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【初心者必見】辻村深月のおすすめな読む順番|失敗しない3つのルートを解説

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辻村深月さんの本は、心を揺さぶる傑作ばかりですが、作品数が多くてどれから読めばいいか迷いますよね。

あなたの目的に合わせて最適な一冊を選ぶことが、辻村作品の世界を存分に楽しむための鍵になります。

この記事では、初心者でも失敗しない3つの読書ルートを丁寧に解説しますので、まずは物語の面白さをストレートに味わえる代表作から手に取ってみましょう。

作品が多すぎて、どの順番で読めば一番楽しめるのかわからない…

大丈夫です、あなたの目的にぴったりの読書ルートが見つかりますよ

目次

あなたの目的に合った辻村深月作品の読み始め方

辻村深月さんの作品は、心を揺さぶる感動的な物語から背筋が凍るミステリーまで幅広く、どの作品から読むべきか迷いますよね。

あなたの「どんな読書体験をしたいか」という気持ちに合わせて、最適な一冊を選ぶことが、辻村作品の世界を存分に楽しむための鍵になります。

ここでは3つの読み方を紹介しますので、ご自身の目的にぴったりのルートを見つけて、読書をスタートしてみてください。

まずは感動と驚きを味わえる代表作から

辻村作品の初心者は、まず物語の面白さをストレートに味わえる代表作から手に取るのがおすすめです。

特に、多くの読者の心を掴んだ感動的なストーリーや、終盤で明らかになる巧みな伏線回収は、辻村作品の大きな魅力といえます。

代表作の多くは1冊で物語が完結しているため、複雑な人間関係に戸惑うことなく、作品の世界に没頭できるでしょう。

読書に慣れていない方でも、感動の名作から始めることで、挫折せずに辻村作品の素晴らしさを体感できます。

初めて読むから、難しい話だと挫折しちゃいそう…

大丈夫です、まずは物語の世界に没頭できる読みやすい作品から始めましょう

代表作を通してその魅力に触れることで、自然と「他の作品も読んでみたい」という気持ちが湧いてくるはずです。

作品同士のつながりを楽しむシリーズ読書

辻村作品の醍醐味の一つに、複数の作品をまたいで登場人物たちがリンクしている点が挙げられます。

ある作品では脇役だった人物が、別の作品では主人公として登場するなど、作品を読み進めるほどに世界が広がっていく仕掛けが満載です。

このつながりを知ることで、それぞれのキャラクターが持つ背景や物語の深みが増し、一度読み終えた作品も全く新しい視点から楽しめます。

例えば『スロウハイツの神様』を読んだ後に『チヨダ・コーキの記憶』を読むと、登場人物たちの過去と未来が結びつき、感動は何倍にも膨らみます。

1冊読んだけど、もっと深くこの世界を知りたくなった!

シリーズ作品を読むと、キャラクターたちの過去や未来がわかり、感動が倍増しますよ

点と点が線でつながるような驚きと興奮を味わいたい方は、ぜひシリーズでの読書に挑戦してみてください。

作家の軌跡を辿るデビュー作からの時系列読破

辻村深月という作家そのものに深く惹かれたなら、デビュー作から発表された順番に作品を読んでいく時系列読破がおすすめです。

この読み方をすると、初期作品の持つ鋭い切れ味から、作風がどのように変化し、物語が円熟していったかを作家と共に追体験できます。

2004年のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』から始まり、『ツナグ』での吉川英治文学新人賞受賞、そして『鍵のない夢を見る』での直木賞受賞を経て、『かがみの孤城』で本屋大賞に輝くまでの軌跡は圧巻です。

すっかりファンになったから、全作品を制覇してみたい!

