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【ネタバレなし】貴志祐介『鍵のかかった部屋』のあらすじとシリーズを読む順番

うっかり結末を知ってしまい、がっかりした経験はありませんか。

この記事で紹介する貴志祐介の小説『鍵のかかった部屋』は、ネタバレを気にせず純粋な謎解きだけに没頭できる本格ミSTEリーです。

本作のあらすじや魅力はもちろん、シリーズを読むおすすめの順番、大野智さん主演ドラマとの違いまで、これから作品を楽しむために知りたい情報をわかりやすく解説します。

面白いミステリーを読みたいけど、買って後悔したくない…

管理人

物理学に基づいた緻密なトリックで、最後まで飽きさせません

目次

ネタバレを気にせず没頭できる本格ミステリー小説『鍵のかかった部屋』

面白いミステリーを読みたいけれど、うっかり結末を知ってしまって楽しめなかった経験はありませんか。

この小説は、そんな心配をせずに純粋な謎解きだけに没頭できる本格ミステリーです。

読者を裏切らない緻密な論理で構成されているため、安心して物語の世界に入り込めます。

貴志祐介による「防犯探偵・榎本シリーズ」の第3作にあたり、密室で起きた事件のみを専門に扱っています。

物理学に基づいた緻密な密室トリックの謎解き

本作で描かれる密室トリックは、超常現象や偶然に頼ったものではなく、すべて物理学的に実現可能なものだけが採用されています。

そのため、読者は登場人物たちと同じ目線で、現実的な手がかりを元に論理的に推理を進める体験が可能です。

作中には4つの密室事件が収録されており、どの事件も「どうやって犯行を成し遂げたのか」という方法に焦点が当てられています。

ファンタジーのような非現実的な展開はなく、あくまでロジックで謎が解明されていく様子は圧巻です。

トリックが複雑で、途中でついていけなくならないかな?

管理人

大丈夫です。主人公が丁寧に解説してくれるので、ミステリー初心者の方でも楽しめますよ

緻密に計算され尽くしたトリックが、ひとつひとつ解き明かされていく瞬間の知的興奮は、本作ならではの醍醐味といえます。

謎多き防犯探偵と真面目な弁護士の魅力的なコンビ

物語を動かすのは、防犯コンサルタントでありながら泥棒としての知識と技術を持つ謎の男・榎本径と、生真面目な若手弁護士・青砥純子の二人です。

この対照的なコンビの掛け合いが、物語に軽快なテンポとユーモアをもたらします。

密室の謎を解くことに異常なまでの執着を見せる榎本と、常識的な視点から彼にツッコミを入れる純子。

専門的で難解になりがちなトリックの解説も、二人の会話を通して語られることで、読者にとって分かりやすい内容になっています。

この魅力的なコンビの存在が、物語をより一層引き立てています。

1話完結の短編集で気軽に楽しめる構成

本書は、4つの独立した事件を収録した1話完結の短編集です。

長編小説のように「読み終えるまでに時間がかかる」という負担がなく、1編ずつ自分のペースで読み進めることができます。

収録されている4つの物語はそれぞれが独立しているため、どの話から読んでも問題ありません。

平日の夜や休日のちょっとした空き時間に、質の高いミステリーの世界に浸るには最適な構成です。

忙しい毎日でも、少しずつ読み進められるかな?

