MENU

【ネタバレなし】伊坂幸太郎マリアビートルのあらすじと登場人物を5分で解説|映画との違いも

映画『ブレット・トレイン』の原作としても知られる伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』は、疾走する新幹線という密室で繰り広げられる、予測不能な殺し屋たちの物語です。

この記事では、ネタバレを一切せずに『マリアビートル』のあらすじや登場人物の魅力を解説し、映画版との違いやシリーズを読む順番までをわかりやすく紹介します。

映画が面白かったけど、原作はどんな感じなんだろう?

小説ならではの緻密な伏線回収と、個性豊かな登場人物の魅力をお伝えします

目次

読む手が止まらないエンタメ小説『マリアビートル』の魅力

『マリアビートル』の面白さの核は、疾走する新幹線で繰り広げられる、予測不能な展開にあります。

一度読み始めれば、その世界に夢中になること間違いありません。

これらの要素が絶妙に絡み合うことで、他に類を見ない読書体験が生まれるのです。

舞台は疾走する東北新幹線という密室空間

物語の主な舞台は、東京発盛岡行きの東北新幹線「はやて」です。

一度乗車したら目的地まで簡単には降りられない、まさに「走る密室」という設定が、物語全体の緊迫感を高めます。

限られた空間の中で複数の殺し屋たちの思惑が交錯し、息もつかせぬスリルを生み出しているのです。

約2時間半という限られた時間の中で、物語は目まぐるしく展開していきます。

閉鎖された空間での物語って、ドキドキするよね

登場人物たちの焦燥感がダイレクトに伝わってきます

この逃げ場のない状況が、読者を物語の世界へ深く引き込む重要な要素となっています。

一癖も二癖もある個性豊かな殺し屋たち

この物語の面白さを決定づけているのが、善人とは言い難い、しかしどこか憎めない登場人物たちの存在です。

彼らの視点が次々と切り替わることで、物語はテンポよく進んでいきます。

例えば、仕事の度に不運に見舞われる殺し屋の七尾は「天道虫」と呼ばれ、読者の同情を誘います。

他にも、『きかんしゃトーマス』をこよなく愛する蜜柑と檸檬のコンビなど、5人以上の主要な殺し屋たちが登場します。

殺し屋なのに、なんだか人間味があって面白そう

彼らの軽妙な会話や、シリアスな状況とのギャップがたまりません

それぞれが持つ独自の哲学や背景が物語に深みを与え、誰が生き残るのか最後まで目が離せなくなります。

全てが繋がる伊坂幸太郎ならではの伏線回収

伊坂幸太郎作品の醍醐味といえば、巧みに張り巡らされた伏線が見事に回収される瞬間の快感です。

『マリアビートル』では、そのパズルのピースがはまるような感覚を存分に味わえます。

何気ない会話や一見無関係に見えた出来事が、終盤に向けて1本の線として繋がっていく構成は圧巻です。

読み進めるほどに「もしかして、あの時のあれは…?」と気づく面白さがあります。

バラバラだった話が最後に繋がるの、大好き!

読み終わった後に、もう一度最初から読み返したくなりますよ

全てが明らかになった時、物語が持つ構成の美しさに感動します。

ネタバレなしで解説する『マリアビートル』のあらすじと登場人物

この物語の面白さは、一筋縄ではいかない殺し屋たちが織りなす、予測不能な群像劇にあります。

それぞれの思惑を胸に、偶然同じ新幹線に乗り合わせた彼らの運命が、目まぐるしく交錯していく様子から目が離せません。

個性豊かな登場人物たちが、疾走する密室という極限状況でどのように立ち回り、物語をかき乱していくのか。

そのスリリングな展開こそが、本作の大きな魅力です。

5分でわかる物語のあらすじ

『マリアビートル』の物語の舞台は、東京発盛岡行きの東北新幹線「はやて」です。

一度乗車したら、終点の盛岡まで簡単には降りられない閉鎖空間で、全ての物語が進行します。

簡単なはずの仕事で乗り込んだ、運の悪い殺し屋の七尾。

誘拐した大物の息子と身代金入りのトランクを護送する、腕利きの殺し屋コンビ蜜柑と檸檬。

そして、息子をビルから突き落とした犯人に復讐を誓う元殺し屋の木村。

彼らがそれぞれの目的を果たすため乗り込んだ車内には、邪悪な計画を企む恐るべき中学生、王子も同乗していました。

みんな目的がバラバラなのに、どうして話が繋がるの?

