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東野圭吾の十字屋敷のピエロ|ネタバレなしのあらすじと感想レビュー

東野圭吾さんの初期作品『十字屋敷のピエロ』の最大の魅力は、言葉を話さないピエロ人形が事件の目撃者となるユニークな設定にあります。

この記事を読めば、犯人や結末のネタバレを心配することなく、あらすじや登場人物、読者からのリアルな感想を知ることが可能です。

あなたが『十字屋敷のピエロ』を楽しむべきかどうかがはっきりとわかります

ネタバレを見ずに、面白いかだけ知りたいな

この記事だけで、ネタバレなしに作品の魅力や評価がわかります

目次

東野圭吾の初期作品『十字屋敷のピエロ』の概要

『十字屋敷のピエロ』の最大の魅力は、言葉を話さないピエロ人形が事件の目撃者となるユニークな設定です。

王道の「館ミステリー」の面白さに、この斬新な視点が加わることで、他にはない特別な読書体験が生まれます。

この章では、物語の基本的な情報や、ネタバレなしのあらすじをご紹介します。

作品の持つ独特な雰囲気を知ることで、あなたがこの物語に引き込まれるかどうかがわかります。

物語の舞台となる不気味な洋館「十字屋敷」

物語の舞台は、その名の通り上から見ると十字架の形をしている不気味な洋館「十字屋敷」です。

外部から遮断されたこの屋敷は、登場人物たちの疑念や恐怖が増幅される閉鎖空間として機能します。

資産家である竹宮一族が住むこの屋敷で、最初の事件は起こります。

古い洋館ならではの薄暗く謎めいた雰囲気が、読者をミステリーの世界へと深く引き込んでいきます。

閉ざされた洋館って、ミステリーの定番だけどワクワクするな

王道のクローズドサークルミステリーを存分に楽しめますよ

閉ざされた空間で次々と起こる事件に、登場人物だけでなく読者も一緒に翻弄される感覚を味わえます。

言葉を話さない目撃者「ピエロ人形」

本作におけるピエロ人形は、単なる飾りではありません。

人間ではない無機質な視点から事件のすべてを目撃する語り部という、極めて重要な役割を担います。

このピエロの視点が挟まれることで、物語に独特の不気味さと客観性が生まれます。

人間の登場人物たちが気づかない細部や、感情に左右されない事実の断片が示されるため、読者は「一体何が真実なのか」と、より深く物語の謎にのめり込むことになります。

人形が語り手って、どういうこと?ちょっと想像がつかない

そのユニークな視点こそが、本作最大の魅力の一つなんです

感情を排したピエロの描写が、人間の感情的なやり取りと対比され、物語に奥行きを与えています。

ネタバレなしでわかる物語のあらすじ

ご安心ください。

ここでは犯人やトリック、事件の結末といった核心部分には一切触れず、物語の導入部のみをご紹介します。

資産家・竹宮家の屋敷に運び込まれた一体のピエロ人形。

その夜、一族の女社長が屋敷内で謎の転落死を遂げます。

その瞬間を目撃していたのは、言葉を話すことができないピエロ人形だけでした。

叔母の死の真相を探るため屋敷を訪れた姪の水穂の目の前で、今度は当主が殺害される第二の事件が発生します。

これなら安心して読める!どんな展開になるんだろう?

次々と起こる事件の謎に、きっと引き込まれていきますよ

「生き残っている者の中に犯人がいる」という極限状況の中、探偵役の水穂がどのように真相に迫っていくのかが見どころです。

1988年発表の古典的館ミステリー

本作は、今や国民的作家である東野圭吾さんによって、キャリアの初期にあたる1988年12月に発表された作品です。

携帯電話やインターネットが普及する前の時代設定が、古典的な館ミステリーの雰囲気を一層引き立てています。

『十字屋敷のピエロ』は講談社ノベルスとして刊行されて以来、多くの読者に愛され続けてきました。

書評サイト「読書メーター」では、2024年時点で1,300件を超える感想レビューが寄せられています。

昔の作品だと、ちょっと古くさく感じないかな?

