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有川浩『植物図鑑』のあらすじを5分で解説|小説と映画の違いや感想も

仕事で疲れた帰り道、もし素敵な男性が「拾ってください」と待っていたら…そんな夢のような出会いを描いた有川浩さんの『植物図鑑』は、日々の生活に潤いを求める方にぴったりの物語で、忘れかけていたときめきを思い出させてくれます。

この記事では、小説と映画のあらすじから登場人物の魅力、心温まる感想まで、物語の全体像が5分でわかるように解説します。

小説と映画、どっちから楽しむのがいいんだろう?

それぞれの魅力を比較しながら、あなたにぴったりの楽しみ方が見つかります

目次

有川浩『植物図鑑』が日常にくれる癒やしとときめき

仕事で疲れた帰り道、もし素敵な男性が「拾ってください」と待っていたら…そんな夢のような出会いから始まる有川浩さんの『植物図鑑』は、多くの読者の心を掴んでいます。

平凡な毎日を送る主人公の前に突然現れた青年との共同生活が、忘れかけていたときめきを思い出させてくれる点が、この物語の大きな魅力です。

この作品がなぜこれほどまでに愛されるのか、その秘密を3つのポイントに絞って解き明かしていきます。

物語を読むと、道端の草花を見る目が変わり、何気ない日常が少しだけ色鮮やかに感じられるようになります。

日々の生活に潤いを求める方にこそ、触れてほしい物語です。

「運命の恋、ひろいました」から始まる物語

物語は、ごく普通のOLである河野さやかが、冬の夜、マンションの前で行き倒れている青年・樹(イツキ)を見つける場面から始まります。

「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 咬みません。

躾のできたよい子です」という、彼の少し変わった自己紹介が、二人の出会いのきっかけでした。

ありえないシチュエーションから始まるこの物語は、現実では起こらないからこそ読者の心を強く惹きつけ、ページをめくる手を止めさせません。

都会の喧騒の中で忘れかけていた、純粋な恋の始まりに胸が高鳴ります。

こんな出会い、現実にはありえないけど憧れるな…

フィクションだからこそ味わえる、最高のときめきがここにあります

このドラマチックな冒頭が、読者を一瞬で『植物図鑑』の世界へと誘うのです。

野草に詳しく料理上手な青年・樹(イツキ)の魅力

さやかに拾われた青年、日下部樹(イツキ)は、この物語の魅力を語る上で欠かせない存在です。

彼は野草に関する豊富な知識を持ち、摘んできた草花で手際よく絶品の料理を作り上げます。

彼の正体は有名な華道家の長男ですが、家を飛び出して放浪しているというミステリアスな一面も持っています。

その優しい笑顔の裏に隠された秘密と、家庭的な一面とのギャップが、主人公のさやかだけでなく、多くの読者の心をも掴んで離しません。

なんでもできてミステリアスなんて、好きにならないわけがない…

イツキの存在そのものが、この物語最大のスパイスになっています

ただ優しいだけでなく、どこか影のあるイツキのキャラクターが、物語に深みを与えています。

心もお腹も満たす美味しそうな野草料理

『植物図鑑』は恋愛小説であると同時に、読者の食欲をそそるグルメ小説でもあります。

イツキが作る野草料理の数々は、物語のもう一つの主役と言えるでしょう。

ふきのとうの天ぷら、ノビルのパスタ、ワラビのおひたしなど、作中には数々の美味しそうなレシピが登場します。

2015年7月時点で累計発行部数が80万部を突破した背景には、この野草料理の魅力も大きく貢献しています。

道端の草がこんな美味しそうな料理になるなんて驚き!

物語を読んだ後、いつもの道が宝物の山に見えてきますよ

イツキが作る料理は、さやかのお腹を満たすだけでなく、二人の心の距離を縮める大切な役割を担っているのです。

小説『植物図鑑』のあらすじと登場人物

この物語の魅力は、何気ない日常の中で始まる特別な恋と、それを彩る個性豊かな登場人物たちです。

特に、主人公さやかと謎の青年・樹が育む関係性の変化が、読者の心を温かく包み込みます。

ここでは、物語の結末や主要な登場人物、さらには書籍の形態による違いについて詳しく解説します。

ネタバレなしでわかる物語の結末

物語は、行き倒れていた青年・樹をOLのさやかが拾うという、少し変わった出会いから始まります。

ふたりの同居生活は、野草を使った美味しい料理を通して穏やかに進んでいきますが、物語の結末は幸せな未来を予感させるものです。

同居から半年が過ぎ、お互いをかけがえのない存在だと感じ始めた矢先、樹は突然さやかの前から姿を消してしまいます。

しかし、これは別れではありません。

約1年後、彼は約束通りさやかのもとへ戻り、ふたりの物語は新たなステージへと進むのです。

結局、二人はどうなるの?