その偶然の連鎖こそが、伊坂幸太郎作品の醍醐味なんです。

全く無関係だったはずの彼らの運命が、一つのトランクをきっかけに複雑に絡み合い、物語は誰も予測できない終着駅へと猛スピードで突き進んでいきます。

とにかく運がない殺し屋の七尾(天道虫)

「天道虫」という幸運を思わせるコードネームとは正反対に、彼はとにかく運がない残念な殺し屋です。

彼の行く先々では、なぜか必ず厄介なトラブルが発生します。

今回請け負った仕事も、「トランクを盗んで次の駅で降りるだけ」という簡単なものでした。

しかし、彼の不運体質が災いし、次から次へと予期せぬ事態に巻き込まれ、新幹線から降りられなくなってしまいます。

物語は、彼の災難を中心に目まぐるしく展開していきます。

主人公なのに、そんなに運が悪くて大丈夫なの?

彼の不運が物語を面白くする重要なスパイスになっています。

彼の不幸は、読者にとって最高の娯楽です。

常に絶体絶命のピンチに陥りながらも、なんとか切り抜けようと奮闘する姿には、思わず声援を送りたくなります。

トーマス好きの殺し屋コンビ蜜柑と檸檬

この二人は、腕は超一流なのに、『きかんしゃトーマス』の言葉を引用して会話する風変わりな殺し屋コンビです。

その独特なキャラクターは、多くの読者を魅了します。

冷静沈着で文学を愛する蜜柑と、短気で巨漢、そしてトーマスを心から信奉する檸檬。

全く対照的な二人ですが、コンビとしての連携は見事です。

シリアスな状況で交わされる、どこかズレた彼らの会話は、物語に絶妙なユーモアと緩急を生み出しています。

プロの殺し屋として冷徹な仕事をこなす一方で、人間味あふれる掛け合いを見せるこのコンビのギャップが、物語に奥行きを与えているのです。

息子の復讐に燃える元殺し屋の木村

木村は、かつて裏社会で仕事をしていたものの、現在は酒浸りの日々を送る父親です。

しかし、愛する息子を傷つけられたことで、復讐の鬼と化す元殺し屋として、再び危険な世界へ足を踏み入れます。

彼のたった一つの目的は、たった中学生の王子に復讐すること。

他のプロの殺し屋たちとは異なり、彼の行動原理は「家族愛」という極めて人間的な感情に基づいています。

そのまっすぐな執念が、計算ずくで動く他の登場人物たちの思惑を狂わせていくのです。

復讐なんて、なんだか重い話になりそう…

彼の存在が、他の殺し屋たちの非情さとの対比を生み、物語に人間ドラマとしての厚みを与えています。

息子を想う父親としての彼の行動は、読者の感情を強く揺さぶります。

物語が単なる殺し屋たちのバトルに終わらないのは、彼の存在が大きいのです。

見た目は中学生の恐るべき少年である王子

彼は、どこにでもいる普通の中学生にしか見えません。

しかしその実態は、純粋無垢な少年の仮面を被った、本作で最も邪悪で狡猾な登場人物です。

王子の武器は、暴力や銃ではありません。

彼は人の心の脆さを見抜き、巧みな言葉で相手を操り、絶望の淵に突き落とすことに喜びを見出す、生まれながらの怪物です。

屈強な大人たちが、彼の張り巡らせた悪意の罠にはまり、いとも簡単に翻弄されていきます。

中学生が一番怖いってどういうこと?

彼の存在が、物理的な強さだけが全てではないという、この物語の核心を突いています。

新幹線という密室の中で、彼の底知れない悪意が解き放たれたとき、物語は一気に緊迫の度合いを増します。

この少年こそが、全ての混乱を引き起こす中心人物なのです。

映画『ブレット・トレイン』との違いとシリーズの読む順番

『マリアビートル』は、ブラッド・ピット主演で話題となった映画『ブレット・トレイン』の原作小説であり、『グラスホッパー』から続く「殺し屋シリーズ」の2作目にあたります。