デビュー作から読むと、後々の作品に登場する人物の原点に触れられる発見があります

辻村深月という作家の成長を感じながら、壮大な物語の世界を余すところなく楽しみたい、熱心なファンにぴったりのルートです。

最初に読む一冊に迷ったら『かがみの孤城』

これまで3つのルートを紹介しましたが、それでも「結局、どの本から手を付ければいいの?」と迷う方もいるでしょう。

もし最初の一冊を決めかねているなら、2018年に本屋大賞を受賞した『かがみの孤城』から読み始めることを強くおすすめします。

この作品は、学校に居場所がなくなった中学生たちが、鏡の向こうの城で出会うファンタジー要素あふれる物語です。

読みやすい設定でありながら、巧みに張り巡らされた伏線が終盤で一気につながる構成は見事で、深い感動を呼びます。

読書好きはもちろん、普段あまり本を読まない方でも夢中になれる一冊です。

人間の生態ってすごくてさ。 この作品に出会って、読んで、心からぶわっと、何かがあふれ出す、その瞬間を楽しみにしていた。 やっと読めた。 特に中盤以降…

https://booklog.jp/author/%E8%BE%BB%E6%9D%91%E6%B7%B1%E6%9C%88

『かがみの孤城』は、辻村作品の魅力である青春のきらめき、痛み、そして希望が見事に詰まっています。

この感動的な物語が、あなたを辻村深月さんの世界の虜にすることでしょう。

初心者向け!感動が魅力のおすすめ作品3選

辻村深月さんの作品を初めて読むなら、まずは単体で物語が完結し、心温まる感動や見事などんでん返しの魅力を存分に味わえる作品から手にとるのがおすすめです。

どの作品も読みやすく、ぐいぐいと物語の世界に引き込まれます。

ここで紹介する3作品は、いずれも辻村深月さんの代表作であり、多くの読者の心を掴んできました。

読書に慣れていない初心者の方でも、きっと夢中になれる一冊が見つかるはずです。

本屋大賞受賞作『かがみの孤城』

『かがみの孤城』は、学校での居場所をなくした中学生たちが、鏡の向こうにある不思議な城に集うファンタジーミステリーです。

2018年に全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」を受賞した、辻村さんの代表作として知られています。

この作品は、読書サイト「ブクログ」で45,000人以上が登録し、平均評価4.41という驚異的な数字を記録しています。

ファンタジーの世界観でありながら、思春期特有の心の揺れ動きが丁寧に描かれており、物語の最後に明かされる見事な伏線回収には、多くの読者が感動の涙を流しました。

ファンタジーはあまり読まないけど、私でも楽しめるかな?

登場人物たちが抱える悩みはとても現実的で、きっと共感できますよ

人間の生態ってすごくてさ。 この作品に出会って、読んで、心からぶわっと、何かがあふれ出す、その瞬間を楽しみにしていた。 やっと読めた。 特に中盤以降…

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2022年には劇場アニメとして映画化もされ、世代を超えて多くの人々に愛されています。

辻村作品の初心者が最初に読む一冊として、これ以上ないほどおすすめの感動傑作です。

死者との再会を描く連作短編集『ツナグ』

『ツナグ』は、一生に一度だけ死んだ人と会わせてくれる案内人「ツナグ」をめぐる物語です。

依頼人それぞれの想いを描いた連作短編集となっており、一話が独立しているため通勤時間などのスキマ時間でも読み進められます。

2011年に第32回吉川英治文学新人賞を受賞し、翌2012年には松坂桃李さん主演で映画化もされました。

作中には5つの物語が収録されており、そのどれもが心にじんわりと温かい感動を残します。

短編集だと、物語への没入感が薄れないか心配…

各話の登場人物や想いが少しずつリンクし、最後には一つの大きな感動が待っています

生きて行く中で色々あった人達が ツナグに会いたい願う死者との交渉を してもらい会うことが出来た人達。 読んでいる中で自分なら誰かなぁ 死者になり会いたい…

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もし自分が死者に会えるなら誰を選ぶだろう、と考えながら読むことで、より一層物語の世界に深く入り込める作品です。

