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道尾秀介『鬼の跫音』ネタバレなし感想|6つの怖い話が面白い傑作短編集

仕事で疲れた心を忘れ、物語の世界に没入したい方にとって、『鬼の跫音』は最高の選択肢です。

この本の最大の魅力は、全6編すべてに仕掛けられた衝撃のどんでん返しにあります。

この記事では、単なる怖さだけではない、「鬼」にならざるを得なかった人々の切ない背景が生み出す独特の読後感や、短編集ならではの読みやすさを解説します。

どんな話が収録されているのか気になるな

管理人

はい、この記事を読めば全6編のあらすじがネタバレなしでわかりますよ

目次

道尾秀介『鬼の跫音』は日常を忘れさせる傑作短編集

仕事の疲れを忘れ、物語の世界に心ゆくまで浸りたいあなたにとって、『鬼の跫音』がなぜ最高の選択肢なのか。

その理由は、巧みなどんでん返し、心に深く刻まれる独特の読後感、そして短編集ならではの読みやすさと考察の楽しさにあります。

これらの要素が絡み合い、日常を忘れさせてくれるほどの没入感を生み出すのです。

これから、この小説が多くの読者を惹きつけてやまない3つの魅力を詳しく解説していきます。

結末が衝撃的な6つのどんでん返し

どんでん返しとは、物語の最後に読者の予想を根底から覆すような、驚きの結末が明かされる手法を指します。

『鬼の跫音』には、そんな衝撃の結末が6編すべてに仕掛けられています。

物語の随所に散りばめられた伏線が最後に一気につながり、思わず「そうだったのか!」と声を上げてしまう快感を味わえるでしょう。

本当に全部の話で騙されるの?

管理人

はい、一筋縄ではいかない結末が待っています。

読者を巧みに誘導し、最後に鮮やかに裏切る物語の構成は、ミステリー好きにはたまらない魅力です。

恐怖と切なさが残す独特の読後感

この短編集の魅力は、単なる怖さだけではありません。

物語の根底には、「鬼」にならざるを得なかった人々の悲しい運命という共通のテーマが流れています。

背筋が凍るような怖い展開の中に、登場人物たちの切ない感情が丁寧に描かれており、読者は恐怖と同時に胸が締め付けられるような感覚を覚えます。

暗澹としていて妖艶な雰囲気も漂う。
絶対にゾッとする結末が待っているのだろうなと怯えながらも、その雰囲気と物語の行く末が気になって、ついつい読み切ってしまう。
おもしろかったです。
ひゃ~って悲鳴をあげたくなるけれど、結末が衝撃ありすぎて、結果的におもしろかったなと思える読後感の数々。

この恐怖と切なさの絶妙なバランスが、『鬼の跫音』ならではの忘れがたい独特の読後感を生み出しています。

短編集ならではの読みやすさと深い考察要素

短編集であるため、1話が数十ページで完結します。

通勤時間や就寝前のわずかな時間でも、集中して物語の世界に没入できるのが嬉しいポイントです。

しかし、ただ読みやすいだけではありません。

6編の物語には、謎の人物「S」と「鴉」が共通して登場します。

これらのモチーフが各話を緩やかに結びつけ、物語全体の深い謎を生み出しているのです。

「S」や「鴉」にはどんな意味があるんだろう?

管理人

その謎を考えるのが、この本のもう一つの楽しみ方です。

それぞれの物語を楽しみながら、作品全体に隠された仕掛けについて考察する、二重の面白さを提供してくれます。

『鬼の跫音』に収録された全6編のネタバレなしあらすじ

『鬼の跫音』に収録されている6つの物語は、それぞれが独立した短編でありながら、読む順番によって異なる味わいを感じさせます。

各話に散りばめられた「S」という人物や「鴉」の影が、作品全体に不穏な統一感を与えており、すべての物語で待ち受ける衝撃のどんでん返しが、あなたの日常を忘れさせてくれます。

どの物語も、人間の心の奥底に潜む「鬼」の正体を描き出しており、読み終えた後には恐怖と切なさが入り混じった、言葉にできない余韻が残るでしょう。

第一話 鈴虫

11年前に起きたある事件の真相を知っているのは、美しい音色で鳴く鈴虫だけかもしれません。

静かに進行する物語の中に張り巡らされた伏線が、最後に衝撃的な真実を浮かび上がらせます。

鈴虫の鳴き声が事件の鍵になるの?

管理人

美しい音色が、ゾッとするような真実を暗示します

静かな恐怖がじわじわと心を侵食してくるような、不気味で美しい一編です。

物語の始まりを飾るにふさわしい、作品の世界観へと引き込まれることでしょう。

第二話 犭(ケモノ)

刑務所で作られた一脚の椅子。

偶然見つかったその椅子に隠された印が、43年も前の惨殺事件の記憶を呼び覚まします。

「犭(ケモノ)」という不穏なタイトルが意味するものとは一体何なのでしょうか。

古い椅子が事件の真相を語るなんて、どういうことだろう?

