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【初心者向け】今野敏のおすすめシリーズ3選と読む順番|安積班や隠蔽捜査とST警視庁科学特捜班

ドラマの再放送を見て原作に興味を持ったものの、書店の棚に並ぶ膨大な著作を前に、どれが記念すべき第1作目なのか判別できずに購入を断念してしまうのは非常にもったいないことです。

本記事では、今野敏作品の中でも特に人気の高い「安積班」「隠蔽捜査」「ST 警視庁科学特捜班」について、登場人物の成長や人間関係の変化を余さず追体験できる正しい読む順番を解説します。

あまりに作品数が多くて圧倒されてしまい、どれから読めば物語のつながりを損なわないか不安です

管理人

刊行順のリスト通りにページをめくるだけで、主人公と共に歳を重ねるような深い感動を味わえます

目次

初心者が刊行順で読むべき3つの傑作シリーズの全容

膨大な著作数を誇る今野敏作品の中で、初心者が最初に手に取るべきは「隠蔽捜査」「安積班」「ST 警視庁科学特捜班」の3つに他なりません。

これらは映像化もされ知名度が高いだけでなく、警察小説としての面白さが凝縮されており、刊行順に読むことで登場人物の人生を共に歩むような深い没入感を味わえます

各シリーズの特徴を以下の表で比較します。

物語の深みを味わう刊行順の重要性

刊行順とは、作家が世に送り出した順番のことであり、物語における情報の開示や伏線の回収が最も効果的に行われる設計図を意味します。

シリーズ作品、特に警察小説においては、事件そのものの解決だけでなく、組織内での昇進、異動、あるいは同僚との和解といった人間関係の積み重ねが作品の核となります

シリーズの途中から読み始めてしまうと、主人公がなぜその部署にいるのか、隣にいる相棒と過去にどのような確執があったのかという背景が分からず、感動が半減してしまいます。

例えば「隠蔽捜査」シリーズでは、主人公・竜崎伸也の家庭の問題や息子の成長が事件と並行して描かれ、第1作目から順を追うことで、彼の人間的な変化をより深く理解できます。

物語の歴史を追体験することこそが、シリーズ読みの醍醐味です。

書店で背表紙を眺めてもどれが1作目かわからず、買うのを諦めてしまった経験があります

管理人

まずは各シリーズの第1作目を特定し、そこから順番に読み進めるだけで物語の世界が一気に広がります

人間ドラマと成長を楽しむ3大シリーズの魅力

今野敏作品の真骨頂は、謎解きの驚き以上に、警察官という職業を通じて描かれる普遍的な人間ドラマと登場人物の成長にあります。

20年以上にわたり書き継がれているシリーズも多く、読者はキャラクターと共に歳を重ねていく感覚を覚えます。

3大シリーズにはそれぞれ異なる「成長」の軸があります。

「隠蔽捜査」は合理的なキャリア官僚が人の心や情を理解していく過程が、「安積班」は係長としてチームを率いる安積剛志のリーダーとしての葛藤と成熟が、「ST」は社会不適合とも言える天才たちが統率者である百合根を通じて社会と繋がっていく様子が描かれます。

これらの変化は単発の作品では味わえない、長編シリーズならではの報酬です。

原作を読む前に知っておくべきドラマとの違い

映像作品から原作に興味を持った場合、設定やキャラクターの性格に大きな違いがあることをあらかじめ理解しておく必要があります。

ドラマは映像的な見栄えや尺の都合でアレンジが加えられることが多く、原作とは別物として楽しむのが正解です。

特に「安積班」シリーズは、ドラマ版『ハンチョウ』では神南署が主な舞台となっていますが、原作では初期の「東京ベイエリア分署」や、その後の「東京湾臨海署」など、安積の異動に伴って所属が変わっていきます。

