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【ネタバレなし】住野よる「君の膵臓をたべたい」のあらすじと感想|映画との違いも解説

『君の膵臓をたべたい』という衝撃的なタイトルからは想像もつかない、切なくも美しい「生」の物語がここにあります。

この作品の本質は、余命わずかなヒロインと彼女の秘密を知った主人公が織りなす、限られた時間のかけがえのなさです。

この記事では、住野よるさんのデビュー作『君の膵臓をたべたい』のあらすじや魅力をネタバレなしで解説します。

さらに、小説・実写映画・アニメそれぞれの違いも比較するので、どの作品から楽しむか決める参考になります。

話題作だけど、ただの泣ける話とは違うの?

管理人

はい、これは二人が互いの生き方そのものを変える、奇跡の物語です。

目次

衝撃的なタイトルに隠された「生きること」の物語

『君の膵臓をたべたい』という題名から、猟奇的な物語を想像するかもしれません。

しかし、この作品で描かれるのは、正反対の性格を持つ高校生の男女が織りなす、切なくも美しい「生」の物語です。

余命いくばくもないヒロインと、彼女の秘密を知った主人公が共に過ごす限られた時間の中で、「人が生きる」とはどういうことかを問いかけます。

住野よるのデビュー作でありながら、多くの読者の心を掴んで離さない感動的なストーリーが魅力です。

ネタバレを含まないあらすじ

本を愛し、他人との関わりを避けて生きてきた高校生の「僕」。

ある日、彼が病院で偶然拾ったのは、クラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた「共病文庫」という名の日記でした。

そこには、彼女が膵臓の病で残された時間が少ないという、家族以外誰も知らない事実が書かれていたのです。

この偶然をきっかけに、「僕」は桜良の秘密を共有する唯一のクラスメイトとなります。

天真爛漫な彼女に振り回されながら、「死ぬまでにやりたいこと」に付き合わされる日々。

正反対の二人が共に過ごす時間は、お互いの心に少しずつ変化をもたらしていきます。

タイトルが衝撃的だから、ホラー小説なのかな?

管理人

いえ、これは二人の心が通い合う、温かくも切ない青春物語ですよ。

これは、まだ誰にも言えない秘密を抱える少女と、その秘密を知ってしまった少年の、限られた時間を描いた物語です。

主人公「僕」こと志賀春樹とヒロイン・山内桜良

この物語は、性格がまったく異なる二人の出会いから始まります。

主人公の「僕」こと志賀春樹は、いつも本を読んでいてクラスでも孤立しがちな少年です。

一方で、ヒロインの山内桜良は、常に笑顔でクラスの中心にいる人気者。

そんな交わるはずのなかった二人が、秘密の共有を通じて特別な関係を築いていく様子が、本作の大きな見どころとなっています。

真逆の二人だからこそ、互いに持っていないものに惹かれ合い、それぞれの価値観を変えていくのです。

物語を彩る登場人物たち

主人公とヒロインを取り巻く登場人物たちも、物語に深みを与えています。

桜良の一番の親友である恭子は、桜良を心から大切に思うあまり、「僕」との関係を最初は快く思っていません。

彼女の存在が、二人の関係性に新たな視点をもたらします。

他にも、気さくにガムをくれるクラスメイトや桜良の元恋人など、個性的なキャラクターたちが登場し、主人公たちの高校生活をリアルに描き出しています。

彼らとの関わりを通じて、「僕」が少しずつ人との繋がりを学んでいく過程も丁寧に描かれています。

「共病文庫」に込められた想い

「共病文庫」とは、ヒロインの桜良が自身の闘病生活を記録した、秘密の日記帳のことです。

物語は、主人公の「僕」がこの日記を偶然拾ったことから大きく動き出します。

単なる闘病の記録ではなく、日々の出来事や感じたこと、そして「僕」への想いが素直な言葉で綴られています。

「共病文庫」って、ただの闘病日記のこと?