その時代ならではの雰囲気が、逆に新鮮な読書体験をもたらしてくれます

後の洗練された作風とは異なる、荒削りながらもアイデアの熱量に満ちた初期作品ならではの魅力を楽しめます。

『十字屋敷のピエロ』を彩る主要登場人物の相関図

この物語の深みは、閉ざされた洋館で交錯する登場人物たちの複雑な人間関係から生まれます。

誰が味方で誰が敵なのか、それぞれの思惑が絡み合う様子こそが、最大の読みどころです。

この4人を中心に、愛憎渦巻く人間ドラマが繰り広げられていきます。

彼らの関係性を頭に入れておくと、物語をより一層楽しめます。

叔母の死の真相を探る主人公・竹宮水穂

竹宮水穂は、物語の読者と同じ視点に立ち、事件の謎を追う探偵役です。

彼女の行動や推理を通して、物語の真相に迫っていきます。

叔母の死の真相を突き止めるため、25歳でオーストラリアから急遽帰国します。

強い意志と行動力で、閉鎖的な竹宮家の謎に挑む姿は、読者を物語の世界へぐいぐい引き込みます。

この人が探偵役なんですね。感情移入できそう。

はい、水穂の強い意志が、停滞した屋敷の空気をかき乱していきます。

外部から来た彼女の視点が、屋敷に潜む異常さを浮き彫りにするのです。

恨みを買い殺害される当主・竹宮宗彦

竹宮宗彦は、物語の発端となる第二の殺人事件の被害者であり、竹宮家の闇を象徴する人物です。

竹宮産業の三代目社長として君臨していますが、その傲慢な振る舞いから、非常に多くの人間から恨みを買っていました

彼の死によって、登場人物たちの隠された動機が少しずつ明らかになっていきます。

いかにも怪しい人が早々に退場するパターンですね。

ええ、だからこそ「誰が殺したのか?」という謎が深まる構成になっています。

彼が生前に誰とどのような関係を築いていたのかが、事件を解く重要な鍵となります。

物語に影を落とす車椅子の娘・竹宮佳織

竹宮佳織は、当主・宗彦の一人娘で、その存在自体が物語にミステリアスな雰囲気を与えています。

生まれつき足が不自由で、人生の大半を車椅子で過ごしています

屋敷の中で静かに暮らす彼女が何を見て、何を感じているのかは、大きな謎の一つです。

この子は何か知っていそう…気になります。

彼女の存在が、物語に儚さと緊張感の両方をもたらしているんです。

言葉少ない彼女の存在が、事件の背景に潜む人間関係の歪みを暗示しています。

事件を見つめる下宿人・青江仁一

青江仁一は、竹宮家とは直接的な血縁関係がない下宿人という、特殊な立場の人物です。

大学院生である彼は、竹宮家の内情から一歩引いた場所にいるため、主人公・水穂にとって数少ない協力者となり得ます。

彼の客観的な視点が、水穂の推理を手助けすることになります。

部外者がいると、話がわかりやすくなりそうですね。

まさしく、読者が状況を整理する上で重要な役割を担ってくれる人物です。

一族の複雑な事情に縛られない彼が、事件の真相にどう関わっていくのかにも注目です。

読書メーターの感想レビューで見る作品の評判

『十字屋敷のピエロ』の評価を理解する上で、実際に読んだ人の生の声が最も参考になります

国内最大級の読書コミュニティサイトである読書メーターには1,300件以上の感想が集まっており、その多くが作品の独特な魅力を語っています。

このように、良い評価とそうでない評価の両方を知ることで、作品が自分に合うかどうかを判断しやすくなります。

これから各ポイントを詳しく見ていきましょう。

面白い点1-ピエロの視点が斬新でユニーク

本作の最大の特徴は、事件の目撃者であるピエロ人形の視点で物語の一部が語られることです。

人間ではない無機質な存在が見たままを淡々と描写することで、独特の不気味さと読者の想像力を掻き立てる効果を生み出します。

殺人事件という緊迫した状況を、感情を持たないピエロが記録していく手法は、1988年の発表当時、ミステリー界において画期的な試みでした

この人間とは異なる視点があることで、物語に多層的な深みを与えています。

ピエロの視点って、ずっとそれが続くの?