ハッピーエンドなので安心して読み進めてくださいね

ふたりの恋の行方はもちろん、樹が抱えていた秘密が明らかになる過程も大きな見どころです。

主人公のOL・河野さやか

河野さやかは、不動産会社に勤めるごく普通のOLです。

彼女は読者が自分自身を重ね合わせやすい等身大のキャラクターとして描かれています。

ソースによると彼女は26歳で都会育ち、料理や家事は少し苦手という設定です。

そんな彼女が、樹との出会いをきっかけに野草採集とその料理に夢中になり、日々の生活に彩りを見つけていく姿に共感する読者は少なくありません。

さやかの視点を通して語られる物語は、読者自身の体験のように心に響きます。

謎を秘めた青年・日下部樹

日下部樹は、さやかに拾われるミステリアスな青年です。

彼の魅力は、豊富な植物の知識とプロ級の料理の腕前にあります。

彼は道端の野草を摘み、それらを次々と絶品料理に変えてしまいます。

その優しい笑顔の裏には、実は有名な華道家の長男という背景を隠しており、家を飛び出して放浪していました。

このギャップが、彼のキャラクターを一層魅力的に見せています。

こんな人が本当にいたらいいのに…

樹の存在こそが、この物語の最大の魅力です

樹が作る美味しそうな野草料理の数々は、さやかだけでなく、読者のお腹と心をも満たしてくれます。

出版社による違い・角川書店の単行本と幻冬舎の文庫

有川浩の『植物図鑑』は、角川書店から単行本が、幻冬舎から文庫本が出版されています。

物語の内容は同じですが、本のサイズや価格、デザインが異なります

単行本は2009年に、文庫本は2013年にそれぞれ発行されました。

単行本はイラストレーターのカスヤナガトさんによる美しい表紙が特徴で、じっくりと作品の世界に浸りたい方におすすめです。

どっちを買えばいいんだろう?

まずは手軽な文庫版から手に取ってみるのがおすすめですよ

どちらの形式を選んでも、物語の感動は変わりません。

自分の読書スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。

映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の魅力

有川浩さんの原作小説が持つ温かい世界観はそのままに、映像ならではの美しい風景や美味しそうな料理が加わったのが映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』です。

何よりも、主演を務めた岩田剛典さんと高畑充希さんが織りなす自然な空気感が、観る人の心を優しく包み込みます。

小説を読んだ方はもちろん、まだ物語に触れたことがない方でも、きっと二人の恋模様に引き込まれていくはずです。

映画の基本情報とあらすじ

映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』は、2016年6月4日に公開され、興行収入22億円を記録する大ヒットとなりました。

監督は数々の恋愛映画を手掛けてきた三木康一郎さんです。

基本的な物語の流れは原作に忠実で、OLのさやかがマンションの前で行き倒れていた樹を拾うところから始まります。

映像になることで、春の野原に咲くつくしやふきのとうといった野草の瑞々しさ、そしてイツキが作る野草料理の湯気や香りまで伝わってくるかのような臨場感が味わえます。

原作の優しい雰囲気を大切にしながら、誰もが楽しめるエンターテイメント作品として仕上がっています。

主演キャスト・岩田剛典と高畑充希

本作の大きな魅力は、主人公二人を演じたキャストにあります。

ミステリアスな青年・日下部樹役を演じたのは、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの岩田剛典さんです。