また、「ST」シリーズでは、ドラマ版で藤原竜也が演じた赤城左門の人物像や、岡田将生が演じた百合根友久の役割が小説とは微妙に異なります。

これらの差異を知った上で原作を読むと、映像化の際に強調された要素と、小説でしか描けない内面描写の深さの双方を楽しむことができます。

ドラマのイメージが強すぎて、原作を読んだときに違和感を感じてしまわないか心配です

管理人

違いを見つけること自体を楽しみの一つと捉えれば、原作ならではの緻密な心理描写にさらに引き込まれます

主なドラマ版と原作の違い

合理的な変人キャリアが活躍する隠蔽捜査シリーズ10作品の読む順番

今野敏の代表作である隠蔽捜査シリーズは、警察庁のキャリア官僚である竜崎伸也が、自身の「原理原則」を貫き通すことで周囲を変えていく痛快な警察エンターテインメントです。

数ある警察小説の中でも、主人公が現場の刑事ではなく管理職である点や、合理的な判断が結果として正義に結びつくカタルシスが読者を惹きつけます。

刊行順に読み進めることで、竜崎の階級や役職の変化、家族との関係性の修復、そして同期である伊丹刑事部長との奇妙な友情の深化を余さず楽しめます。

シリーズ本編となる長編10作品のリストを以下に整理します。

シリーズを通して竜崎伸也という人物のブレない生き様が貫かれています。

初心者はまず、衝撃的な展開で幕を開ける第1作『隠蔽捜査』から手に取り、彼がなぜ「変人」と呼ばれながらも信頼を勝ち取っていくのかを目撃してください。

警察小説の金字塔である隠蔽捜査

隠蔽捜査とは、警察組織のメンツを守るために真実を歪めようとする圧力と、それに抗う個人の信念の対立を描いた、シリーズの記念すべき第1作にして最高傑作です。

主人公の竜崎伸也は、警察庁長官官房でマスコミ対応を担当する総務課長というエリート中のエリートですが、ある日突然、息子の犯罪という家庭内の不祥事に直面します。

本作は吉川英治文学新人賞を受賞しており、単なる謎解きミステリーの枠を超えて、組織人と家庭人の葛藤を描いた人間ドラマとしても極めて高い評価を得ています。

キャリア官僚である竜崎が、組織の論理による隠蔽工作を拒絶し、自らの信念に基づいて行動する姿は圧巻です。

降格人事という挫折を味わいながらも、逆にそれが彼を現場のヒーローへと変えていく過程が描かれます。

いきなり降格してしまう主人公の話は暗くないですか

管理人

暗さは微塵もなく、むしろ自ら責任を取って降格を受け入れる潔さに胸がすくような爽快感があります

物語の結末で竜崎が下す決断は、読者の心に鮮烈な印象を残します。

テロリストに立ち向かう果断・隠蔽捜査2

果断とは、物事をためらわずに思い切って行うことを意味し、本作では大森警察署長に着任した竜崎が未曾有の危機に対して即断即決で指揮を執る姿を表しています。

前作での降格人事で大森署へ異動となった竜崎ですが、着任早々に管内でスナック立てこもり事件が発生し、現場の指揮を執ることになります。

本作は山本周五郎賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞した傑作であり、シリーズ屈指の緊迫感あふれるアクション巨編です。