いえ、主人公である竹宮水穂の視点と交互に進むので、物語に入り込みやすいですよ。

登場人物の心理描写と、ピエロによる客観的な情景描写が交錯することで、読者は事件の真相に一歩ずつ近づいていく感覚を味わえます。

面白い点2-王道のクローズドサークルが楽しめる

クローズドサークルとは、嵐の山荘や孤島のように、外部との往来が断たれた状況で事件が発生するミステリーの定番設定を指します。

本作の舞台である「十字屋敷」も、犯人が内部にいると確信させる閉鎖空間となります。

資産家一族の複雑な人間関係、遺産をめぐる確執、そして次々と起こる殺人。

容疑者は屋敷にいる全員という状況は、読者に「次は誰が」「犯人は誰だ」という緊張感と謎解きの醍醐味を存分に提供してくれます。

登場人物が多くて複雑そうだけど、大丈夫かな?

相関図を頭に描きながら読むと、それぞれの関係性や動機が整理できて面白いですよ。

古き良き「館ミステリー」の雰囲気が好きな方にとって、本作はたまらない一冊となるでしょう。

面白い点3-東野圭吾の初期作品ならではの熱量

『十字屋敷のピエロ』は、東野圭吾さんが作家としてデビューしてから4年目に発表された初期の作品です。

そのため、後の洗練された作風とは異なる、荒削りながらも熱い情熱が文章から伝わってきます。

例えば、トリックの奇抜さや物語の構成に、新しいミステリーを生み出そうとする作者の野心的な挑戦が感じられます。

近年の作品から東野圭吾さんのファンになった方にとっては、そのルーツに触れる新鮮な読書体験となるはずです。

最近の作品と、どれくらい作風が違うの?

社会問題を扱うというよりは、トリックや設定の面白さに重点を置いた本格ミステリーの色が濃いですね。

この作品には、国民的作家になる前の、若き日の東野圭吾さんの才能の片鱗が随所に散りばめられています。

合わないという意見-描写やトリックの古さ

一方で、面白いという感想ばかりではありません。

一部の読者からは、作品の発表年である1980年代の時代感が合わなかったという意見も見られます。

例えば、作中に登場する通信手段がダイヤル式の黒電話であったり、登場人物の会話や価値観に現代とのギャップを感じる部分があります

また、ミステリーのトリックに関しても、現代の科学技術を前提にすると、少し素朴に感じられるかもしれません。

面白くないってこと…?

いえ、時代背景を含めて楽しめる方にとっては、むしろ味わい深いと感じるポイントです。

最新のミステリーのようなスピーディーな展開や、現代的な設定を期待して読むと、少し物足りなさを感じる可能性があります。

『十字屋敷のピエロ』を手に入れるための書籍情報

『十字屋敷のピエロ』は、いくつかの形態で出版されており、あなたの読書スタイルに合わせて最適な一冊を選べるのが魅力です。

現在手に入る主な選択肢を比較し、それぞれの特徴を理解していきましょう。

どの形態で読んでも、作品が持つ独特の雰囲気や謎解きの面白さは変わりません。

ご自身のライフスタイルや読書の好みに合わせて、手に取ってみてください。

手軽に読める講談社文庫版

現在、最も手に入りやすいのが1992年に発売された講談社文庫版です。

手頃な価格とコンパクトなサイズで持ち運びやすいのが最大の利点といえます。

読書メーターによると文庫版は334ページと読み応えがありながら、7900人以上が登録している人気の高さがうかがえます。

まずはこの作品に触れてみたいと考える方にとって、間違いのない選択となる一冊です。

中古でも手に入るかな?

はい、発売から時間が経っているため、古書店やオンラインマーケットでも見つけやすいですよ。

初めて『十字屋敷のピエロ』を読む方であれば、この講談社文庫版から手に取るのがおすすめです。

2025年12月発売予定の新装版

長年のファンにとって待望のニュースが、新装版の刊行です。

新たなデザインで蘇る『十字屋敷のピエロ』は、すでに作品を読んだファンにとっても見逃せない一冊になるでしょう。

講談社文庫から2024年12月13日に発売予定で、これまでの文庫版とは異なる装丁で登場します。

東野圭吾さんの初期作品を、新しい形で本棚に迎え入れる良い機会になります。

新装版って、内容も変わるの?