管理人

1話が短いので、寝る前の30分や通勤時間など、隙間時間での読書にぴったりですよ

忙しい毎日を送る中でも、気軽に本格ミステリーの世界を楽しめる手軽さが大きな魅力です。

著者・貴志祐介が描くミステリーの世界観

著者の貴志祐介は、『黒い家』や『悪の教典』といった作品で知られ、人間の心の内に潜む恐怖を描き出すことに定評のある作家です。

その作風はホラーやサスペンスの印象が強いですが、本作ではその卓越した構成力を論理的な謎解きへと注ぎ込んでいます。

人間の狂気や社会の闇といったテーマを扱いながらも、中心にあるのはあくまでフェアな謎解きです。

著者の持ち味である人間心理の深い描写と、ロジカルなミステリーが見事に融合し、独特の世界観を作り上げています。

貴志祐介作品のファンはもちろん、本作で初めて触れる読者も引き込まれること間違いありません。

ネタバレなしで知る小説『鍵のかかった部屋』のあらすじ

本作は4つの独立した密室事件を収録した短編集であり、純粋な謎解きに集中できる点が最大の魅力です。

物理学に基づいた緻密なトリックが使われており、ファンタジーや偶然に頼らない本格ミステリーが楽しめます。

どの物語も「どうやって犯行は行われたのか?」というトリックの解明に焦点が当てられており、読者は探偵と一緒に論理の迷宮に挑戦できます。

収録作品1 佇む男

物語は、人里離れた山荘で発見された葬儀会社社長の遺体から始まります。

警察は状況から自殺と判断しますが、そこには不審な点が残されていました。

社長の顧問司法書士は、事件の再調査を防犯コンサルタントの榎本径と弁護士の青砥純子に依頼します。

現場は完全な密室状態であり、外部から侵入した形跡は一切ありません。

自殺だとしたら、何でわざわざ依頼するんだろう?

管理人

自殺に見せかけた巧妙な殺人だと疑っているからです。

榎本と純子は、残されたわずかな痕跡から、常識では考えられない密室の謎に挑んでいきます。

収録作品2 鍵のかかった部屋

表題作でもある「鍵のかかった部屋」は、元泥棒の会田愛一郎が遭遇した不可解な事件です。

彼は、訪ねたアパートの一室で、甥が練炭自殺で死亡しているのを発見しました。

部屋のドアには内側から鍵とチェーンがかけられ、さらに隙間にはビニールテープで目張りがされていました。

これは誰が見ても完璧な密室自殺の状況です。

元泥棒が主人公なの?

管理人

この元泥棒が依頼人となり、主人公の榎本に調査を依頼します。

しかし、泥棒としての知識を持つ会田は、この完璧すぎる状況に違和感を覚えます。

彼は榎本に調査を依頼し、事件の裏に隠された驚くべき真相へと迫っていきます。

収録作品3 歪んだ箱

舞台は、施工不良が原因で傾いてしまった「欠陥住宅」です。

物語は、この家の持ち主である高校教師・杉崎が、工務店の社長を殺害する場面から始まります。

杉崎は、社長の死を地震による事故に見せかけるため、緻密な偽装工作を計画していました。

これは、犯人の視点から描かれる「倒叙ミステリー」の形式をとっています。

最初に犯人がわかってるミステリーってこと?

管理人

はい、犯人が仕掛けた完璧なトリックを榎本がどう見破るか、という点が見どころです。

読者は犯人の計画のすべてを知った上で、榎本がどのようにしてその「歪んだ箱」のトリックを解き明かすのか、手に汗握る展開を見守ることになります。

収録作品4 密室劇場

4つ目の事件は、劇団の公演直後に発生します。

舞台袖にある控室で、前座を務めていた劇団員の遺体が発見されました。

控室は関係者以外は立ち入れず、事件発生時にアリバイがない容疑者はわずか3人です。

しかし、誰もが「密室」を主張し、犯行は不可能だと訴えます。

登場人物が少ないと犯人がすぐ分かりそう…

管理人

全員に犯行が不可能な状況証拠があり、謎は深まるばかりです。

榎本は限られた情報と容疑者たちの証言の矛盾から、犯人が仕掛けた大胆不敵なトリックを暴き出します。

主要登場人物の紹介 榎本径と青砥純子

この物語の魅力は、個性的な主人公コンビによって支えられています。

冷静沈着な防犯探偵と、正義感あふれる新人弁護士という対照的な二人が事件に挑むのです。

この二人の軽妙なやり取りが、難解なトリック解説の合間に挟まれることで、物語にテンポとユーモアを与えています。

この二人って恋愛関係になったりするの?