管理人

何気ない日用品に隠された印が、悲しい物語を呼び起こします

人間の内側に潜むどうしようもない衝動と、その裏にある悲しい運命が描かれています。

やるせない気持ちとともに、物語の巧みさにため息が出る結末です。

第三話 よいぎつね

主人公が思い出すのは、20年前の故郷での出来事です。

土の下に埋められたものは何だったのか、幻想的でどこか懐かしい風景の中に、じっとりとした恐怖が潜んでいます。

昔話みたいで、どこか懐かしいのに怖い感じがする…

管理人

昔の思い出が、全く違う顔を見せることがあります

日本の古い伝承を思わせるような、妖しく美しい世界観が魅力の物語です。

記憶の曖昧さが、静かな恐怖となって背筋を凍らせます。

第四話 箱詰めの文字

招き猫の中から見つかった奇妙なメモをきっかけに、事態は二転三転していきます。

誰が本当のことを言っているのか、何が真実なのかがわからなくなる巧みな構成に、最後まで翻弄されます。

何が本当で何が嘘なのか、わからなくなりそう

管理人

信じていたものが覆される快感を味わえます

まるでパズルを組み立てるように物語が進み、最後のピースがはまった瞬間に見える景色に驚くはずです。

ミステリーの醍醐味が詰まった一編といえます。

第五話 冬の鬼

この物語は、日付を遡る形式の日記によって綴られます。

九州の片田舎で静かに暮らす男女の、純粋すぎる愛の本当の姿が、ページをめくるごとに明らかになるのです。

時間を遡る日記って、どういう結末が待っているんだろう?

管理人

読み進めるほどに、二人の愛の本当の形が見えてきます

読み終えた時、物語の始まりと終わりが繋がり、タイトルの本当の意味に気づくでしょう。

その切ない結末は、心に深く刻み込まれます。

第六話 悪意の顔

クラスメイトから受ける執拗ないじめ。

その先に待つのは救いか、それともさらなる絶望でしょうか。

「世にも奇妙な物語」を思わせる怪談風味の展開で、純粋な悪意の恐ろしさが描かれます。

一番身近な人間関係の怖さが描かれているのかな…

管理人

ハッピーエンドを期待した先に、衝撃が待っています

希望が見えたと思った瞬間に、すべてが反転する結末に言葉を失います。

読後に残る後味の悪さこそが、この物語の最大の魅力です。

『鬼の跫音』の書籍情報

この作品をどの形式で手に入れるかを選ぶことは、読書体験の最初のステップです。

自分の読書スタイルに合った形式を選ぶことが、物語を最大限に楽しむための鍵となります。

本書の著者である道尾秀介さんの紹介と、作品を読むための3つの選択肢について解説します。

どの形式にもそれぞれの良さがありますので、ご自身のライフスタイルに最適なものを選んで、物語の世界へ飛び込んでみてください。

著者・道尾秀介の紹介

『鬼の跫音』の独特な世界観を生み出したのは、作家の道尾秀介さんです。

道尾さんは、2011年に『月と蟹』で第144回直木三十五賞を受賞した経歴を持つ、日本を代表するミステリー作家のひとりです。

緻密に計算された伏線と、読者の予想を鮮やかに裏切る結末が多くのファンを魅了しています。

道尾秀介さんの作品は初めて読むけど、どんな作風なのかな?

管理人

人間の心理を深く描いた、心に残るミステリー作品が多いですよ。

代表作には『向日葵の咲かない夏』や『カラスの親指』などがあり、いずれも高い評価を得ています。

『鬼の跫音』は道尾さんにとって初めての短編集であり、その卓越したストーリーテリングを手軽に味わうのに最適な一冊と言えるでしょう。

単行本・文庫本・電子書籍の選択肢

『鬼の跫音』は、単行本、文庫本、そして電子書籍という3つの形式で楽しむことが可能です。

紙の質感やページをめくる感触を大切にしたい方には単行本や文庫本が、通勤時間などの隙間時間で手軽に読書を進めたい方には電子書籍が向いています。

特に電子書籍は、購入後すぐに読み始められる手軽さが大きな利点です。

どれで読むのが自分には合っているんだろう?

管理人

手軽さを重視するなら、いつでもどこでも読める電子書籍がぴったりです。

週末に腰を据えて作品の世界に浸りたい場合は文庫本、忙しい平日は電子書籍といったように、生活の場面に応じて使い分けるのも良い方法です。

ご自身の読書習慣に合わせて、最適な一冊をお選びください。

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