管理人

はい、でもそれだけではなく、二人の絆そのものを象徴する大切なアイテムなんですよ。

この「共病文庫」というタイトルには、病と共に生きるという意味だけでなく、桜良と「僕」が秘密を共有し、共に時間を過ごした証という意味が込められているのです。

物語を読み終えたとき、この日記に託された本当の想いに気づき、涙することになります。

心を揺さぶる『君の膵臓をたべたい』3つの魅力

多くの話題作に触れてきた方でも、この物語が持つ純粋な感動に心を揺さぶられます。

一見すると衝撃的なタイトルですが、その本質は正反対の二人が織りなす、切なくも美しい「生」の物語である点です。

なぜ『君の膵臓をたべたい』がこれほど多くの人の心を掴むのか、その魅力をご紹介します。

対照的な二人が紡ぐ切なく美しい時間

クラスの人気者で天真爛漫な少女・桜良と、本の世界に閉じこもりがちな少年「僕」。

まったく接点のなかった二人が、桜良の秘密を共有することで特別な関係になります。

正反対の二人が共に過ごす時間の中で、お互いの価値観に影響され、少しずつ成長していく姿が丁寧に描かれています。

それは単なる恋愛物語ではなく、人と人が関わり合うことの奇跡と尊さを教えてくれます。

よくある青春小説とは何が違うんだろう?

管理人

単なる恋愛物語ではなく、二人が互いの「生き方」そのものに影響を与え合う点です。

彼らの日常に触れることで、読者はいつの間にか「生きること」の意味を深く考えさせられるのです。

天真爛漫なヒロイン・桜良の言葉と生き方

この物語の最大の魅力は、ヒロインの山内桜良が放つ輝きです。

彼女は自らの運命を知りながらも、それを感じさせない明るさで「今」を全力で生きています。

彼女が口にする言葉は、どれも真っ直ぐで力強く、主人公の「僕」だけでなく私たちの心にも深く突き刺さります。

特に、日常の中に溢れる小さな選択の尊さを語る場面は、多くの読者の胸を打ちました。

元気なだけのヒロインだと、感情移入できないかも…

管理人

彼女の明るさは、自らの運命と向き合う強さの裏返しであり、その姿に心を打たれます。

桜良の生き方は、私たちに日々の大切さを改めて気づかせてくれるでしょう。

読後に意味を知るタイトルの衝撃と感動

『君の膵臓をたべたい』というタイトルに、戸惑いを覚える方もいるかもしれません。

しかし、物語を最後まで読んだ時に、この言葉が持つ本当の意味を知り、深い感動に包まれます

決して猟奇的な意味合いではなく、相手への最大級の想いが込められた、切なくも温かい言葉です。

この巧みなタイトル回収こそ、多くの読者を涙させ、この作品を特別な一冊にしている要因と言えます。

やっぱりタイトルがちょっと怖いんだけど…

管理人

読み終えた後、このタイトルが最高に切なくて温かい言葉に変わるはずです。

タイトルの意味が心に染み渡る瞬間は、読書体験として忘れられないものとなります。

デビュー作で本屋大賞2位という高い評価

この作品は、著者・住野よるさんのデビュー作でありながら、発売直後から絶大な支持を集めました

プロの書店員が選ぶ「2016年 本屋大賞」で宮下奈都さんの『羊と鋼の森』に次ぐ第2位に輝き、累計発行部数は300万部を突破しています。

多くの読者や書店員がその物語に感動したことが、客観的な実績からもわかります。

これほど高い評価を得ている事実が、物語の質の高さを証明しています。

小説・映画・アニメ、それぞれの楽しみ方と比較

『君の膵臓をたべたい』は小説、実写映画、劇場アニメと、それぞれのメディアで異なる魅力を持っています。

物語の原点である小説の繊細な心理描写をじっくり味わうか、映像作品で新たな感動を発見するか、あなたの好みで選ぶことが可能です。

どのメディアから触れても、きっと心に残る体験になります。

それぞれの違いを知ることで、作品をより深く楽しめるでしょう。

原点である住野よるの原作小説

すべての物語はここから始まりました。

住野よるさんのデビュー作である原作小説は、「僕」の一人称で語られる繊細な心の動きや言葉の選び方が最大の魅力です。

2016年の本屋大賞で第2位に輝き、累計発行部数は300万部を突破していることからも、多くの読者の心を掴んだことがわかります。

活字でじっくり世界観に浸るのが好きなんです

管理人

それなら、まず原作小説から読むことをおすすめします

桜良と過ごす一日一日の尊さが、活字を通して静かに、そして深く心に染み渡ります。

読後にタイトルの意味を知ったときの感動は、小説ならではの体験です。

浜辺美波と北村匠海主演の実写映画

2017年に公開された実写映画は、山内桜良役を浜辺美波さん、「僕」こと志賀春樹役を北村匠海さんが演じ、大きな話題を呼びました。

興行収入は35.2億円を記録する大ヒットとなり、第41回日本アカデミー賞では優秀作品賞や新人俳優賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