また、ごく普通のOL・河野さやか役は、確かな演技力で人気の高畑充希さんが務めました。

二人が見せる自然体の演技は、まるで原作から飛び出してきたかのような説得力があり、多くの観客を魅了しました。

その演技力は高く評価され、第40回日本アカデミー賞では二人が新人俳優賞を受賞するという快挙を成し遂げています。

原作ファンの私としては、キャストがイメージと違ったらどうしようって思っちゃうな。

岩田さんと高畑さんのコンビは、まるで原作から飛び出してきたかのようなハマり役ですよ。

二人が作り出す穏やかで温かい空気感が、この映画の感動をより一層深いものにしています。

小説版と映画版のストーリーの違い

映画版は、原作の魅力を尊重しつつ、約2時間という上映時間に物語を収めるために、いくつかの変更点があります。

大きなストーリーラインは変わりませんが、細かなエピソードや登場人物の背景描写に違いが見られます。

例えば、小説では半年間の同居生活が丁寧に描かれますが、映画では物語がよりテンポ良く進むように期間が凝縮されています。

また、樹がさやかのもとを去ってから再会するまでの時間も、映画版の方が短く設定されている点が特徴です。

このような違いを知っておくと、両方の作品をより深く楽しめるでしょう。

小説と映画、それぞれに違った良さがありますので、ぜひ見比べてみてください。

主題歌・Flower『やさしさで溢れるように』

映画の感動的なラストを彩るのが、主題歌であるFlowerの『やさしさで溢れるように』です。

この曲はもともとJUJUさんのヒット曲であり、その名曲をFlowerがカバーしました。

切なくも温かい歌声と、「あなたがそこにいるだけで心が満たされていく」という歌詞の世界観が、さやかと樹の互いを想う純粋な気持ちと完璧に重なります。

この主題歌は、2016年のヒットソングとして映画と共に多くの人々の心に刻まれました。

映画を観終わった後も、この曲を聴くたびに二人の幸せな日々が思い出され、優しい気持ちに包まれます。

『植物図鑑』に寄せられた感想と評価

小説と映画、それぞれに寄せられた感想や評価は、この物語が持つ温かさを物語っています。

実際に作品に触れた人たちの「生の声」は、あなたが『植物図鑑』の世界へ一歩踏み出すための、素敵な道しるべになるはずです。

小説も映画も、それぞれの媒体の良さを活かして物語の魅力を伝えており、多くの人々の心に癒やしとときめきを届けていることがわかります。

小説を読んだ人の心温まる口コミ

小説版『植物図鑑』は、文字を通して読者の心にじんわりと温かい感動を届けます。

特に、登場人物たちの心の機微や、食欲をそそる野草料理の丁寧な描写が多くの読者の心を掴んでいます。

読書管理サイト「読書メーター」には、8,500件を超える感想・レビューが登録されており、その多くが物語の世界観を絶賛するものです。

小説を読むと、普段の景色まで変わって見えるの?

はい、何気ない道草が宝物のように感じられるようになりますよ。

多くの読者が、さやかとイツキの甘くて少し切ない恋愛模様と、自然の恵みを感じられる料理の数々に、日々の疲れを癒やされています。

映画を観た人のレビュー

映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』は、原作の持つ優しい雰囲気を大切にしながら、映像ならではの鮮やかな色彩と音楽で物語を彩ります。

興行収入22億円を記録するヒット作となり、主演の岩田剛典さんと高畑充希さんは、この作品で第40回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しました。

キャストが原作のイメージと合っているか心配…

岩田さんと高畑さんの自然な演技は、まさに原作から飛び出してきたかのようで安心できます。

主演二人の魅力的な演技はもちろん、美しい日本の四季の風景と心に響く音楽が一体となり、観る人の心を優しく包み込む作品として高い評価を得ています。

心に残る二人の名言

『植物図鑑』には、さやかとイツキの心温まるやり取りの中に、日常に隠れた幸せを気づかせてくれる印象的な言葉が散りばめられています。

物語を象徴するこれらの名言は、多くのファンの心に深く刻まれています。

これらの言葉は、作品を鑑賞した後もふとした瞬間に思い出され、物語の感動を再び心にもたらしてくれます。

『植物図鑑』の世界をもっと楽しむ方法

『植物図鑑』の物語を味わう方法は、一つだけではありません。

物語の原点である小説はもちろん、映像で感動を味わえる映画、ビジュアルで楽しめる漫画と、多彩なメディアで展開されています。

まずは有川浩さんが紡いだ言葉の世界である原作小説から触れてみるのがおすすめです。

どの入口からでも『植物図鑑』の優しい世界に触れることができますので、ご自身の好みやライフスタイルに合わせて選んでみてください。

まずは有川浩の原作小説

物語のすべてが詰まった原作小説は、登場人物の細やかな心情や、物語を彩る野草に関する豆知識が丁寧に描かれているのが魅力です。

2015年7月時点で累計発行部数は80万部を突破しており、「第1回ブクログ大賞」の小説部門大賞を受賞するなど、多くの読者から愛されています。

やっぱり小説から読むのが一番いいのかな?

