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【完全版】中山七里の御子柴シリーズを読む順番|刊行順と時系列を最新刊まで全作解説

中山七里さんの大人気リーガル・サスペンス「御子柴シリーズ」を読む順番に迷っているなら、物語が刊行された順番に読み進めるのが唯一の正解です。

この記事では、なぜ刊行順で読むべきなのかという明確な理由から、最新刊『殺戮の狂詩曲』までの全作品のあらすじ、さらに物語の鍵を握る登場人物の関係性や2つのドラマ版との違いまで、ネタバレなしでわかりやすく解説します。

どの順番で読めば、物語を100%楽しめるんだろう?

物語の伏線を余すことなく味わえる、刊行順がベストです

目次

中山七里の御子柴シリーズ、最適な読む順番は刊行順

中山七里さんの人気リーガル・サスペンス「御子柴礼司シリーズ」を楽しむなら、物語が刊行された順番に読み進めるのが最適です。

時系列と刊行順が一致しているため、主人公の過去や物語に仕掛けられた伏線を余すことなく味わえます。

御子柴弁護士シリーズを刊行順に読むべき理由は3つあります。

シリーズの根幹を成す主人公の過去の掘り下げ、作品をまたいで張り巡らされた伏線、そしてミステリーの楽しみを損なうネタバレの回避です。

これらの理由を詳しく解説します。

徐々に明かされる主人公・御子柴礼司の過去

このシリーズの魅力は、主人公・御子柴礼司のキャラクター造形の深さにあります。

彼は「死体配達人」と呼ばれた元少年犯罪者という壮絶な過去を背負っており、その事実が物語の核となっています。

1作目の『贖罪の奏鳴曲』から順番に読むことで、彼の過去が現在の「悪徳弁護士」としての行動にどう影響しているのか、その内面の葛藤や人間性の変化を丁寧に追体験できます。

彼の複雑な人物像を深く理解するためには、刊行順で物語を追うことが欠かせません。

いきなり途中の作品から読んでも大丈夫ですか?

登場人物の心情の変化を深く理解するために、1作目から読むのがおすすめです

刊行順に読み進めることで、御子柴礼司という人物の苦悩と成長の軌跡を最も深く感じ取れるのです。

シリーズ全体の伏線を最大限に楽しむ構成

御子柴シリーズは、一話完結の法廷ミステリーとして楽しめるだけでなく、シリーズ全体を通して巧妙な伏線が張り巡らされている点も特徴です。

過去の作品で描かれた事件や登場人物が、後の作品で思いがけない形で再登場し、物語に深みを与えます。

例えば、ある事件で関わった人物が、数年後の別の事件で重要な証人になることもあります。

刊行順に読むことで、作者である中山七里さんが仕掛けた巧妙なプロットを一つも見逃すことなく楽しめます。

時系列に沿って物語を追うことで、点と点が線でつながっていくような、シリーズ作品ならではの醍醐味を最大限に味わうことができます。

重大なネタバレの確実な回避

ミステリー作品を読む上で、物語の核心に触れるネタバレは読書体験の価値を大きく左右します

御子柴シリーズは各作品で衝撃的な結末が描かれるため、刊行順を無視して新しい作品から読むと、過去の事件の真相や登場人物の運命を知ってしまう可能性があります。

特に、シリーズの根幹である御子柴の過去に関する重要な情報が、後の作品で明かされることもあります。

せっかくの読書時間を最高のものにするためにも、ネタバレを確実に避けられる刊行順で読み進めるのが、最も安全で賢い読み方です。

最新刊を含む御子柴シリーズ全6作品の刊行順とあらすじ

中山七里さんの御子柴シリーズの面白さは、作品を重ねるごとに主人公・御子柴礼司の過去や人間性が深く掘り下げられていく点にあります。

そのため、物語の魅力を最大限に味わうには、刊行された順番で読み進めることが最もおすすめです。

ここからは、各作品のあらすじを順番に紹介しますので、ぜひこの順番で手に取ってみてください。

第1作 贖罪の奏鳴曲

シリーズの記念すべき第1作であり、悪徳弁護士・御子柴礼司が法曹界にその名を轟かせるきっかけとなる物語です。

どんな依頼人でも勝訴に導く一方、法外な報酬を請求する彼の弁護士としてのスタイルと、「死体配達人」と呼ばれた衝撃的な過去が明かされます。

物語のすべての始まりである今作は、単行本が2011年12月に刊行されました。

保険金殺人事件の弁護を引き受けた御子柴が、その辣腕ぶりを発揮する裏で、彼の過去を知る人物たちが動き始めます。

元少年犯罪者の弁護士って、どんな人物なの?