透明感あふれる二人の演技が、原作の持つ切ない世界観を見事に表現しました。

活字で描かれた登場人物たちが、血の通った人間として目の前に現れる感覚を味わえるでしょう。

実写映画オリジナルの12年後のストーリー

実写映画版の大きな特徴は、原作にはない12年後の現代を描くオリジナルストーリーが加わっている点です。

大人になった「僕」を小栗旬さんが、桜良の親友だった恭子を北川景子さんが演じ、物語に深みを与えています。

原作と違う部分があると、新しい発見がありそうですね

管理人

過去と現在が交錯することで、感動がより一層深まります

桜良と過ごした日々が、その後の「僕」の人生にどのような影響を与えたのかが描かれることで、原作ファンも新たな視点で物語を楽しむことができます。

物語を彩るMr.Childrenの主題歌「himawari」

この映画を語る上で欠かせないのが、Mr.Childrenが書き下ろした主題歌「himawari」です。

物語に寄り添う歌詞とメロディが、鑑賞後の余韻を何倍にも深めてくれます。

桜井和寿さんの歌声が、登場人物たちの想いを代弁するかのように心に響きました。

エンドロールでこの曲が流れたとき、物語の感動と共に涙した方も多いのではないでしょうか。

映画と音楽が見事に融合した一例と言えます。

高杉真宙とLynnが声優を務めた劇場アニメ

2018年には劇場アニメが公開されました。

「僕」役の声を俳優の高杉真宙さん、山内桜良役の声を声優のLynnさんが担当しています。

二人の瑞々しい演技が、思春期特有の繊細な感情の揺れ動きを丁寧に表現しました。

特に、桜良の持つ天真爛漫さと、その裏にある儚さを見事に演じ分けています。

俳優と声優、それぞれのフィールドで活躍する二人の声が、原作の持つ純粋な世界観に命を吹き込みました。

原作の世界観を忠実に描く映像美

アニメ映画版の魅力は、何と言っても原作の持つ空気感を忠実に再現した美しい映像にあります。

光の表現や風景描写が素晴らしく、二人が過ごす日常のきらめきがスクリーンから伝わってきます。

特に、桜並木や花火のシーンは息をのむほどの美しさです。

住野よるさんの紡いだ言葉の世界が、アニメーションならではの色彩と動きで鮮やかに描かれています。

小説を読んだ後に観ることで、頭の中で想像していた情景が目の前に広がる感動を味わえます。

作品に寄り添うsumikaの音楽

アニメ映画の音楽は、人気ロックバンドのsumikaが担当しました。

オープニングテーマ「ファンファーレ」、主題歌「春夏秋冬」、劇中歌「秘密」と、3曲もの楽曲で物語を彩りました。

音楽も作品の重要な要素ですよね

管理人

sumikaの楽曲が、物語の青春感をより一層引き立てています

明るく疾走感のある曲から、切ないバラードまで、シーンに合わせた楽曲が二人の感情に寄り添い、観る人の心を揺さぶります。

あなたへのおすすめは小説か映画か

どのメディアから入るか迷っているあなたへ、選び方のヒントをお伝えします。

最も重視したいのが「登場人物の心の機微に深く触れたい」ということであれば、原作小説が一番です。

一方、俳優の演技を通して物語の世界に没入したいなら実写映画を、美しい映像と共に原作の雰囲気を味わいたいならアニメ映画を選ぶと良いでしょう。

もちろん、ひとつの作品を楽しんだ後、他のメディアに触れてみるのもおすすめです。

それぞれの違いを発見することで、『君の膵臓をたべたい』という物語が持つ奥深さを、より一層感じることができます。

著者・住野よると作品の基本情報

物語の世界に深く浸るためには、その背景を知ることが欠かせません

ここでは、著者である住野よるさんと、この作品がどれほど多くの人々に愛されてきたのか、その基本的な情報をご紹介します。

著者・住野よるの経歴と作風

本作の著者である住野よるさんは、小説投稿サイト「小説家になろう」への投稿をきっかけに作家デビューを果たしました。

『君の膵臓をたべたい』は、記念すべきデビュー作です。

衝撃的なタイトルとは裏腹に、人と人との繋がりや関係性を繊細に描く作風が特徴で、多くの読者の心を掴んでいます。

住野よるさんって、デビュー作でいきなりこんなに話題になったんですね

管理人