現場の捜査員だけでなく、特殊部隊SATや刑事部との権限争い、さらにはマスコミとの攻防など、四面楚歌の状況下で竜崎のリーダーシップが遺憾なく発揮されます。

「変人」と揶揄される彼が、論理的な思考で事態を収拾していく様は痛快そのものです。

所轄の署長になるとスケールが小さくなりませんか

管理人

現場の全責任を負う署長という立場だからこそ、より具体的でヒリヒリするような決断の連続を楽しめます

リーダーとしての孤独と決断の重みを体感できる一冊です。

署内の不協和音を描く疑心・隠蔽捜査3

疑心とは、他者を疑う心のことであり、本作ではアメリカ大統領の訪日警備という巨大な任務の裏で進行する署内のスパイ疑惑に焦点が当てられます。

大森署が方面本部の指定を受け、竜崎署長は前代未聞の厳重な警備体制を敷くことになりますが、署内に不穏な空気が漂い始めます。

文庫版で400ページを超えるボリュームの中に、組織防衛のための監視社会への警鐘と、仲間を信じることの難しさが濃密に描かれています。

テロ対策という表向きの緊張感と並行して、内部の裏切り者を探す心理戦が展開される点が特徴です。

竜崎の合理性が、疑心暗鬼に陥った組織をどのように正常化させるのかが見どころとなります。

派手な事件だけでなく内部の揉め事も面白いですか

管理人

組織内部の人間関係や不信感をロジカルに解きほぐしていく過程は、派手なアクション以上に知的興奮を味わえます

組織の中で働くすべての人に、信頼とは何かを問いかけます。

竜崎の苦悩が深まる転迷・隠蔽捜査4

転迷とは、迷いの淵を彷徨うことを指し、本作ではこれまで迷うことを知らなかった合理主義者の竜崎が、初めて自身の判断に自信を持てなくなる姿が描かれます。

管内で発生した麻薬事件の捜査線上に、竜崎の小学校時代の同級生が浮上したことで、公私混同を避けるべき彼の心にさざ波が立ちます。

物語の中盤で数十年ぶりの再会を果たした旧友との関係が、冷徹な捜査の障壁となります。

過去の思い出と現在の犯罪事実との間で揺れ動く竜崎の人間臭さは、シリーズの中でも特にエモーショナルな部分です。

常に正解を導き出してきた男が、割り切れない感情にどう決着をつけるのか、読者も共に悩みながらページをめくることになります。

竜崎署長が迷う姿なんて見たくないのですが

管理人

迷い苦しむからこそ、最後に導き出される彼なりの「合理的な答え」がより一層の輝きを放ちます

人間・竜崎伸也の奥深さを知るために欠かせない重要作です。

選挙戦の裏側を暴く宰領・隠蔽捜査5

宰領とは、取り締まりや監督を行うことを意味し、本作では衆議院議員選挙という国家の重要行事と、その裏で起きた国会議員の失踪事件を同時に扱う竜崎の指揮能力が試されます。

選挙違反の取締り本部と刑事事件の捜査本部という二つの異なる指揮系統を、竜崎がいかにしてコントロールするかが焦点です。

選挙期間中という特殊な状況下で、警察に対する政治的圧力やマスコミの干渉が通常時の数倍にも膨れ上がります。

政治家のメンツや政局を優先しようとする外部の力に対し、あくまで「事件の解決」と「法執行」を優先する竜崎のブレない姿勢が光ります。

選挙という民主主義の根幹に関わるシステムと警察組織の関わりをリアルに描写しています。

政治の話が絡むと難しくなりませんか

管理人

竜崎の思考が極めてシンプルで明快なので、複雑な政治的背景もすっきりと理解しながら読み進められます

政治と事件が交錯するスリリングな展開を堪能できます。

自身の進退を懸ける去就・隠蔽捜査6

去就とは、進むか退くかという身の振り方を意味し、本作では警察官僚としてのキャリアの曲がり角に差し掛かった竜崎自身の進退がテーマとなります。

大森署内でのストーカー対策チームの編成や、再任用警察官の処遇といった人事面での課題に直面しつつ、自らの将来についても決断を迫られます。

作品全体を通して「働くことの終わりと続き」について深く掘り下げられています。

定年後も働き続ける再任用警察官の悲哀や意地と、昇進か現場残留かで揺れるキャリア官僚の葛藤が対比的に描かれます。

組織の新陳代謝と個人の能力活用という、現代の企業社会にも通じる普遍的な問題に対し、竜崎が出した回答は驚くべきものでした。

人事の話ばかりで事件は起きないのですか

管理人

ストーカー事件という現代的な犯罪もしっかり描かれ、人事管理と捜査の両面で竜崎の実力が発揮されます

働くすべての世代に刺さる、重厚なキャリア小説です。

私的トラブルと対峙する棲月・隠蔽捜査7

棲月とは、月が宿る場所という詩的な響きを持ちつつ、本作では金融機関や鉄道会社を狙ったサイバー攻撃事件という目に見えない敵との戦いが描かれます。

同時に、竜崎の家庭では妻の冴子が入院するという緊急事態が発生し、公私ともに竜崎を追い詰めます。

これまで家庭を妻に任せきりだった竜崎が、初めて家事や看病というタスクに直面し、うろたえながらも合理的に対処しようとする姿は微笑ましくもあります。

一方、事件捜査ではITに疎い竜崎が、専門知識を持つ部下を適切に活用し、未知の犯罪に挑みます。

わからないことは素直に認めて専門家に任せるという、マネジメントの基本姿勢が学べます。

IT犯罪の話は専門用語が多くて難しそうです

管理人

竜崎自身がITに詳しくない設定なので、読者と同じ目線で噛み砕いて説明されており非常にわかりやすいです

技術の進化と変わらぬ愛の形を描いた意欲作です。

神奈川県警と共闘する清明・隠蔽捜査8

清明とは、清く明るい春の季節を表す言葉ですが、本作では神奈川県内で発生した外国人撲殺事件をきっかけに、警視庁の大森署と神奈川県警という異なる組織の壁を超えた協力体制が描かれます。