常識がまったく通用しない、まさに悪魔のような弁護士です。

まずはこの作品から、中山七里さんが創り上げた唯一無二の主人公、御子柴礼司の世界に足を踏み入れてみましょう。

第2作 追憶の夜想曲

今作のテーマは、敗色濃厚な医療過誤訴訟です。

御子柴は少年院時代の恩師である稲見武雄の依頼を受け、困難な裁判に挑みます。

法廷で対峙するのは、彼の過去を知る因縁の検事。

前作では見えなかった御子柴の人間的な葛藤や恩師への想いが垣間見える、シリーズの奥行きを深める一作です。

単行本は2013年11月に発売されました。

悪徳弁護士として非情に徹する彼の行動原理に、新たな光が当たります。

ただの悪徳弁護士じゃないってこと?

彼の行動原理や、心の奥底にある葛藤に触れられます。

第1作で抱いた御子柴礼司への印象が、良い意味で裏切られるかもしれません。

第3作 恩讐の鎮魂曲

シリーズの核心に迫る、衝撃的な展開が待ち受ける作品です。

御子柴のもとに舞い込んだのは、かつて彼自身が「園部信一郎」として犯した幼女殺害事件の被害者遺族からの弁護依頼でした。

自身の罪と真っ向から向き合うことを余儀なくされた御子柴が、どのような決断を下すのかが見どころです。

単行本は2016年3月に刊行されました。

過去と現在が交錯し、御子柴礼司という人間の本質が鋭く描き出される、シリーズの大きな転換点となる物語です。

まさに「恩讐」をテーマにした本作を読むことで、御子柴が背負う罪の重さと、彼が弁護士を続ける理由の一端に触れることができます。

第4.作 悪徳の輪舞曲

母親を殺害したとして逮捕された少年。

彼が送致されたのは、かつて御子柴が「園部信一郎」として収容されていた医療少年院でした。

御子柴は少年の弁護を通して、過去の自分自身の姿を重ね合わせることになります。

単行本が2018年3月に発売された今作は、少年犯罪という重いテーマを扱いながら、事件の裏に隠された意外な真実を解き明かしていくリーガル・サスペンスとしての魅力にあふれています。

自身の過去と向き合わざるを得ない状況で、御子柴が示す弁護士としての信念と、元犯罪者としての苦悩が生々しく伝わってきます。

第5作 復讐の協奏曲

今度の依頼人は、なんと少年時代の御子柴を裁いた元裁判官でした。

殺人容疑をかけられた恩讐の相手を弁護するという、皮肉に満ちた状況に置かれます。

法廷は検察官による御子柴への「復讐」の舞台となり、息をのむような頭脳戦が繰り広げられます。

単行本は2020年11月に刊行されました。

過去の因縁が複雑に絡み合い、二転三転するストーリーから目が離せません。

敵だった人を弁護するなんて、面白そう!

過去の因縁が複雑に絡み合う、見事な構成です。

これまでのシリーズで張り巡らされた伏線が見事に結びついていく、圧巻の法廷劇を楽しめる一作です。

第6作 殺戮の狂詩曲

2024年5月時点で刊行されている、シリーズ最新刊です。

御子柴は、6人を殺害したとされる被告人の弁護を担当します。

しかし、被告人は「自分が殺したのは8人だ」と主張し、供述に2人の誤差があるという不可解な状況。

シリーズ史上最も凶悪な事件の裏に隠された真実を、御子柴が解き明かしていきます。

単行本は2023年3月に発売されました。

混迷を極める事件を前に、悪徳弁護士の推理が冴えわたります。

物語は新たな局面を迎え、御子柴礼司の次なる闘いへの期待が高まります。

シリーズを追いかけてきた読者を決して裏切らない、最高の読書体験が待っています。

物語の鍵を握る主要登場人物の関係性

このシリーズの魅力は、主人公・御子柴礼司を取り巻く人間関係にあります。

彼の過去を知りながらも、それぞれの立場で彼と関わる主要な登場人物たちを理解することが、物語を深く味わうための鍵となります。

彼らの存在が、ただの悪徳弁護士ではない御子柴礼司の多面的な人間性を浮き彫りにしていきます。

御子柴礼司(元「死体配達人」の悪徳弁護士)

主人公の御子柴礼司(みこしば れいじ)は、どんな裁判でも勝訴に導く腕利きの弁護士ですが、その手法は悪辣で法外な報酬を請求します。

彼の本性は、かつて14歳で幼女を殺害し「死体配達人」と呼ばれた元少年犯、園部信一郎(そのべ しんいちろう)です。

この壮絶な過去が、彼の行動原理や価値観のすべてに深く影響を与えています。

なぜ彼はそんな過去を背負って弁護士になったんだろう?