管理人

あくまで仕事上のパートナーであり、恋愛要素はほとんどありません。

謎解きにしか興味がない榎本と、依頼人のために奔走する純子。

そんな二人が協力し合うことで、どんな難解な密室事件も解決へと導いていくのです。

『防犯探偵・榎本シリーズ』を読むおすすめの順番

防犯探偵・榎本シリーズを読む順番に迷ったら、刊行順に読むことをおすすめします

各作品の事件は独立しているためどの巻からでも楽しめますが、刊行順に追うことで主要登場人物である榎本径と青砥純子の関係性の変化をより深く味わえるからです。

シリーズを通して読むことで、榎本の謎めいた人物像や純子の弁護士としての成長が徐々に明らかになります。

まずは第1作『硝子のハンマー』から手に取り、シリーズの世界に浸ってみてください。

シリーズ第1作 硝子のハンマー

『硝子のハンマー』は、防犯探偵・榎本シリーズの記念すべき第1作です。

この作品で、謎多き防犯コンサルタントの榎本径と、生真面目な弁護士である青砥純子が出会います

シリーズで唯一の長編小説であり、介護企業の社長が殺害される密室事件を軸に物語が進みます。

約480ページにわたる重厚なストーリーで、榎本の推理力を存分に堪能できる一冊です。

シリーズの入門書として、まずはこの作品から榎本と純子の活躍を追うのがおすすめです。

シリーズ第2作 狐火の家

シリーズ第2作の『狐火の家』は、4つの事件を収録した初の短編集です。

物理的な仕掛けだけでなく、人間の心理を利用したトリックなど、バラエティに富んだ4つの密室事件が楽しめます。

表題作「狐火の家」では、密室状態の家で焼死した遺体が発見されるなど、不可解で魅力的な謎が次々と提示されます。

長編とは違う、テンポの良い謎解きが魅力です。

短編なのですきま時間にも読みやすく、ミステリーの醍醐味である「謎解き」に集中したい人にぴったりの作品です。

シリーズ第3作 鍵のかかった部屋

『鍵のかかった部屋』は、嵐の大野智さん主演でテレビドラマ化されたことで、シリーズの中で最も知名度が高い作品です。

本作に収録されている4つの短編は、いずれも物理学に基づいた実現可能なトリックだけで構成されています。

純粋なパズルを解くような、ロジカルな推理を楽しめるのが最大の魅力です。

ドラマと原作はどこが違うの?

管理人

原作はよりクールで謎めいた榎本径のキャラクターを楽しめます

ドラマを観て興味を持った方はもちろん、本格的な密室ミステリーが好きな方に自信をもっておすすめできる傑作です。

シリーズ第4作 ミステリークロック

『ミステリークロック』は、2024年5月時点でシリーズ最新作にあたる短編集です。

これまでの密室トリックに加え、アリバイ工作など密室以外の特殊な状況もテーマになっています。

人間がいない状況で進行する犯罪を描いた表題作「ミステリークロック」をはじめ、トリックのバリエーションがさらに豊かになった一作です。

榎本の推理も冴えわたり、シリーズを読み続けてきた読者を唸らせます。

これまでのシリーズとは一味違った謎解きが楽しめるため、シリーズのファンはもちろん、新しい刺激を求めるミステリー好きにもおすすめです。

どの作品から読んでも楽しめるシリーズの特長

防犯探偵・榎本シリーズの最大の特長は、基本的に一話完結型で構成されている点です。

各作品で扱われる事件はそれぞれ独立しているため、どの巻から手に取ってもストーリーが分からなくなることはありません。

例えば、ドラマを観て面白そうだと思ったら、原作の『鍵のかかった部屋』から読み始めるという楽しみ方も全く問題ないのです。

いきなり最新作から読んでも大丈夫?

管理人

はい、どの作品からでも謎解きを存分に楽しめますよ

しかし、作品を追うごとに榎本と純子の信頼関係が深まっていく様子もシリーズの魅力の一つです。

二人の関係性の機微までじっくり味わいたいのであれば、やはり刊行順に読むのが最も満足度の高い読書体験になります。

大野智・戸田恵梨香出演ドラマ版との違いや魅力

原作小説とドラマ版は、どちらも密室ミステリーとしての面白さが詰まっていますが、最も大きな違いは主人公・榎本径のキャラクター設定です。

小説とドラマ、それぞれの魅力を知ることで、より深く作品の世界を楽しめます。

小説の緻密なトリックと、ドラマのエンターテインメント性あふれる演出、両方を味わうことで『鍵のかかった部屋』の魅力は倍増します。

ドラマの基本情報とキャスト一覧

2012年にフジテレビ系列の月9枠で放送され、大きな話題を呼びました。

主演を嵐の大野智さんが務め、原作のイメージに新たな息吹を吹き込んでいます。

豪華キャストによる演技の掛け合いも、ドラマ版ならではの見どころです。

原作小説とドラマ版のストーリーの違い

物語の核心である「密室の謎を解き明かす」という骨格は、小説とドラマで共通しています。

しかし、ドラマ版では原作小説『鍵のかかった部屋』に収録されたエピソードだけでなく、シリーズ第1作『硝子のハンマー』や第2作『狐火の家』からも面白い事件を厳選して映像化しています。

ドラマの話の元ネタは、この本だけじゃないんですね?