竜崎の同期であり、神奈川県警刑事部長を務める伊丹俊太郎との本格的な共闘が最大の見どころです。

通常、管轄が異なれば縄張り争いが起きるのが警察小説の常ですが、本作では二人のキャリア官僚の信頼関係を軸に、異例の合同捜査が展開されます。

チャラチャラしているようで実は切れ者の伊丹と、堅物竜崎の凸凹コンビによる掛け合いは、シリーズファンにとって至福の時間です。

組織の壁を合理的に突破していく二人の姿に、組織連携の理想形を見ることができます。

他の県警と一緒に捜査するのは珍しいのですか

管理人

縦割り行政の弊害が強い警察組織において、個人的な信頼関係で組織の壁を越える展開は非常に稀で熱いです

シリーズを追いかけてきた読者へのご褒美のような共闘劇です。

異例の捜査協力を行う探花・隠蔽捜査9

探花とは、中国の科挙試験で第3位の合格者を指す言葉であり、本作では出世競争とは無縁の場所で咲く花の美しさを暗示しています。

休暇を利用して福岡を訪れた竜崎と伊丹が、旅先で唐津焼の陶芸家殺人事件に遭遇し、なし崩し的に捜査に介入していく異色の作品です。

これまでの大森署というホームグラウンドを離れ、完全なるアウェイの地での捜査となります。

管轄権を持たない竜崎たちが、現地の福岡県警や佐賀県警の刑事に煙たがられながらも、その鋭い洞察力と経験で事件の核心に迫っていく様子は痛快です。

旅情ミステリーの要素を含みつつ、どこにいても警察官としての本分を忘れない竜崎の真面目さが際立ちます。

休暇中まで事件に関わるなんて働きすぎではないですか

管理人

竜崎にとって事件解決は仕事というより生き方そのものであり、場所を問わず正義を追求する姿にブレはありません

いつもと違う舞台で、竜崎と伊丹のバディ感を存分に楽しめる一冊です。

シリーズ最新刊となる恬淡・隠蔽捜査10

恬淡とは、物事に執着せずあっさりしている様子のことですが、本作では殺人事件が発生した劇団の関係者たちが見せる、承認欲求や執着とは対極にある態度を指しています。

シリーズ10作目の節目となる本作では、演劇という虚構の世界で起きた殺人事件に、リアリストの極致である竜崎が挑みます。

承認欲求や自己顕示欲が渦巻く現代社会において、「何者かになりたい」ともがく若者たちと、淡々と職務を全うする竜崎の対比が鮮やかです。

長くシリーズを重ねる中で、竜崎自身も年齢を重ね、角が取れてより深みを増した「恬淡」とした境地に至りつつある変化を感じ取ることができます。

最新の犯罪動機や社会情勢を取り込みつつ、変わらぬ隠蔽捜査らしさを維持した安定のクオリティです。

10作目まで読んでも飽きませんか

管理人

竜崎を取り巻く環境や彼自身の内面が常に変化し続けているため、マンネリを感じるどころか次作が待ち遠しくなります

進化し続ける竜崎伸也の現在地を確認できる、ファン必読の最新作です。

理想の上司を描く安積班シリーズの読む順番

このシリーズ最大の特徴は、主人公である安積剛志の異動に合わせて舞台となる所属部署が変化する点にあります。

物語は大きく分けて「東京ベイエリア分署(湾岸署)時代」「神南署時代」「東京湾臨海署時代」の3つの期間で構成されています。

それぞれの時代でチームの雰囲気や描かれるテーマが異なるため、時系列を把握することで、安積班の成長と変遷をより深く理解できます。

部署が変わるごとに新たな部下が加わり、人間関係が再構築されていく様子は、まさに組織で生きる私たちの日常と重なります。

シリーズの原点となる東京ベイエリア分署

東京ベイエリア分署シリーズとは、安積剛志がまだ30代半ばの係長として、個性的な部下たちを率いて事件に挑む、記念すべき初期の4作品を指します。