その謎こそが、シリーズ最大の魅力であり、読み進める手がかりになります。

贖罪のためなのか、それとも別の目的があるのか、彼の真意を探りながら読み進めるのがこのシリーズの醍醐味です。

日下部洋子(事務所を支える事務員)

日下部洋子(くさかべ ようこ)は、御子柴法律事務所で働く唯一の事務員です。

彼女は偶然、御子柴が「死体配達人」であるという過去を知ってしまいますが、衝撃を受けながらも彼の側で働き続けることを選びます。

給料が破格の月給100万円という設定も、彼女が事務所に留まる一因となっています。

普通なら逃げ出すのに、どうして一緒にいられるの?

彼女なりの正義感と、御子柴の弁護士としての信念を間近で見るうちに、特別な絆が芽生えていきます。

御子柴の最も身近な理解者であり、読者にとって感情移入しやすい視点を提供する重要なキャラクターといえます。

稲見武雄(御子柴の過去を知る恩師)

稲見武雄(いなみ たけお)は、御子柴が医療少年院にいた頃の担当教官でした。

誰に対しても不遜な態度をとる御子柴が、唯一「先生」と呼び、頭が上がらない存在です。

稲見は御子柴の更生を信じ、弁護士になった後も父親のように彼を気にかけています。

御子柴にも心を開ける相手がいたんだね。

稲見とのやり取りから、御子柴の人間らしい一面が垣間見えるのも見どころの一つです。

稲見は、御子柴のかつての罪と現在の姿をつなぐ、彼の良心の象徴のような人物です。

谷崎完吾(御子柴の後ろ盾となる元弁護士会長)

谷崎完吾(たにざき かんご)は、東京弁護士会の元会長です。

弁護士会で常に問題視される御子柴の悪辣な手法を、「必要悪」として認め、彼の能力を高く評価しています。

時に御子柴を擁護し、彼の活動を陰で支える後見人のような役割を果たします。

偉い人が味方なら心強いね。

谷崎の存在が、御子柴が弁護士として活動し続けられる大きな要因になっています。

彼の後ろ盾があるからこそ、御子柴は常識外れの法廷戦術を繰り広げられるのです。

小説との違いも解説、2つの実写ドラマ版

御子柴礼司シリーズは、これまでに2度も実写ドラマ化されており、それぞれ異なる俳優が主人公を演じています。

どちらの作品も小説とはまた違った魅力があり、原作ファンはもちろん、ドラマからシリーズを知った方でも楽しめます。

小説を読んでからドラマを観ると、キャラクターや物語の解釈の違いを楽しめるため、まずは原作から読み進めるのがおすすめです。

三上博史主演のWOWOW版「贖罪の奏鳴曲」

2015年にWOWOWの「連続ドラマW」枠で放送されたのが、三上博史さん主演の『贖罪の奏鳴曲』です。

このドラマは、原作第1作『贖罪の奏鳴曲』の物語をベースに、全4話で濃密に映像化しています。

三上博史さんの演技は、原作が持つ御子柴礼司の不気味さや冷徹さを見事に表現しており、重厚で骨太なサスペンスを味わうことができます。

原作のダークな雰囲気が好きなら、こっちが合いそう

はい、小説の持つシリアスな世界観をじっくり楽しみたいなら、間違いなく満足できる作品ですよ。

物語の核心を丁寧に描いているため、原作ファンからの評価も高く、シリーズの入門編としても見ごたえのあるドラマです。

要潤主演のフジテレビ版「悪魔の弁護人 御子柴礼司」

2019年に東海テレビ・フジテレビ系の「オトナの土ドラ」枠で放送されたのが、要潤さん主演の『悪魔の弁護人 御子柴礼司 〜贖罪の奏鳴曲〜』になります。

こちらはシリーズ第1作から第4作までを原作としており、ドラマオリジナルの展開も加えられています。

最大の特徴は、要潤さん演じる御子柴に、原作にはない人間味や少しコミカルな一面が加えられている点です。

WOWOW版とは対照的に、スピーディーな展開でエンターテインメント性が高く、より多くの人が見やすい作品に仕上がっています。

ドラマから入るなら、こっちの方が見やすいかもしれないですね

そうですね、テンポの良い法廷劇を楽しみたい方や、初めて御子柴シリーズに触れる方には特におすすめです。

原作の核となるテーマは大切にしつつ、ドラマならではの新しい御子柴像を作り上げており、原作を読んだ後でも新鮮な気持ちで楽しむことができます。

御子柴礼司シリーズの物語

このシリーズの最大の魅力は、主人公・御子柴礼司の壮絶な過去と、そこから生まれる深い人間ドラマにあります。

単なる法廷ミステリーではなく、罪と償いという重いテーマを真正面から描いた物語です。

元少年犯罪者という過去を持つ弁護士が、どのようにして事件と向き合い、自らの過去と対峙していくのか。

そのスリリングな展開と、中山七里さんならではの鮮やかな結末が、多くの読者を惹きつけてやみません。

元少年犯罪者が主人公の異色リーガル・サスペンス

この物語の主人公・御子柴礼司は、かつて「死体配達人」と呼ばれた幼女殺害事件の犯人という衝撃的な過去を持つ弁護士です。

どんな手を使っても依頼人を勝訴に導く一方で、法外な報酬をふっかける悪徳弁護士として知られています。

彼がなぜ弁護士の道を選んだのか、その胸の内に秘めた思いが、シリーズを通して少しずつ明らかになっていくのです。

元少年犯罪者が弁護士なんて、一体どういうことなの?