そうなんです、彗星のように現れた才能豊かな作家ですよ

住野よるさんの原点ともいえるこの物語には、その後の作品にも通じるテーマ性が込められているのです。

累計発行部数300万部突破の実績

この作品がどれだけ多くの人々に愛されているかは、具体的な数字が物語っています。

原作小説は、2020年8月時点で累計発行部数300万部を突破する大ベストセラーとなりました。

さらに、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」で2016年に第2位に輝くなど、数々の文学賞も受賞しています。

これらの輝かしい実績は、物語が持つ普遍的な魅力の証明と言えるでしょう。

漫画やオーディオブックでの展開

『君の膵臓をたべたい』の世界は、小説だけでなく様々な形で楽しむことができるのも大きな魅力です。

桐原いづみさんの作画による漫画版は全2巻で刊行されており、原作の感動を美麗な絵で追体験できます。

また、2016年8月から配信されているオーディオブックでは、鈴村健一さんと堀江由衣さんという実力派声優陣が、登場人物たちに命を吹き込んでいます。

声で聴く『キミスイ』も雰囲気が良さそうですね

管理人

ええ、活字とはまた違った感動を味わえますよ

映画やアニメだけでなく、これらのメディアも選択肢に入れることで、あなたにぴったりの楽しみ方が見つかります。

よくある質問(FAQ)

主人公「僕」の名前は作中で出てきますか?

はい、物語の後半で主人公「僕」の名前が志賀春樹(しが はるき)であることが明かされます。

しかし、物語の大部分は「僕」の視点で進むため、読者は彼と同じ目線でヒロインの山内桜良との特別な日々を体験していくことになります。

「泣ける」と評判ですが、どのような点が感動するのでしょうか?

この作品が多くの人の心を打ち「泣ける」と言われるのは、単に悲しい物語だからではありません。

自分とは正反対の相手と関わることで、それぞれの「生きる意味」を見つけていく二人の姿が感動を呼びます。

そして、物語を最後まで読むと、衝撃的だったタイトルの本当の意味がわかり、温かい涙があふれるでしょう。

実写映画とアニメ映画、どちらから観るのがおすすめですか?

俳優の繊細な演技や、原作にはない12年後のオリジナルストーリーに興味があるなら、浜辺美波さんと北村匠海さんが主演を務めた実写映画がおすすめです。

一方で、住野よるさんの原作が持つ瑞々しい雰囲気や美しい情景を映像で楽しみたい方には、高杉真宙さんとLynnさんが声優を務めたアニメ映画がぴったりです。

話題になった映画の主題歌について教えてください

はい、どちらの映画主題歌が作品の魅力を一層引き立てています。

実写映画の主題歌は、Mr.Childrenが書き下ろした「himawari」で、物語の深い余韻に浸れる感動的な一曲です。

アニメ映画では、人気バンドsumikaがオープニングや主題歌など計3曲を担当し、青春のきらめきと切なさを表現しました。

物語の重要な鍵となる「共病文庫」とは何ですか?

共病文庫」は、ヒロインの山内桜良が自身の病気との日々を綴った秘密の日記帳のタイトルです。

これは単なる闘病記録ではなく、主人公の「僕」と出会ってからの日常や素直な気持ちが記されています。

このが、二人の関係をつなぐ何よりも大切な象徴となります。

この小説で本屋大賞を受賞したのですか?

君の膵臓をたべたい』は、2016年の「本屋大賞」で第2位に選ばれました。

デビュー作でありながら、全国の書店員から絶大な支持を集めたことが、この作品の人気の高さを証明しています。

惜しくも大賞は逃したものの、この受賞をきっかけにさらに多くの読者に愛される一冊となりました。

まとめ

『君の膵臓をたべたい』は、衝撃的なタイトルに隠された、正反対の二人が紡ぐ切なくも美しい「生」の物語です。

この作品の魅力は、読後にタイトルの本当の意味を知ったときの深い感動にあります。

この記事を参考に、まずは原作小説、実写映画、アニメ映画の中から、あなたにぴったりの方法でこの感動的な物語に触れてみてください。

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