現在のような温厚な「ハンチョウ」のイメージとは少し異なり、若さと情熱を持った安積が、荒っぽい事件捜査の中でリーダーシップを確立していく過程が描かれています。

シリーズは全4作で完結しており、ページ数も手頃なため、週末の読書時間だけで十分に読破できる全4冊の構成となっています。

事件解決のスリルはもちろん、若き安積警部補が悩みながらもチームをまとめ上げていく姿は、中間管理職の教科書としても読み応え十分です。

安積班長って最初からあんなに人格者だったんですか?

管理人

最初はもっと尖っていて、若さゆえの苦悩も描かれているのが初期作品の面白さです

ここから読み始めることで、後の作品で安積が見せる包容力が、どのような経験を経て培われたものなのかを深く理解できます。

ドラマ版の舞台である神南署安積班

神南署シリーズは、渋谷という若者の街を管轄する神南署へ安積班が異動し、より都会的で複雑な事件に対峙していく物語です。

テレビドラマ『ハンチョウ〜神南署安積班〜』の原作として最も知名度が高く、ドラマを見てファンになった方が違和感なく入り込めるのはこのシリーズです。

この期間の作品は全4作が刊行されており、都会の喧騒の中で起きる少年犯罪や失踪事件など、現代的なテーマを扱っています。

原作では、ドラマとは異なるメンバー構成や人間関係が描かれており、映像作品とは一味違う「小説ならではの安積班」を楽しむことができます。

ドラマが好きだったんですが、原作のイメージと合いまか?

管理人

原作の方がよりシリアスで、組織の中間管理職としてのリアルな葛藤が濃く描かれています

安積班長が部下だけでなく、上層部や他部署との折衝に奔走する姿は、ビジネスパーソンにとって多くの学びと共感を与えてくれます。

臨場感が増す東京湾臨海署安積班

東京湾臨海署シリーズは、安積班が再び湾岸エリアである臨海署へ戻り、円熟味を増したチームワークで難事件を解決していく現在のメインシリーズです。

これまでの経験を糧に、より強固になった安積班の結束と、季節の情景を織り交ぜた叙情的な筆致が特徴で、警察小説でありながら心温まる読後感を提供してくれます。

作品数は最も多く、タイトルに「花」や「夕暮れ」などの美しい言葉が使われることが多いため、一見すると読む順番に迷いますが、基本的には刊行順に読むことでチームの時間の流れを追体験できます。

初期の尖った雰囲気とは異なり、ベテラン刑事としての安積の落ち着きと、部下たちの成長を見守る父親のような視点が際立ちます。

作品数が多すぎて、途中で話がわからなくなりませんか?

管理人

各巻でひとつの事件が完結するため、どこから読んでも楽しめますが、刊行順の方がメンバーの成長を感じられます

長く続くシリーズだからこそ描ける、登場人物たちの人生の深みと、変わらぬ正義への想いに触れてください。

最初に手に取るべき第1作・東京ベイエリア分署

これから安積班の世界に足を踏み入れるあなたには、シリーズ第1作目である『東京ベイエリア分署』を最初の1冊として強く推薦します。

なぜなら、この作品には安積剛志という刑事の原点があり、彼の捜査哲学やリーダーシップの萌芽がすべて詰まっているからです。

物語の舞台はバブル景気の余韻が残る東京湾岸、その空気感の中で描かれるハードな事件と人間ドラマは、今読んでも色褪せない鮮烈な印象を残します。

第1作から順番にページをめくることで、単なるミステリーの枠を超えた、一人の警察官の壮大な大河ドラマを最初から余さず味わうことができます。

古い作品だと、今の感覚で読んで楽しめますか?