その常識はずれな設定こそが、この物語の最大の魅力なんです。

御子柴礼司というアンチヒーローの存在が、ありきたりな勧善懲悪では終わらない、複雑で深みのあるリーガル・サスペンスを生み出しています。

中山七里ならではの鮮やかな展開と結末

「どんでん返しの帝王」の異名を持つ中山七里さんの作品らしく、このシリーズも読者の予想を鮮やかに裏切る驚きの展開が満載です。

緻密に張り巡らされた伏線が、ラストで一気につながるカタルシスは格別です。

特に法廷での論戦は圧巻で、不利な状況を次々と覆していく御子柴の手腕には、思わず引き込まれてしまいます。

一つひとつの事件が驚きの結末を迎えるのはもちろん、シリーズ全体を貫く大きな謎も存在します。

ページをめくる手が止まらなくなる、極上のミステリー体験があなたを待っています。

よくある質問(FAQ)

もし刊行順以外で読んでしまったら楽しめませんか?

もちろん楽しめます。

各作品は一つの事件が解決する形で完結しているため、どの巻から読んでもミステリーとして成立します。

ただし、主人公である御子柴礼司の過去や登場人物との関係性はシリーズを通して少しずつ変化していきます。

もし途中の作品から読んだ場合は、後から最初の巻に戻ることで「あの時の言動にはこんな背景があったのか」という新たな発見を楽しむことができます。

御子柴礼司のような悪人が主人公だと、気が滅入りませんか?

御子柴礼司は「死体配達人」という過去を持つ異色の主人公ですが、物語は決して暗いだけではありません。

彼の悪徳弁護士としての活躍の裏には、彼なりの信念や人間的な葛藤が描かれています。

シリーズを読み進めるうちに、単なる悪人ではない彼の多面的な魅力に気づくはずです。

むしろ、勧善懲悪の物語に飽きた方にこそ、おすすめしたい人間ドラマがここにあります。

最新刊『殺戮の狂詩曲』だけまだ文庫化されていないのはなぜですか?

一般的に、小説は単行本が発売されてから2〜3年後に文庫化されることが多いです。

2023年3月に単行本が発売された最新刊『殺戮の狂詩曲』も、この流れに沿っていると考えられます。

早く続きが読みたい方は単行本を、手軽に楽しみたい方はもう少し待って文庫本を手に入れるのが良いでしょう。

他の中山七里作品との関連性はありますか?

現時点では、御子柴礼司シリーズは他のシリーズとは交わらない独立した物語として展開されています。

そのため、他の中山七里作品を読んでいなくても、このシリーズの世界観に深く没入することが可能です。

まずは御子柴弁護士の物語に集中して、その唯一無二の魅力をご堪能ください。

ドラマ版から観ても楽しめますか?

はい、楽しめます。

ただし、小説の巧妙な伏線や登場人物の細やかな心理描写を最大限に味わうには、先に原作を読むことをおすすめします。

小説を読んだ後で、三上博史さん主演のWOWOW版や、要潤さん主演のフジテレビ版を観ると、キャストによるキャラクター解釈の違いや映像ならではの表現を発見できます。

2つのドラマを見比べるのも面白い体験になります。

法律の知識がなくても、法廷の場面についていけますか?

全く問題ありません。

このシリーズの面白さは、専門的な法律論争ではなく、御子柴礼司の常識破りな弁護術や、二転三転するスリリングな物語展開にあります。

裁判のルールや法律用語は、物語の中で自然に理解できるように説明されます。

法律に詳しくなくても、極上のエンターテインメントとして最後まで楽しむことができます。

まとめ

中山七里さんの人気リーガル・サスペンス「御子柴シリーズ」の魅力を最大限に味わうには、物語が刊行された順番に読み進めるのが唯一の正解です

この記事では、元少年犯罪者という主人公の壮絶な過去やシリーズ全体の伏線を余すことなく楽しむための情報を、ネタバレなしで網羅的に解説しました。

この記事を参考に、まずは第1作『贖罪の奏鳴曲』から手に取り、悪徳弁護士・御子柴礼司が織りなす唯一無二のリーガル・サスペンスの世界に足を踏み入れてみてください。

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