【感想】芦沢央|許されようとは思いませんはイヤミスの傑作|ネタバレなしであらすじと評価を解説
芦沢央さんの『許されようとは思いません』は、幸せな日常に隠された人間の悪意と、「許し」という行為の欺瞞を暴き出す作品です。 本書の根底に流れる「あなたは、この罪を許せますか」という問いかけは、読者の倫理観を静かに、しかし強く揺さぶります。 本作は、人間の善意や良心を根底から疑わせる、後味の悪い傑作短編集です。 それぞれ独立した5つの物語が、最後の1編で恐ろしい全体像を明らかにする構成は圧巻で、読後に心へ重い爪痕を残します。 短編集って、話がバラバラで物足りないこともあるんだけど…...