映画と原作は魅力が異なるため、それぞれを独立した作品として楽しむのがおすすめです。

映画の派手なアクションを楽しんだ方も、小説を読むことで緻密に計算された物語の奥深さを味わえます。

ブラッド・ピット主演映画『ブレット・トレイン』の原作

2022年に公開されたアクション映画『ブレット・トレイン』は、この小説『マリアビートル』を原作としてハリウッドで制作されました。

主演のブラッド・ピットをはじめ、真田広之など日米の豪華俳優陣が出演し、全世界での興行収入は2億3900万ドルを超える大ヒットを記録しています。

原作の持つ魅力的な設定が、世界中の観客を惹きつけました。

映画が面白かったから原作も気になるな

映画とはまた違った、小説ならではの面白さがありますよ

映画で描かれたキャラクターの背景や心情は、小説でより丁寧に描写されています。

原作を読むことで、あの騒動の裏側で何が起きていたのかを深く理解できます。

映画と原作小説の雰囲気や設定の違い

映画と原作は、基本的な物語の筋は共有しつつも、雰囲気や設定は大きく異なります。

原作の舞台は現実の「東北新幹線」であり、閉鎖された空間で登場人物たちの心理的な駆け引きが緊張感たっぷりに描かれます。

一方、映画は架空の超高速鉄道を舞台に、コメディとド派手なアクションを前面に押し出したエンターテインメント作品に仕上がっています。

どちらの作品もそれぞれの良さがあり、二つを見比べることで『マリアビートル』という物語の世界を二倍楽しめます。

続編だけど『マリアビートル』から読んでも楽しめる殺し屋シリーズ

本作は、伊坂幸太郎さんの小説『グラスホッパー』の続編にあたります。

『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』は、合わせて「殺し屋シリーズ」と呼ばれています。

しかし、物語はそれぞれ独立しているため、『マリアビートル』から読み始めても全く問題なく楽しめます

前作を知らない方でも、個性的な殺し屋たちが織りなす物語にすぐに引き込まれるでしょう。

前作の登場人物との繋がりを発見する楽しみ方もあるため、本作を気に入ったら『グラスホッパー』を読んでみるのもおすすめです。

おすすめの読む順番は『グラスホッパー』から

もしあなたが伊坂幸太郎さんの「殺し屋シリーズ」をこれから読むのであれば、刊行順である『グラスホッパー』から読むのがおすすめです。

前作『グラスホッパー』を読むことで、『マリアビートル』に登場する一部の人物や裏社会の背景をより深く理解できます。

物語の面白さが増すため、時間に余裕があるならぜひ刊行順に読んでみてください。

この順番で読み進めることで、伊坂幸太郎さんが創り上げた、少しおかしな殺し屋たちの世界の変遷を最大限に味わえます。

角川文庫版で読める登場人物の前日譚

これから『マリアビートル』を読むなら、短編が収録されている角川文庫版を選ぶと良いでしょう。

2013年に発行された角川文庫版には、単行本にはない特典として、主人公の一人である殺し屋・七尾(天道虫)の前日譚「ついていないから笑う」が収録されています。

彼の不運な日常を描いたこの短編を読むと、本編での彼の言動に一層共感し、物語への没入感が高まります。

どうせ読むなら、お得な方がいいよね

文庫版なら、本編と短編を一度に楽しめます

七尾というキャラクターをより深く知るために、ぜひ角川文庫版を手に取ってみてください。

彼のことがもっと好きになるはずです。

『マリアビートル』で味わう非日常の読書体験

『マリアビートル』は、ただの小説ではありません。

日々の退屈やストレスを忘れさせてくれる、最高のエンターテイメント体験を提供してくれます。

ページをめくるたびに加速する物語は、あなたを現実から引き離し、疾走する新幹線のなかへと誘うのです。

スリルと爽快感を求めるあなたのための物語

物語の魅力は、東京発盛岡行きの東北新幹線という「走る密室」で繰り広げられる点にあります。

一度乗り込めば、目的地まで簡単には降りられない閉鎖された空間が、登場人物たちの焦燥感と緊張感を極限まで高めます。

腕利きの殺し屋たちが、互いの素性を知らないまま、それぞれの目的のために行動します。

その偶然の連鎖が、予期せぬトラブルを次々と引き起こし、5人の殺し屋たちの運命を複雑に絡ませていくのです。

物語が進むにつれて散りばめられた伏線が一つに繋がっていく展開は、息をのむほどのスリルがあります。

ハラハラするけど、後味はスッキリするのかな?