恋愛と婚活の真理を突く『傲慢と善良』

『傲慢と善良』は、主人公が突然姿を消した婚約者の行方を追う中で、自分や相手の心に潜む「傲慢さ」と「善良さ」に向き合っていく恋愛ミステリーです。

婚活や恋愛における現代人の複雑な心理を、容赦なく鋭い視点で描き出しています。

読書サイト「ブクログ」では、辻村さんの著作の中で最も多い56,000人以上が登録しており、いかに多くの読者の共感を呼んだかがうかがえます。

登場人物たちの言動や思考に、思わず「これは自分のことかもしれない」とドキリとさせられる場面がいくつもあります。

恋愛小説は甘いだけだと物足りなく感じてしまうかも

人間の内面を深く掘り下げるミステリー要素が強く、読み応えは十分です

結婚、恋愛、相手となるのは、どんなときなのだろう。何が動き、その方へと進むのだろう。純粋な気持ちだけになれれば、無理なく自然にいられる。傲慢、善良、2つの…

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2024年に映画化されたことも記憶に新しい話題作です。

恋愛の美しい部分だけでなく、目を背けたくなるような痛みまで描いた、大人にこそ読んでほしい傑作といえます。

作品世界のつながりを楽しむシリーズの読む順番

辻村深月作品の醍醐味の一つは、なんといっても作品同士のゆるやかなつながりです。

一見独立した物語に見えても、別の作品の登場人物が意外な形で顔を出したり、過去の出来事が語られたりします。

この仕掛けに気づいた瞬間、物語の世界は一気に広がり、読書の楽しみが何倍にもふくらみます。

ここでは、特に人気の高い2つのシリーズをご紹介します。

どちらから読んでも、辻村作品の奥深い魅力に触れられるはずです。

『スロウハイツの神様』から始まるクリエイターたちの物語

物語の舞台は、人気脚本家である赤羽環がオーナーを務めるアパート「スロウハイツ」。

そこは、夢を追う若きクリエイターたちが共同生活を送る特別な場所です。

2007年に刊行された本作は、漫画家や小説家、画家を目指す若者たちの才能への憧れや嫉妬、そして友情をリアルに描いた青春群像劇です。

彼らの送る日々と、隠された過去の事件が交差するストーリーに、心を揺さぶられることでしょう。

色んな人の感想で見かけるので気になって読んでみた 。青春の話か恋愛ものだと思ったら、語りは淡々としているけど内容が結構重い。そして何だこの気になる終わり方…

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やられた!!下巻の熱量に感情を持っていかれました チヨダ・コーキはいつか抜ける 必要な年齢を過ぎると、その人の本を卒業する 私が辻村深月さんの本を読む前…

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登場人物のその後がわかるのは嬉しい!

はい、物語の感動が何倍にもふくらみますよ

この順番で読み進めることで、『スロウハイツの神様』で気になっていたあの人物の過去や未来を知ることができます。

物語の点と点がつながり、登場人物たちをより深く愛おしく感じられるシリーズです。

『凍りのくじら』から広がる登場人物たちの相関図

このシリーズの面白さは、作品を読み進めるごとに登場人物たちの相関図が広がっていく点にあります。

中心となるのは、写真家の父の影響で、藤子・F・不二雄の言う「すこし・ふしぎ(SF)」を道しるべに生きる少女・芦沢理帆子です。

2005年に刊行された『凍りのくじら』を起点に、関連作品を読むことで、各登場人物の抱える秘密や過去が明らかになります。

少しビターな青春ミステリーを味わいながら、物語のパズルを解き明かすような興奮を体験できます。

藤子・F・不二雄先生が遺した言葉の 『SFはサイエンス・フィクションではなくて、少し不思議/Sukoshi Fushigiな物語』がこの本を読んだ感想! …

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祝辻村深月作家デビュー20周年 限定愛蔵版ぼくのメジャースプーンが 6月に発売されている模様 愛蔵版は凍りのくじらと2冊のようですから 辻村作品の中でも人…