通常、新装版は表紙デザインの変更が主で、本文の内容は変わりません。

コレクションアイテムとして、また再読のきっかけとして、新しい魅力をまとった新装版の発売を心待ちにしましょう。

スキマ時間に便利な電子書籍

通勤時間や少しの待ち時間も読書にあてたいあなたには、電子書籍が最適です。

スマートフォンやタブレットがあれば、いつでもどこでも物語の世界に没入できます

Kindleや楽天Koboなどの電子書籍ストアで購入すれば、購入後すぐにダウンロードして読み始められるのも嬉しいポイントです。

かさばる本を持ち歩く必要がなく、他の本と合わせて1台の端末で管理できる手軽さは、多忙な日々の強い味方になります。

気になった部分をすぐに探し出せるのは便利だね。

はい、登場人物の名前や伏線を後から確認したい時に役立ちます。

荷物を増やさずに、スキマ時間を有効活用して読書を進めたい方にとって、電子書籍は最高のパートナーです。

じっくり世界に浸る紙の書籍

休日にカフェでくつろいだり、自室で集中したりして読書を楽しみたいなら、やはり紙の書籍がおすすめです。

ページをめくる感触やインクの香りなど、五感で楽しむ読書体験は、紙ならではの特別な時間をもたらしてくれます。

1冊の本と向き合う時間は、デジタルデバイスの通知から解放されるデジタルデトックスにも繋がり、物語への集中力を高めてくれるでしょう。

読み終えた本を本棚に並べ、背表紙を眺める瞬間に満たされる感覚も、紙の書籍が持つ魅力の一つです。

読み終わった本を本棚に並べるのも好きなんです。

コレクションする喜びは紙の書籍ならではの魅力ですね。

物語の世界観にじっくりと浸りたい方や、お気に入りの一冊をモノとして手元に置いておきたい方には、紙の書籍を選ぶことをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

東野圭吾さんの他のミステリーと比べて、どんな特徴がありますか?

著者のキャリア初期作品であり、社会派ミステリーというよりは、トリックや設定の奇抜さに重点を置いた本格ミステリーの色が濃いのが特徴です。

特に、事件の目撃者であるピエロ人形が語り手となるユニークな構成は、他の作品ではなかなか味わえない魅力といえます。

『十字屋敷のピエロ』は面白くないという感想も見かけますが、どんな人に向いていないですか?

本作は1980年代に発表されたため、現代の科学技術やスピーディーな展開を求める方には、少し古風に感じられるかもしれません。

また、登場人物たちの会話や価値観に当時の時代性を強く感じる部分があるので、そうした雰囲気が苦手な方には合わない可能性があります。

犯人や結末のネタバレなしで、物語の読みどころを教えてください。

連続殺人の謎を追う探偵役・竹宮水穂が、閉鎖された屋敷の中で一族の秘密に迫っていく過程が見どころです。

登場人物全員が怪しく見え、誰の言葉を信じればよいのか分からなくなる心理的な緊張感が続きます。

犯人の動機や隠された伏線が明らかになる結末まで、目が離せない展開を楽しめます。

登場人物の相関図が複雑そうで、物語についていけるか心配です。

ご安心ください。

主要な登場人物の数は限られています。

主人公の竹宮水穂の視点を中心に物語を追いかけることで、資産家一族の人間関係も自然と頭に入ってきます。

誰が味方で誰が敵なのか、彼らの過去に何があったのかを考察することも、このミステリーの大きな楽しみの一つです。

文庫版と2024年12月発売の新装版で、内容に違いはありますか?

新装版は主に表紙のデザインが一新されるもので、物語の本文自体はこれまでの講談社文庫版と変わりありません。

どちらを読んでも、作品の持つ独特な読後感を同じように体験できます。

新しい装丁でコレクションしたい方は、新装版の発売日を待つのも良い選択です。

読書メーターでの評価や、伏線の難易度はどうですか?

読書メーターでは、斬新な設定や王道の館ミステリーとして楽しめる点が高く評価されています。

レビューを参考にすると良いでしょう。

伏線は物語の随所に巧みに散りばめられており、一度読んだだけではすべてに気づくのは難しいかもしれません。

だからこそ、読み終えた後に「あの描写が!」と驚く楽しみがあります。

まとめ

この記事では、東野圭吾さんの初期作品『十字屋敷のピエロ』の魅力を、ネタバレを一切含まずに解説しました。

この物語の面白さの核は、言葉を話さないピエロ人形が事件のすべてを目撃する語り部となる、その斬新な設定にあります。

この記事を参考に、あなたが『十字屋敷のピエロ』の世界を楽しむべきか、ぜひ判断してみてください。

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