全ての伏線が回収されるラストは圧巻の爽快感です

全ての謎が解け、パズルのピースが見事にはまったとき、あなたは最高の読後感と満足感を得ることになります。

忙しい日常を忘れさせてくれる一気読み必至の展開

伊坂幸太郎作品の大きな特徴である、シリアスな状況で交わされる軽妙でユーモラスな会話が、この物語の読みやすさを生み出しています。

絶体絶命のピンチでさえクスッと笑えるようなやり取りが、緊張と緩和の絶妙なバランスを作り出し、読者を飽きさせません。

物語は複数の登場人物の視点が目まぐるしく入れ替わる形で進んでいきます。

このテンポの良い構成が、読者の好奇心を刺激し、「次は何が起こるのか?」とページをめくる手を止めさせなくします。

通勤電車の中や寝る前のひととき、ふと開いたページから、あなたは物語の世界に完全に没入し、日々の疲れを忘れてしまうはずです。

すぐに読める文庫本や電子書籍の案内

このスリリングな物語は、いつでもどこでも手軽に楽しめます。

特に2013年9月に発行された角川文庫版は、単行本にはない特典がありおすすめです。

角川文庫版には、不運な殺し屋である七尾(天道虫)の前日譚「ついていないから笑う」が特別に収録されています。

これを読むことで、彼のキャラクターをより深く理解でき、本編の面白さが一層増します。

もちろん、電子書籍版も配信されているため、思い立ったその瞬間に購入して読み始めることが可能です。

あなたのライフスタイルに合わせて、最適な方法で『マリアビートル』の世界に飛び込んでみてください。

よくある質問(FAQ)

殺し屋がたくさん登場しますが、残酷な描写は多いですか?

物語の性質上、暴力的な場面はありますが、読者が不快になるような過剰な描写は控えめです。

それよりも、個性的な登場人物たちの軽妙な会話や心理的な駆け引き、予測不能な展開のスリルが中心となっていますので、安心して物語の世界に没入できます。

前作『グラスホッパー』を読んでいないと、面白さは半減しませんか?

『マリアビートル』は、続編という位置づけですが物語は独立しており、前作を読んでいなくても全く問題なく楽しめます。

この作品から殺し屋シリーズの世界に入る読者も多いです。

もちろん、『グラスホッパー』を読むと登場人物の背景がより深く理解できるため、本作を気に入ったら遡って読むのもおすすめします。

映画『ブレット・トレイン』が大好きです。原作小説のどのような点に注目すれば楽しめますか?

映画の華やかなアクションとは一味違う、小説ならではの緻密な伏線回収にぜひ注目してください。

ブラッド・ピットが演じた主人公・七尾(天道虫)をはじめ、各登場人物の心情がより丁寧に描かれています。

映画では描ききれなかった彼らの内面を知ることで、あの新幹線で起きた騒動の真相をさらに深く味わうことができます。

物語の結末はスッキリしますか?

ネタバレになるため詳細は語れませんが、伊坂幸太郎作品の大きな魅力である伏線回収は圧巻です。

バラバラに見えた出来事や会話が、終盤に向けて一本の線として繋がっていく構成は見事です。

読み終えた後には、パズルのピースが全てはまったような、爽快な読後感が待っています。

たくさん登場人物が出てくるようですが、話が複雑でわからなくなりませんか?

心配ありません。

王子や木村、蜜柑と檸檬といった登場人物は、誰もが強烈な個性を持っています。

そのため、複数の視点が入れ替わりながら進む物語でも、混乱することなく読み進めることが可能です。

むしろ、それぞれの思惑が交錯することで生まれる緊張感が、この作品の面白さを加速させます。

小説や映画の他に、舞台版もあるというのは本当ですか?

はい、2018年に舞台化されています。

疾走する新幹線という密室空間で繰り広げられる殺し屋たちの物語を、役者さんたちが生の演技で表現しました。

小説や映画とはまた違った、舞台ならではの臨場感や緊張感を味わえる作品として上演され、こちらも高い評価を得ています。

まとめ

『マリアビートル』は、疾走する新幹線という密室で、個性豊かな殺し屋たちの運命が交錯する、予測不能なエンターテイメント小説です。

特に、物語の終盤で全ての伏線が一気に繋がる瞬間の爽快感は、他では味わえない読書体験をもたらします。

この記事で作品の魅力が伝わったなら、次はぜひ特典短編が収録された角川文庫版を手に取り、日常を忘れる一気読み体験を味わってください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次