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ぼくのメジャースプーンとの繋がりを読みたくて 単行本の時のカバーが好きで (あの学校の階段の踊り場のヤツです) お借りしたのは文庫だけど どちらで登録する…

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ミステリー要素もあるのはワクワクしますね

はい、パズルのピースがはまるような快感が味わえます

時系列通りに進むわけではないため、読む順番によって物語の印象が大きく変わるのがこのシリーズの魅力です。

ぜひ紹介した順番で読み、見事に張り巡らされた伏線とその回収を楽しんでみてください。

作家の軌跡を辿るデビュー作からの作品一覧

辻村深月という作家を深く味わいたいあなたには、デビュー作から刊行順に読み進める時系列ルートがおすすめです。

初期の鋭いミステリーから、次第に優しさや温かさを増していく感動作まで、作風の変遷を肌で感じられます。

このルートは、一人の作家が紡ぎ出す物語世界の広がりと進化を、まさに追体験できる贅沢な読書になるでしょう。

辻村作品の原点から最新作まで、その軌跡を辿る旅に出かけてみませんか。

時系列で読むことで、作品同士の隠れたつながりを発見する楽しみもあります。

まさに作家とともに歩むような読書体験は、他のルートでは味わえない感動を与えてくれるのです。

デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』

本作は、辻村さんが2004年に第31回メフィスト賞を受賞してデビューを飾った、記念すべき一冊です。

後の作品群にも通底する、思春期の繊細な心理描写と巧みな伏線が光る青春ミステリーの原点と言えます。

雪が降る日に学校へ閉じ込められた8人の高校生。

彼らは半年前のある学園祭の日に自殺した同級生の死の真相を思い出すため、時が止まった校舎をさまよいます。

文庫版では上下巻にわたる500ページ超えのボリュームで、それぞれの孤独や痛みが濃密に描かれていくのです。

雪が降る中クラス委員をしていた親友だけが 登校して他に誰もいない。 外にも出られない状況に気がつけば 全員あの日に誰がそうしたのか 思い出せない状況に困惑…

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読み終えて読後感はとても良かったです。 辻村深月さんの小説で1番好きかも?と 言われて読み始めましたが、 あの人ならそうかもなぁと思いました。 物語の中で…

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デビュー作って、やっぱり読みにくいかな?

分厚さに驚くかもしれませんが、張り巡らされた伏線に夢中になりますよ

ミステリーとしての完成度はもちろん、若さゆえの危うさや切実な願いが胸を打つ作品です。

辻村深月の原点に触れたいなら、避けては通れない傑作といえます。

直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』

本書は2012年に第147回直木三十五賞を受賞した作品です。

最大の特徴は、地方の小さな町を舞台に、どこにでもいそうな女性たちの日常に潜む心の闇を描いた連作短編集である点になります。

収録されている5つの物語は、盗み、放火、DVといった出来事を軸に、登場人物たちの見栄や嫉妬、焦りといった感情を生々しく描き出します。

ほんの少しボタンを掛け違えただけで、誰もが陥ってしまうかもしれない転落の物語は、読んでいるこちらの心までざわつかせる力を持っているのです。

短編集なら、少しずつ読み進められそう

はい、一話ずつ独立しているので隙間時間に読むのにもおすすめです

デビュー当時の青春ミステリーとはまた異なる、人間の普遍的な弱さや欲望に焦点を当てた作風が堪能できます。

読了後、自分の周りの世界が少し違って見えてくるような、鋭い人間観察眼が光る一冊です。

主要な受賞作品と刊行年リスト

辻村深月さんのキャリアを追いかける上で、どの作品がどのような評価を受けてきたかを知ることは、作品理解を深める重要な手がかりになります。

デビューから現在に至るまで、数々の文学賞に輝いてきました。

メフィスト賞での華々しいデビューから、吉川英治文学新人賞、そして権威ある直木賞の受賞、さらには全国の書店員が選ぶ本屋大賞の受賞と、着実に評価を高めてきた歩みは圧巻です。

