザインが一新されていますが、物語の本編に旧版との違いはありません。

どちらを手に取っていただいても、同じ結末とトリックを体験することが可能です。

書店で手に入りやすいのは、新しいデザインの新装版になります。

読後感はすっきりしますか?後味が悪いという評価が気になります。

この物語は、人間の醜い欲望を容赦なく描いているため、登場人物の誰にも共感できず、後味が悪いと感じる方がいるのは事実です。

しかし、ミステリーとしては非常に秀逸な構成になっており、散りばめられた伏線が最後にすべて繋がる結末は見事です。

謎が解ける爽快感を重視する方なら、間違いなく満足できる一冊となります。

まとめ

この記事では、東野圭吾さんの傑作ミステリー『ブルータスの心臓』について、ネタバレを一切含まないあらすじや登場人物、読者の感想を解説しました。

複数の人物が殺人を分担する前代未聞の「殺人リレー」という完全犯罪計画が、物語に強烈なスリルと緊張感を与えています。

登場人物たちの野心と欲望が渦巻く、息もつかせぬ物語があなたを待っています。

この記事で興味を持たれたなら、ぜひ『ブルータスの心臓』を手に取り、完璧に見えた計画が崩れていくスリルと衝撃の結末を体験してください。

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