はい、物語の背景や二人の心の動きを深く理解できるので、小説から入るのがおすすめです

文字で描かれる世界だからこそ、イツキが作る料理の香りや、さやかのときめきを自分なりに想像する楽しみがあります。

映像で感動する映画の視聴

小説の世界観を映像で楽しみたいなら、映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の視聴が最適です。

イツキ役を岩田剛典さん、さやか役を高畑充希さんが演じ、原作の持つ優しい雰囲気を表現しています。

2016年6月4日に公開され、興行収入22億円を記録するヒット作となりました。

映画版は小説と内容が違うの?

基本的な物語の流れは同じですが、映像ならではの美しい風景や料理のシーンは見どころです

実写化によって野草の美しさや料理の美味しさがよりリアルに伝わり、Flowerが歌う主題歌『やさしさで溢れるように』が二人の物語をさらに感動的に彩ります。

堤翔による漫画版の試し読み

活字を読むのが少し苦手な方や、気軽に物語に触れたい方には漫画版が向いています。

作画を堤翔さんが担当し、イツキとさやかの表情や仕草がビジュアルで楽しめる点が最大の魅力です。

物語は全3巻で完結しているため、空いた時間にサクッと読むことができます。

漫画版はどこで読めるの?

各種電子書籍ストアで配信されており、気軽に試し読みができますよ

小説や映画とはまた違ったテンポ感で物語が進むため、原作を読んだ方が新たな発見を求めて読むのも面白いでしょう。

よくある質問(FAQ)

『植物図鑑』に続編はありますか?

現在、有川浩さんによる小説『植物図鑑』の公式な続編は発表されていません。

物語は一冊で美しく完結しており、読者が自由に二人の未来を想像できる余韻を残しています。

作中に登場する野草のレシピは実際に作れますか?

物語に出てくる野草料理の多くは、実際に作ることが可能です。

ただし、野草を自分で採集する際には、食べられる植物と毒のある植物を正確に見分ける専門的な知識が不可欠です。

安全に楽しむためには、市販されている山菜を使うか、専門家の指導を受けてください。

映画版『植物図鑑』のロケ地はどこですか?

映画の主なロケ地は、東京都内とその近郊です。

二人が野草を採る河原のシーンは、東京都調布市の多摩川周辺で撮影されました。

物語の持つ穏やかな雰囲気を再現するために、自然豊かな場所が選ばれています。

『植物図鑑』が好きな人におすすめの有川浩さんの作品はありますか?

有川浩さんの作品には、心温まる恋愛小説が数多くあります。

『植物図鑑』の優しい世界観がお好きなら、不器用な男女の恋を描いた短編集『クジラの彼』や、ドラマ化もされた『空飛ぶ広報室』もおすすめです。

漫画版『植物図鑑』を無料で試し読みできますか?

はい、可能です。

堤翔さんが作画を担当した漫画版は、多くの電子書籍ストアで配信されています。

ほとんどのストアでは、物語の冒頭部分を無料で試し読みできるサービスが提供されていますので、お使いのサービスで検索すると見つかります。

植物の知識がなくても物語を楽しめますか?

もちろんです。

物語は、植物に詳しくない主人公の河野さやかの視点で進みます。

野草に詳しい日下部樹が一つひとつ丁寧に教えてくれるため、読者もさやかと一緒に知識を深めていくことができます。

この作品をきっかけに、植物に興味を持つ方も多いです。

まとめ

有川浩さんの『植物図鑑』は、ごく普通のOL・さやかと、道端で出会った謎の青年・樹が織りなす心温まる物語です。

何気ない日常の中で、野草を使った美味しい料理を通して育まれる二人の穏やかな恋愛模様は、日々の疲れを癒やしてくれます。

この物語が気になったなら、まずは登場人物の心情が丁寧に描かれた原作小説から、二人の優しい世界に触れてみてください。

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