その輝かしい受賞歴の一部を下の表にまとめました。

このリストを参考に時系列で読んでいくと、作家としてのテーマの深化や作風の変化をよりはっきりと感じ取れます。

各年代の代表作を押さえることで、あなたの読書体験はもっと豊かなものになるはずです。

映画やアニメなど映像化された人気作品

辻村さんの物語が持つ力は活字の世界にとどまりません。

数多くの作品が映画やテレビドラマ、アニメとして映像化され、幅広いファン層を獲得しています。

特に2022年に公開されたアニメ映画『かがみの孤城』は興行収入10億円を超えるヒットを記録し、大きな話題を呼びました。

ほかにも『ツナグ』や『傲慢と善良』などが実写映画化されており、人気俳優たちが演じることで、小説とはまた違ったキャラクターの魅力に触れることができます。

小説を読んでから映像で答え合わせをするもよし、映像を観てから原作の深い描写に浸るもよし。

二度、三度と物語の世界を楽しめるのは、映像化作品の多い辻村作品ならではの魅力です。

多くの読者を魅了する作家・辻村深月の素顔

作品の面白さはもちろんですが、その背景にある作家自身の人生や想いを知ることで、物語は一層深みを増します。

作品に込められた想いやバックグラウンドを知ると、物語はもっと深く、もっと面白く感じられます

ここでは、多くの読者を惹きつけてやまない辻村深月さんのプロフィールや経歴、そして作品に大きな影響を与えた事柄についてご紹介します。

作家としての経歴とデビューのきっかけ

辻村深月さんは、1980年2月29日に山梨県で生まれました。

幼い頃から読書が好きで、特に小学生の時に読んだ綾辻行人さんの『十角館の殺人』に衝撃を受け、ミステリー小説に夢中になります。

ペンネームの「辻」は、尊敬する綾辻行人さんから取ったものです。

千葉大学教育学部を卒業後は、山梨県の団体職員として働きながら小説を執筆していました。

そして2004年、高校時代から書き進めていた『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、24歳で作家デビューを果たします

働きながらあんな大作を書き上げていたなんてすごい…!

その情熱が、数々の傑作を生み出す原動力になっているんです

デビュー後も精力的に執筆を続け、2008年からは専業作家として活動しています。

直木賞や本屋大賞などの主な受賞歴

辻村深月さんの作品は、文学賞の選考委員だけでなく、全国の書店員や多くの読者からも熱い支持を得ています。

その人気と実力は、華々しい受賞歴が証明しています。

2011年に『ツナグ』で吉川英治文学新人賞を受賞したのを皮切りに、翌年には大きな注目が集まります。

『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を、『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞し、人気作家としての地位を不動のものにしました。

これらの受賞歴は、辻村作品が持つ物語の力と、読者の心を掴む魅力の高さを物語っています。

藤子・F・不二雄作品からの影響

辻村深月さんは、藤子・F・不二雄作品の熱心なファンであると公言しています。

その愛は自身の作品にも色濃く反映されており、物語に独特の温かみと彩りを加えています。

特にその影響が感じられるのが『凍りのくじら』です。

作中で登場人物が藤子・F・不二雄の世界を「スコシ・フシギ」と表現し、各章のタイトルにひみつ道具の名前を使用しています

さらに、2019年には『映画ドラえもん のび太の月面探査記』で脚本を担当し、長年の夢を叶えました。

ドラえもんの脚本も書いているなんて知らなかった!