管理人

普遍的な「組織と個人」のテーマが描かれているため、時代を超えて今の私たちにも深く刺さります

この1冊を読み終えたとき、あなたはすでに安積班の一員のような気持ちで、次の『湾岸ビート』を手に取りたくなるはずです。

個性派集団が事件に挑むST警視庁科学特捜班シリーズの読む順番

個性的なキャラクターたちの掛け合いと科学的な謎解きが魅力のSTシリーズは、刊行時期によって大きく3つの区分に分類できます。

物語の流れを損なわずに楽しむため、シリーズの構成と読むべき順番を以下の表で整理します。

伝説の始まりであるST警視庁科学特捜班

シリーズの根幹をなす最初の3作品は、ST(Scientific Taskforce)と呼ばれる警視庁科学特捜班の結成と初期の活躍を描く重要なパートとして強調します。

ここには1998年に発表された記念すべき第1作から、ロシアでの事件を描く第3作までの3冊が含まれ、個性的なメンバーの顔見せとチームワークの萌芽を楽しめます。

特にドラマ版のファンは、原作における百合根友久と赤城左門の距離感の違いや、より尖ったキャラクター造形に驚きと新鮮さを感じます。

ドラマ版を見て好きになりましたが原作との違いはありますか?

管理人

キャラクター設定が少し異なりますが原作ならではの深い人間ドラマが楽しめます

まずはこの初期3部作を通して、STという組織の特殊性とメンバーそれぞれの能力を把握することが、後のシリーズを楽しむ土台となります。

各メンバーを深掘りする色シリーズ

「色シリーズ」とは、タイトルに「青」「赤」「黄」「緑」「黒」の色名を冠した短編集であり、STメンバー一人ひとりに焦点を当てたスピンオフ的な性格を持つ作品群として強調します。

全5冊で構成されるこのシリーズは、普段はチームプレイで動くメンバーの知られざる過去や意外な特技、そして個人の抱える葛藤を5編ずつの短編で丁寧に描写します。

例えば「青」では青山翔の心理分析が、「緑」では翠の聴覚がクローズアップされ、読者は推しのキャラクターをより深く理解できます。

どの色から読んでも楽しめますか?

管理人

基本的には刊行順がおすすめですが推しメンの色から読むのも一興です

色シリーズを読み終える頃には、単なる変人集団に見えたSTメンバー全員に対して、家族のような親愛の情を抱きます。

新たな敵と戦う伝説シリーズ

「伝説シリーズ」は、日本各地に伝わる古来の伝説に見立てた連続殺人事件にSTが挑む、長編ミステリーの傑作群であることを強調します。

ここでは『桃太郎』や『沖ノ島』といった誰もが知る伝説をモチーフにした2つの長編作品が展開され、科学捜査と土着的な伝承という対照的な要素が融合した物語を堪能できます。

STメンバーが東京を離れて地方へ出張する展開もあり、普段とは異なる環境下での捜査や、地元警察との軋轢も見どころの一つです。

事件のスケールが大きそうで難しそうです

管理人

STならではの科学的アプローチで解決するので理系ミステリーとして楽しめます

複雑な謎解きと旅情ミステリーの要素を兼ね備えた伝説シリーズは、成長したSTメンバーの実力を存分に味わえる読み応え抜群の章です。

最初に読むべき第1作・ST警視庁科学特捜班

これからSTの世界に飛び込むあなたが最初に手に取るべきは、すべての原点であるシリーズ第1作『ST 警視庁科学特捜班』であると強調します。

物語はここから始まり、百合根友久がキャップとして着任し、一筋縄ではいかないメンバーたちと信頼関係を築いていく過程は、この第1巻を読まなければ体験できません。

何よりも、シリーズ全体に通底する「はみ出し者たちが居場所を見つける」というテーマが最も鮮烈に描かれている作品です。

ここから読めば間違いありませんか?