管理人

はい、シリーズ全体の面白い密室事件を集めているんです。

そのため、原作をすべて読んでいるファンでも、どの事件がどのように映像化されるのかという新鮮な驚きがあります。

ドラマオリジナルのキャラクターやエピソード

ドラマ版の魅力を語る上で欠かせないのが、原作には登場しないオリジナルキャラクターの存在です。

特に、佐藤浩市さんが演じたエリート弁護士・芹沢豪は、榎本や純子とのコミカルなやり取りを通じて物語に奥行きを与えています。

芹沢の存在によって、原作のストイックな謎解きに加えて、登場人物たちの人間関係を描くドラマ的な側面が豊かになりました

原作とは一味違うチームの化学反応が、ドラマ版ならではの面白さを生み出しています。

小説とドラマどちらから楽しむのがおすすめか

どちらから先に楽しむかは、あなたが作品に何を求めるかによって変わります。

トリックの純粋な面白さを味わいたいか、キャラクターの魅力に惹かれたいかで選ぶのがおすすめです。

あなたのミステリーの楽しみ方に合わせて順番を選べば、貴志祐介が作り上げた『鍵のかかった部屋』の世界を最大限に満喫できるでしょう。

よくある質問(FAQ)

貴志祐介さんの作品は怖いイメージがありますが、『鍵のかかった部屋』はホラーが苦手でも楽しめますか?

はい、問題なく楽しめます。

著者の貴志祐介さんはホラー作品で有名ですが、この『鍵のかかった部屋』は、あくまで論理的な謎解きに焦点を当てた本格ミステリーです。

恐怖よりも、知的なパズルを解く面白さが中心の小説になっています。

主人公の榎本径はどんな人物ですか?ドラマの印象と原作では違いますか?

原作小説の榎本径は、感情をあまり表に出さないクールな防犯オタクです。

密室の謎解きにだけ異常な情熱を燃やす人物として描かれています。

大野智さんが演じたドラマ版では、原作の雰囲気を残しつつも、少しチャーミングな一面が加わり、より親しみやすいキャラクターになっています。

小説の文庫版は発売されていますか?

はい、発売されています。

『鍵のかかった部屋』は単行本だけでなく、手軽に持ち運べる角川文庫版も刊行されています。

書店やオンラインストアで探してみてください。

通勤時間などの隙間時間に読むのにもぴったりです。

ドラマの続編や映画化の予定はありますか?

2014年にスペシャルドラマが放送されましたが、現時点で公式にドラマの続編や映画化の発表はありません。

しかし、今なお多くのファンから続編を望む声が上がっている人気の高い作品です。

『防犯探偵・榎本シリーズ』の続編はもう出ないのでしょうか?

シリーズの最新作は2017年に刊行された『ミステリークロック』です。

それ以降、新しい作品は発表されていませんが、シリーズが完結したという公式なアナウンスもありません。

榎本径と青砥純子の新たな活躍が描かれる日を期待したいところです。

この小説のトリックはミステリー初心者でも理解できますか?

はい、ミステリー初心者の方でも十分に楽しめます。

トリック自体は物理学に基づいた緻密なものですが、謎解きの場面では、主人公の榎本径が順を追って分かりやすく解説してくれます。

難解な専門用語で読者を置いてきぼりにすることはないので、安心して読み進めることができます。

まとめ

『鍵のかかった部屋』は、物理学に基づいた緻密なトリックが魅力の本格ミステリー小説です。

この記事では、ネタバレを一切気にすることなく、純粋な謎解きに没頭できる本作の魅力や、シリーズを読むおすすめの順番について解説しました。

日常を忘れ、謎解きの世界に浸りたいなら、まずは本作『鍵のかかった部屋』を手に取ってみてください。

きっと、ページをめくる手が止まらなくなります。

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