憧れの作品に携わるなんて、まさに夢を叶えた作家ですよね

少年時代の憧れやワクワクする気持ちが、辻村作品の根底に流れる「少し不思議」な魅力の源泉となっています。

作品に込められた青春と家族のテーマ

辻村作品が多くの人の心を打つのは、思春期の繊細な心理や、複雑な家族関係をリアルに描いている点にあります。

スクールカーストや友人関係の悩み、親子のすれ違いといった、誰もが一度は経験するであろう感情を巧みに描き出します。

辻村さん自身も2人の子どもの母親であり、2019年には「第12回ベストマザー賞」の文芸部門を受賞しました。

その経験が、家族を描く作品にさらなる深みと説得力をもたらしているのでしょう。

今回のテーマは女性についてです。私も女性なのですごく共感できることがいっぱいでした。やっぱりどれだけ仲が良くても友達と比較して落ち込んだりすることもありま…

https://booklog.jp/author/%E8%BE%BB%E6%9D%91%E6%B7%B1%E6%9C%88

ミステリーやファンタジーという物語の面白さの中に、こうした普遍的な青春や家族のテーマが織り込まれているからこそ、読者は登場人物に自分を重ね、心を揺さぶられるのです。

よくある質問(FAQ)

読書が苦手な初心者でも挫折しない作品はありますか?

はい、あります。

『ツナグ』や直木賞を受賞した『鍵のない夢を見る』は、1話が短く区切られている連作短編集なので、通勤時間など少しの合間にも読み進めやすいのでおすすめです。

ページ数の多い物語に挑戦したい場合は、本屋大賞に選ばれた『かがみの孤城』が、ファンタジーの世界観で読みやすく、心からの感動を味わえます。

ホラーやミステリーが苦手なのですが、楽しめますか?

もちろん楽しめます。

辻村作品には背筋が凍るようなホラーや難解なミステリーもありますが、それだけではありません。

『かがみの孤城』のような感動的な青春小説や、温かい家族の絆を描いた物語もたくさんあります。

まずはこの記事で紹介している作品から手に取れば、きっと心地よい読書体験ができます。

シリーズ作品は、紹介された順番通りに読まないといけませんか?

必ずしもその必要はありません。

どの作品も一冊で物語として完結しているため、気になったものから読んでも十分に楽しめます。

ただ、おすすめした順番で読み進めると、登場人物たちの過去や未来といった「つながり」に気づくことができ、作品世界の奥行きがぐっと増します。

映画やアニメ化された作品は、原作とどっちを先に楽しむのがおすすめですか?

これはどちらからでも、それぞれの良さがあります。

先に映画やアニメを見ると、物語のあらすじや登場人物の関係を把握してから原作を読めるため、細やかな心理描写がより深く理解できます。

逆に原作を先に読むと、自分の頭の中に描いた世界が映像でどう表現されるのか、答え合わせをするような楽しみ方が可能です。

話題の最新刊から読み始めても大丈夫でしょうか?

全く問題ありません。

ほとんどの作品は単独で完結しているので、書店で平積みになっている新刊から手に取るのも素敵な出会い方です。

もしその作品がシリーズもので、読んでみて気に入ったら、関連する過去の作品を遡って読むという新しい楽しみも見つかります。

いろいろな作品に同じキャラクターが出てくると聞きましたが、どういうことですか?

それは辻村作品の大きな魅力の一つです。

ある作品では脇役だった人物が、別の作品では主人公としてその過去や背景が語られることがあります。

例えば『スロウハイツの神様』を読んだ後に他の作品を手に取ると、登場人物の意外な一面を知ることができます。

この仕掛けによって、読み進めるほどに物語の世界の相関図が広がり、より深く楽しめるのです。

まとめ

この記事では、数ある辻村深月さんの作品の中から、初心者でも失敗しないおすすめの読む順番を3つのルートで解説しました。

あなたの「どんな読書体験をしたいか」という気持ちに合わせてルートを選ぶことで、作品の楽しみ方は何倍にも広がります。

もし最初の一冊に迷ったら、まずは『かがみの孤城』を手に取ってみてください。

きっと、あなたの日常を豊かにしてくれる特別な物語に出会えます。

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