管理人

はい、彼らの関係性の変化を追うためにもここが最適なスタート地点です

書店や電子書籍ストアで迷ったら、まずは青い表紙や第1作目の表記を目印に、この作品からページをめくり始めてください。

自分好みの物語に出会うためのシリーズ選定基準

数ある警察小説の中でも、今野敏作品を選ぶ際に最も大切な基準は、読書を通してどのような感情体験を得たいかという点に尽きます。

作家の著作は多岐にわたりますが、主要3シリーズには明確な個性の違いがあり、読み手のその時の気分や求めている要素によって最適な一冊が変わるのです。

あなたが貴重な時間を投じて物語の世界に没入する際、ミスマッチによるストレスを感じないよう、各シリーズの特徴を比較整理しました。

失敗を避けるためには、書店で背表紙を眺める前に、自分の心が求めている要素を整理することが近道になります。

組織論とカタルシスを求める場合の隠蔽捜査

隠蔽捜査シリーズとは、警察組織の常識やメンツよりも原理原則を貫き通すキャリア官僚・竜崎伸也の孤軍奮闘を描いた物語です。

周囲の空気を読まず、正論のみを武器に事態を収拾していく姿は、現実社会で忖度に疲れた私たちの心に強烈なカタルシスを与えてくれます。

本シリーズは10作品以上続く大河小説のような側面を持ちますが、最大の特徴は主人公が家庭の悩みも抱える一人の人間として描かれている点です。

エリート官僚でありながら、妻や子供の問題に頭を抱える竜崎の姿は、仕事と私生活の両立に悩む現代のビジネスパーソンと重なります。

組織の不条理を論理でねじ伏せる快感を味わいたい時は、迷わずこのシリーズを手に取るべきです。

警察官僚の話は難解な専門用語が多くて読み進められるか不安

管理人

竜崎の思考は極めてシンプルで論理的なので、むしろ予備知識なしで楽しめます

組織のしがらみに囚われず、自分の信念を貫く竜崎伸也の生き様は、読む者の背筋を正し、明日への活力を与えてくれます。

チームワークと人間ドラマを重視する場合の安積班

安積班シリーズにおいては、事件の謎解きそのものよりも、捜査にあたる刑事たちの人間模様に重きが置かれています。

突出した能力を持つスーパーヒーローではなく、チームの和を何よりも大切にする「ハンチョウ」こと安積剛志の姿は、日本における理想的な中間管理職のモデルケースです。

ドラマ版でおなじみの安積班ですが、原作小説では20年近くにわたり、部下たちの成長や安積自身の老いさえも丁寧に描写されています。

派手なアクションや奇抜なトリックは少なく、地道な聞き込みとチームワークで真実に迫る展開が主軸です。

職場での人間関係に悩み、温かい信頼関係に触れて癒やされたいと願う夜には、安積班の物語が最良の友となります。

ドラマ版のイメージが強すぎて、小説の雰囲気に馴染めるか心配

管理人

小説版の安積はドラマ以上に人間臭く悩み多き人物で、より深く感情移入できます

殺伐とした事件の中にも必ず救いを見出す安積班の物語は、あなたの心に寄り添い、静かな感動をもたらす一冊となります。

軽快な掛け合いとキャラ萌えを楽しむ場合のST

ST警視庁科学特捜班シリーズは、警視庁科学捜査研究所(科捜研)から選抜された5人の変人たちが織りなすキャラクター小説の傑作です。

従来の重厚な警察小説とは一線を画し、アニメや漫画のように際立った個性を持つメンバーが、それぞれの特殊能力を活かして難事件を解決へ導きます。

物語の中心となるのは、生真面目なキャリア警部・百合根友久と、対人恐怖症の天才法医学者・赤城左門による2人のバディ関係です。

彼らの漫才のような軽妙なやり取りは、ミステリー特有の重苦しさを払拭し、ページをめくる手を止めさせません。

科学的な知識に触れつつも、エンターテインメントとして気軽に物語を楽しみたい気分の時に最適な選択肢です。

科学捜査というと化学式や専門的な解説が多くて難しそう

管理人

百合根が読者視点で質問するため、専門知識もわかりやすく解説されます

個性豊かな天才たちが常識を覆す捜査で犯人を追い詰める爽快感は、日常の退屈を忘れさせ、あなたをワクワクする非日常へと誘います。

まとめ

本記事では、数ある今野敏作品の中から初心者が絶対に読むべき3つの名作シリーズを厳選し、登場人物の人生を共に歩むために不可欠な正しい読む順番について解説しました。

このガイドを片手に最寄りの書店や電子書籍ストアへ向かい、あなたの生涯の友となる素晴らしい物語の第1巻を手に取ってください。

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